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第5話 報復と幸福
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「エルマ。話をしに行こう」
会場に戻り、根回しを済ませた僕はエルマの手を引いて歩き出す。
「話って、誰に?」
「それはもちろん君の父上と母上に経緯を説明しにね」
「そうね。あんな無礼は許されないもの。じゃあ早速探しに行きましょ」
根回しをする中で僕の意図を組んでくれたのだろう、いつものように少しの反発を見せるエルマも可愛いけれど、こうして素直に頷いてくれるエルマも可愛い。
何だろうな。この子供らしさを残す可愛い生物は。
時に大人の振りをして誘惑を試みる小悪魔な所もあるけれど、手放したくない存在だ。
正直キリトのいう事も一理あるかもと思ってしまったよ。
だって僕が持つものなんてちっぽけで、人に誇れるものはなかった。
何もかも期待しない、大事なものでも簡単に奪われてきた僕の執着心は今までとても薄かった。
でもエルマがキリトを拒否し、僕を選んだならば、もうキリトには渡せない。
影が薄いなりに出来ることはあるし、金や地位がなくても出来る事ってあるはずだから。
僕達が訪れた時、彼らは歓談をしていた。
少しだけ義父と義母の顔に困惑が見えるから、返しに困る話題でもされているのだろうね。エルマの事についてとか。
「やぁキリト。義父上と義母上と話をしていたんだね」
キリトの護衛の目を潜り、僕はキリトと義父と義母の話に口を挟む。
「兄上! 一体どちらにいらしたのですか?」
驚いたようなキリトの声。だいぶ近づいていたのに僕にすぐには気づかなかったようだ。
キリトの護衛もだいぶ驚いている。義父と義母は慣れたもので、気にしている様子はない。寧ろ僕が来た事でホッとしたようだ。
何の話をしていたのやら。
「義父上、義母上。突然話に割り込んでしまい、申し訳ありません。それでキリト、何の話をしていたのかな?」
再度の質問だが、すぐにはキリトは口を開けない。
(どうせ口止めに来たんだろうな)
分かってはいるが、僕は首を傾げ、とぼけて見せる。
僕とエルマの護衛の者達はキリトの護衛達の側にいて、話の邪魔をしないように牽制してくれている。
そうそう、そうして止めてくれていると嬉しい。
僕の計画はもう少しで終了だから。
キリトが僕の義父と義母に話しに来ることは分かっていた、上を抑えれば下は従わざるを得ないもの、それくらい予想は出来る。
ではこの弟を抑え込むには? 父に言っても暖簾に腕押しだ。
そう考えて別方面の寄り道をしてきた。実がつくと嬉しいね。
「兄上、惚けないで下さい。いくら何でも酷すぎます」
「?」
唐突なその言葉に多少面食らう。何が酷いというのか、酷いのはお前の方だろう。
「俺とエルマ王女が愛し合ってると知りながら、あなたは王太子の地位を捨て、メリオラ嬢を捨て、勝手にレグリス国へと行ったじゃないですか!」
衝撃的な言葉だね、キリトは一体何を企んでいる?
「その話はおかしいな。僕が王太子の地位を捨てたんじゃない、お前らが奪ったんじゃないか。父も貴族達もメリオラ嬢も僕を捨てた。だからレグリスへと婿入りしたのだよ」
「立太子までした兄上を普通なら行かせるわけがないじゃないですか。確かに議論はありましたけれど、俺が行くことは決まっていたのに」
えっと、三年も経って今更そんな事を言うの? その嘘を誰に信じさせようというのか。
「エルマ様、兄はこのような男なのです。本来は俺があなたと婚姻する予定だった」
あぁそうか、エルマ達に対してなのか。
「そんな虚言は信じられませんわ。ディルスはとても優しくて誠実な人で、そのような事をする人とは思えません」
エルマが庇ってくれるが、弟は悲痛な表情を作っている。
「兄上はずるい男です。その証拠に高額な魔導具をエルマ様のお金で買い漁っているじゃないですか」
それはレグリス国から出る資金の事だろうが。まぁエルマの金とも言えなくもない。
王族の配偶者という事で幾らかの割り当ては出ている。何もしていないわけはないけれど、思ったよりも多い分配に申し訳なさは感じていた。
でも何故それをキリトが指摘する? ってか僕の購入品の把握をしているの? 無駄な情報料払ってないかな。
「それに世の中には人を魅了する薬もあります。もしかしたら、エルマ様はそれを使われたのでは?」
僕よりも隣にいるエルマの顔色が変わった。
もちろん僕はそんな薬見た事も買おうとも思ってないし、買い物目録はきちんと出している。妻に内緒で買い物なんて、サプライズプレゼントすら妬かれるんだから、出来るわけないよ。
(これは相当お怒りだな)
怒気なのか、何らかのオーラが立ち上るのが感じられる。それに耳も真っ赤で、怒りの紅潮だろうな。
(しかしキリトも馬鹿だ、こんな嘘を吐く輩を信用出来るわけがないだろ)
魅了の薬を使われたなんて、あるわけがないだろう。
裏を返せば、王女が魅了の薬を使われるような迂闊な国だというようなもので。
キリトの発言は国を馬鹿にしているものだ。
エルマの様子に気づかないキリトは更に話す。
「兄上は昔から変に人を惹きつける事がある。優しくしたり同情を買ったりと、心に付け入るのがうまい」
「それなら心当たりはあるけれど、それって魅了ではなくてディルスの性格が良いってだけよね」
ついにエルマが口を挟んでくる。疑いの眼差しをキリトに向け、不機嫌さを表わすように唇を尖らせていた。
キリトの検討違いの言葉と不遜さに思わずため息を吐く。
「馬鹿な事を言うのは止めるんだ、キリト。僕にそのような力があったのなら、自らカミディオンを離れるなんておかしいだろう。そのまま居ればゆくゆくは王に慣れたのに」
キリトのシナリオのおかしさを突いた。
そもそも人を惹きつけるなんて、そんな事あるわけないだろ。僕に人望がないと嘲笑って来たお前がどの口でそんな事を言うんだ。
「それは兄が俺よりも劣っていたから、いつかその地位を取られると思ったからだろう? 臆病で弱くて、人と争うなんて出来ない兄上。こんなにも臆病で卑怯で弱い兄上よりも、エルマ王女の配偶者は俺の方が相応しい。どうか俺を選んでください」
弟の鬼気迫る様子に僕はエルマの前に出る。
何か出来るとは思わないけれど、危害を加える可能性がある以上何もしないではいられない。
「キリト、どうしたんだ? 今のお前はだいぶおかしい。お前は僕よりも優秀なんだろ」
「俺は今エルマ王女と話しているんだ、俺より下のお前は黙ってろ」
射殺しそうな程の睨みつけられる、根回しをしてる間にどうしてここまで狂ったんだろう。
(あぁ既にもう壊れていたのか)
最初の口説きが失敗し、自尊心を破壊されたかのだと思い至った
キリトよりも下の存在の僕が、エルマに選ばれた事が気に入らないようだ。折角自身満々のキリトの鼻っ柱を折ってやろうと思っていたのに、既に壊れたなら仕方ない。
「レグリス国王陛下、そして王妃様」
あえて僕は二人をそう呼ぶ。これは臣下として話があると示す為に呼び名を変えたのだ。
「お二人と、そして皆に聞いてもらいたい話があります。今からする事への許しをお願いたい」
そう言って服の中にしまっていた魔道具を見せた。
「面白そうだね、いいよ」
義父は軽い口調で許可をくれた。
内容も詳細も聞かず許可をくれるその様子に信頼を感じ、嬉しくなる。
それと同時に少しだけの寂寥感が芽生えた、僕はカミディオンに、少なくとも弟には必要とされていないのだと。
「何をする気だ!」
血相を変えたキリトが焦ったように僕に手を伸ばす。
その前にエルマが僕を抱えて、空中へと飛びあがってくれた。
会場に戻り、根回しを済ませた僕はエルマの手を引いて歩き出す。
「話って、誰に?」
「それはもちろん君の父上と母上に経緯を説明しにね」
「そうね。あんな無礼は許されないもの。じゃあ早速探しに行きましょ」
根回しをする中で僕の意図を組んでくれたのだろう、いつものように少しの反発を見せるエルマも可愛いけれど、こうして素直に頷いてくれるエルマも可愛い。
何だろうな。この子供らしさを残す可愛い生物は。
時に大人の振りをして誘惑を試みる小悪魔な所もあるけれど、手放したくない存在だ。
正直キリトのいう事も一理あるかもと思ってしまったよ。
だって僕が持つものなんてちっぽけで、人に誇れるものはなかった。
何もかも期待しない、大事なものでも簡単に奪われてきた僕の執着心は今までとても薄かった。
でもエルマがキリトを拒否し、僕を選んだならば、もうキリトには渡せない。
影が薄いなりに出来ることはあるし、金や地位がなくても出来る事ってあるはずだから。
僕達が訪れた時、彼らは歓談をしていた。
少しだけ義父と義母の顔に困惑が見えるから、返しに困る話題でもされているのだろうね。エルマの事についてとか。
「やぁキリト。義父上と義母上と話をしていたんだね」
キリトの護衛の目を潜り、僕はキリトと義父と義母の話に口を挟む。
「兄上! 一体どちらにいらしたのですか?」
驚いたようなキリトの声。だいぶ近づいていたのに僕にすぐには気づかなかったようだ。
キリトの護衛もだいぶ驚いている。義父と義母は慣れたもので、気にしている様子はない。寧ろ僕が来た事でホッとしたようだ。
何の話をしていたのやら。
「義父上、義母上。突然話に割り込んでしまい、申し訳ありません。それでキリト、何の話をしていたのかな?」
再度の質問だが、すぐにはキリトは口を開けない。
(どうせ口止めに来たんだろうな)
分かってはいるが、僕は首を傾げ、とぼけて見せる。
僕とエルマの護衛の者達はキリトの護衛達の側にいて、話の邪魔をしないように牽制してくれている。
そうそう、そうして止めてくれていると嬉しい。
僕の計画はもう少しで終了だから。
キリトが僕の義父と義母に話しに来ることは分かっていた、上を抑えれば下は従わざるを得ないもの、それくらい予想は出来る。
ではこの弟を抑え込むには? 父に言っても暖簾に腕押しだ。
そう考えて別方面の寄り道をしてきた。実がつくと嬉しいね。
「兄上、惚けないで下さい。いくら何でも酷すぎます」
「?」
唐突なその言葉に多少面食らう。何が酷いというのか、酷いのはお前の方だろう。
「俺とエルマ王女が愛し合ってると知りながら、あなたは王太子の地位を捨て、メリオラ嬢を捨て、勝手にレグリス国へと行ったじゃないですか!」
衝撃的な言葉だね、キリトは一体何を企んでいる?
「その話はおかしいな。僕が王太子の地位を捨てたんじゃない、お前らが奪ったんじゃないか。父も貴族達もメリオラ嬢も僕を捨てた。だからレグリスへと婿入りしたのだよ」
「立太子までした兄上を普通なら行かせるわけがないじゃないですか。確かに議論はありましたけれど、俺が行くことは決まっていたのに」
えっと、三年も経って今更そんな事を言うの? その嘘を誰に信じさせようというのか。
「エルマ様、兄はこのような男なのです。本来は俺があなたと婚姻する予定だった」
あぁそうか、エルマ達に対してなのか。
「そんな虚言は信じられませんわ。ディルスはとても優しくて誠実な人で、そのような事をする人とは思えません」
エルマが庇ってくれるが、弟は悲痛な表情を作っている。
「兄上はずるい男です。その証拠に高額な魔導具をエルマ様のお金で買い漁っているじゃないですか」
それはレグリス国から出る資金の事だろうが。まぁエルマの金とも言えなくもない。
王族の配偶者という事で幾らかの割り当ては出ている。何もしていないわけはないけれど、思ったよりも多い分配に申し訳なさは感じていた。
でも何故それをキリトが指摘する? ってか僕の購入品の把握をしているの? 無駄な情報料払ってないかな。
「それに世の中には人を魅了する薬もあります。もしかしたら、エルマ様はそれを使われたのでは?」
僕よりも隣にいるエルマの顔色が変わった。
もちろん僕はそんな薬見た事も買おうとも思ってないし、買い物目録はきちんと出している。妻に内緒で買い物なんて、サプライズプレゼントすら妬かれるんだから、出来るわけないよ。
(これは相当お怒りだな)
怒気なのか、何らかのオーラが立ち上るのが感じられる。それに耳も真っ赤で、怒りの紅潮だろうな。
(しかしキリトも馬鹿だ、こんな嘘を吐く輩を信用出来るわけがないだろ)
魅了の薬を使われたなんて、あるわけがないだろう。
裏を返せば、王女が魅了の薬を使われるような迂闊な国だというようなもので。
キリトの発言は国を馬鹿にしているものだ。
エルマの様子に気づかないキリトは更に話す。
「兄上は昔から変に人を惹きつける事がある。優しくしたり同情を買ったりと、心に付け入るのがうまい」
「それなら心当たりはあるけれど、それって魅了ではなくてディルスの性格が良いってだけよね」
ついにエルマが口を挟んでくる。疑いの眼差しをキリトに向け、不機嫌さを表わすように唇を尖らせていた。
キリトの検討違いの言葉と不遜さに思わずため息を吐く。
「馬鹿な事を言うのは止めるんだ、キリト。僕にそのような力があったのなら、自らカミディオンを離れるなんておかしいだろう。そのまま居ればゆくゆくは王に慣れたのに」
キリトのシナリオのおかしさを突いた。
そもそも人を惹きつけるなんて、そんな事あるわけないだろ。僕に人望がないと嘲笑って来たお前がどの口でそんな事を言うんだ。
「それは兄が俺よりも劣っていたから、いつかその地位を取られると思ったからだろう? 臆病で弱くて、人と争うなんて出来ない兄上。こんなにも臆病で卑怯で弱い兄上よりも、エルマ王女の配偶者は俺の方が相応しい。どうか俺を選んでください」
弟の鬼気迫る様子に僕はエルマの前に出る。
何か出来るとは思わないけれど、危害を加える可能性がある以上何もしないではいられない。
「キリト、どうしたんだ? 今のお前はだいぶおかしい。お前は僕よりも優秀なんだろ」
「俺は今エルマ王女と話しているんだ、俺より下のお前は黙ってろ」
射殺しそうな程の睨みつけられる、根回しをしてる間にどうしてここまで狂ったんだろう。
(あぁ既にもう壊れていたのか)
最初の口説きが失敗し、自尊心を破壊されたかのだと思い至った
キリトよりも下の存在の僕が、エルマに選ばれた事が気に入らないようだ。折角自身満々のキリトの鼻っ柱を折ってやろうと思っていたのに、既に壊れたなら仕方ない。
「レグリス国王陛下、そして王妃様」
あえて僕は二人をそう呼ぶ。これは臣下として話があると示す為に呼び名を変えたのだ。
「お二人と、そして皆に聞いてもらいたい話があります。今からする事への許しをお願いたい」
そう言って服の中にしまっていた魔道具を見せた。
「面白そうだね、いいよ」
義父は軽い口調で許可をくれた。
内容も詳細も聞かず許可をくれるその様子に信頼を感じ、嬉しくなる。
それと同時に少しだけの寂寥感が芽生えた、僕はカミディオンに、少なくとも弟には必要とされていないのだと。
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