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第6話 愛って(エルマ)
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「兄上。これ以上のご乱心はお止めください! そうまでしてレグリス国やカミディオン国を貶めようというのですか!」
私の魔法で空中に飛び上がったのだけれど、下の方でキリトがキャンキャンと喚いている。
「キリト、僕はお前が何を言っているのかわからない! 寧ろ貶めようとしているのはお前ではないか」
ディルスの僅かに寂し気な様子に心が痛む。
この人は本当は傷つきやすいのよ、もうあの口を閉じてくれないかしら。
「違います、あなたが、あなたの存在こそが二国を貶めるのだ!」
キリトが何とか私達を引きずりおろせと周囲にいる者達に命令を飛ばしている。その命令に従う者が大きいるのが見て取れた。
「レグリス王、何故止めないのです! エルマ王女が危険に晒されているのに」
「いや、寧ろあれはエルマがディルス殿を捕まえているから飛べているのだけれど……?」
冷静さを欠いたキリトに噛みつかれたお父様が首を傾げている。
(それにしてもキリトの部下は、何故止めないの?)
王太子が他国の王に食らいつくなんて、乱心しているしか思えない行動なのに、カミディオンの者の冷たい目はディルスに向いている。
おかしいことを言っているのはキリトの方なんだけれど、皆も冷静さを失っているのかしら?
「兄上。あなたはカミディオン国での評判は良くなかった、それは他国からも同様だ。あなたは特筆することを持たないし、エルマ様との仲も悪い。そして何より平気で嘘をつく。そのような人間を信用するものはいない。そうでしょう?」
「何を言っているの? 私とディルスは仲がいいし、これからもずっと一緒よ!」
「そう思わされているのです。可哀想にエルマ様、すっかり兄に騙されて」
周囲にいるカミディオンの者はキリトに同情的だ。こんな荒唐無稽な話を信じるなんて。
他国の者は今のところ戸惑うものが多いようだ。
どちらに転ぶだろうか。聡い人ならわかるはずよ。
「大人しく聞いていれば、随分と失礼な物言いだな」
キリトの声を押さえつけるように間に入ったのは、静観していたお父様だ。さすがにキレたらしい。
「私どもの娘夫婦は正真正銘愛し合っており、エルマもディルス殿と添い遂げることを望んでいる。それなのに何故そのような言葉が出るのか、とても不思議だ」
お父様が嬉しい言葉をくれるわ、でも少し恥ずかしい。こんな大勢の前で言われるなんて。
「本当、何て失礼な話。ディルスさんの母国でなければ、即刻帰っていたわ」
お母様もまたディルスを庇うように話してくれる。
二人ともキリトなんかよりもディルスを信じてくれている、心が温かくなるわね。
「例え他国の王太子と言え、私の夫を馬鹿にするのは許せない」
私もまたディルスの為、怒りは継続中だ。
「ありがとう……」
ぽつりとディルスは小声でそう言った。若干震えているようなのは、気のせいだろうか。
それを聞いて私はますます怒りがこみ上げる。夫を傷つけた者達を許すなんて絶対にしないんだからね。
それにしても、何でこんな根拠のない話を信じるのかしら? もしかしてカミディオンの者達の方がキリトに魅了の魔法でもかけられているの?
そうであればこの異様さもわかるわ。
本当に馬鹿ばっかりね
――ねぇ、あなたの弟、吹き飛ばしていい?
思わずそんな言葉が飛び出しそうになった
「こんなのばかりがカミディオンには居るのね。ディルス、本当に大変だったでしょ」
呆れたように呟けば、困ったように眉間に皺を寄せたディルスが私の手を握ってくる。
「大変だった。だから僕を選び、レグリスへと呼んでくれた君は、救いの女神様だよ。ちなみに君は、僕を信じてくれているかい?」
「当然よ、夫を信じないわけないわ」
私はディルスの手を強く握り返し、気持ちを返す。
その様子をキリトは苦々しく見ていた。
「エルマ様。偽りの夫とは離縁し、ぜひカミディオンに来て下さい。本当の幸せをお教えしますからね」
どこを取ってその流れになった。
「あらやだキモい、絶対にお断りよ」
鳥肌が立つ台詞に本音が漏れた。
キリトの顔が赤くなり怒ったようだけれど、怒っていいのはディルスの方よ。
こんな思い込みの激しい、自己中男がディルスよりも上なんてないわね。カミディオンは手放してはいけない王子を手放したのだ。
まぁ私の選択が後押ししたわけだし、キリトが来ていたら絶対に返品していたけれど。
何もかもが合わない男だわ。
「どうやらエルマ様はすっかり魅了されたようだ。諸悪の根源を何とかしないと駄目だな」
うん、この国は潰れた方がいいわね。ていうか他国の王族に兵を向けようとするなんて、潰れるわ。
もちろんお父様もお母様もいるし、護衛も抑えてくれてるから、捕まるわけはないんだけれど。
宙に浮いた事で一気に皆の注目を浴びてるし、キリトの声は通るからほとんどの者がこのやり取りに気づき始めている。
このような場での魔法の使用は禁じられているから、それもあって目立っている。キリトの行いとは別として罰せられる可能性は高いのだけれど、止む無しよね。
大元の責任者であるカミディオン国王が後々どうするか。まぁお父様の許可はあるから、大丈夫でしょう。
「もうこんなに注目を浴びてるし、丁度良かった。さっ、暴露しよう。地味な僕がこんな派手な事をするなんて、ある意味カミディオンからの最後の餞、かな」
ディルスの笑みはかなり邪悪に映ったが、その顔も悪くないわね。
「先程の会話を録音していたから、これを流そう。どうせキリトは終わりだけれど、カミディオンの王太子がいかに碌でもないかわかるだろう。既婚の女性に求婚なんて、どの国でも許されない事だよ。カミディオンは嫌いだったけれど、仮にもレグリスとの友好国だったからと庇っていた、でももうこの国はいらない」
ディルスは魔法が使える訳では無いので、こうして色々な魔道具を持ち歩いている。
魔法が使える私達にはさして必要ないけれど、ディルスは上手く活用しているようだった。
それらはけして安いものではないが、ディルスが不自由ない生活を送る為の大事なものだし、ディルスの功績を考えれば安いものだ。
ディルスは迷いが吹っ切れた顔をしている。ずっと前から思う所はあったが、今ようやくそこから解き放たれるのだ、とてもいい事ね。
空中にて私を膝の上に乗せ直したディルスは魔道具を起動させ、今までの会話を会場に流し始める。
夫以外からの求婚なんて嫌悪で体が震えるわ、私はディルスにしがみついて聞いていた。
キリトが「こんなの嘘だ!」「誰も信じない!」など喚いているが、これらがあなたの本性なのよ。認めてしまいなさい。
キリトはディルスの信用はないと言っていたが、そんな事はない。今カミディオンが豊かなのは、ディルスのお陰だもの。
レグリスと親交の深い国がディルスの為にと尽力し、カミディオンと交流が始まったという経緯がある。
それなのにディルスを蔑ろにし、その妻である私を口説くなんて、後ろ足で砂を掛ける行為だわ。
下に見ていた者から見下されている気分は、どんなものかしら……とても惨めそうね。
まぁ今こうして私達に同情するような空気が出ているのは、お父様たちと会う前にした根回しのお陰もあるけれど。
物理的に魔法で潰す話は却下されたけれど、私も出来る限り頑張ったの。
根回しって回りくどいし、面倒だったけれど、こうして成功した今ではよかったと思う。
私の魔法で空中に飛び上がったのだけれど、下の方でキリトがキャンキャンと喚いている。
「キリト、僕はお前が何を言っているのかわからない! 寧ろ貶めようとしているのはお前ではないか」
ディルスの僅かに寂し気な様子に心が痛む。
この人は本当は傷つきやすいのよ、もうあの口を閉じてくれないかしら。
「違います、あなたが、あなたの存在こそが二国を貶めるのだ!」
キリトが何とか私達を引きずりおろせと周囲にいる者達に命令を飛ばしている。その命令に従う者が大きいるのが見て取れた。
「レグリス王、何故止めないのです! エルマ王女が危険に晒されているのに」
「いや、寧ろあれはエルマがディルス殿を捕まえているから飛べているのだけれど……?」
冷静さを欠いたキリトに噛みつかれたお父様が首を傾げている。
(それにしてもキリトの部下は、何故止めないの?)
王太子が他国の王に食らいつくなんて、乱心しているしか思えない行動なのに、カミディオンの者の冷たい目はディルスに向いている。
おかしいことを言っているのはキリトの方なんだけれど、皆も冷静さを失っているのかしら?
「兄上。あなたはカミディオン国での評判は良くなかった、それは他国からも同様だ。あなたは特筆することを持たないし、エルマ様との仲も悪い。そして何より平気で嘘をつく。そのような人間を信用するものはいない。そうでしょう?」
「何を言っているの? 私とディルスは仲がいいし、これからもずっと一緒よ!」
「そう思わされているのです。可哀想にエルマ様、すっかり兄に騙されて」
周囲にいるカミディオンの者はキリトに同情的だ。こんな荒唐無稽な話を信じるなんて。
他国の者は今のところ戸惑うものが多いようだ。
どちらに転ぶだろうか。聡い人ならわかるはずよ。
「大人しく聞いていれば、随分と失礼な物言いだな」
キリトの声を押さえつけるように間に入ったのは、静観していたお父様だ。さすがにキレたらしい。
「私どもの娘夫婦は正真正銘愛し合っており、エルマもディルス殿と添い遂げることを望んでいる。それなのに何故そのような言葉が出るのか、とても不思議だ」
お父様が嬉しい言葉をくれるわ、でも少し恥ずかしい。こんな大勢の前で言われるなんて。
「本当、何て失礼な話。ディルスさんの母国でなければ、即刻帰っていたわ」
お母様もまたディルスを庇うように話してくれる。
二人ともキリトなんかよりもディルスを信じてくれている、心が温かくなるわね。
「例え他国の王太子と言え、私の夫を馬鹿にするのは許せない」
私もまたディルスの為、怒りは継続中だ。
「ありがとう……」
ぽつりとディルスは小声でそう言った。若干震えているようなのは、気のせいだろうか。
それを聞いて私はますます怒りがこみ上げる。夫を傷つけた者達を許すなんて絶対にしないんだからね。
それにしても、何でこんな根拠のない話を信じるのかしら? もしかしてカミディオンの者達の方がキリトに魅了の魔法でもかけられているの?
そうであればこの異様さもわかるわ。
本当に馬鹿ばっかりね
――ねぇ、あなたの弟、吹き飛ばしていい?
思わずそんな言葉が飛び出しそうになった
「こんなのばかりがカミディオンには居るのね。ディルス、本当に大変だったでしょ」
呆れたように呟けば、困ったように眉間に皺を寄せたディルスが私の手を握ってくる。
「大変だった。だから僕を選び、レグリスへと呼んでくれた君は、救いの女神様だよ。ちなみに君は、僕を信じてくれているかい?」
「当然よ、夫を信じないわけないわ」
私はディルスの手を強く握り返し、気持ちを返す。
その様子をキリトは苦々しく見ていた。
「エルマ様。偽りの夫とは離縁し、ぜひカミディオンに来て下さい。本当の幸せをお教えしますからね」
どこを取ってその流れになった。
「あらやだキモい、絶対にお断りよ」
鳥肌が立つ台詞に本音が漏れた。
キリトの顔が赤くなり怒ったようだけれど、怒っていいのはディルスの方よ。
こんな思い込みの激しい、自己中男がディルスよりも上なんてないわね。カミディオンは手放してはいけない王子を手放したのだ。
まぁ私の選択が後押ししたわけだし、キリトが来ていたら絶対に返品していたけれど。
何もかもが合わない男だわ。
「どうやらエルマ様はすっかり魅了されたようだ。諸悪の根源を何とかしないと駄目だな」
うん、この国は潰れた方がいいわね。ていうか他国の王族に兵を向けようとするなんて、潰れるわ。
もちろんお父様もお母様もいるし、護衛も抑えてくれてるから、捕まるわけはないんだけれど。
宙に浮いた事で一気に皆の注目を浴びてるし、キリトの声は通るからほとんどの者がこのやり取りに気づき始めている。
このような場での魔法の使用は禁じられているから、それもあって目立っている。キリトの行いとは別として罰せられる可能性は高いのだけれど、止む無しよね。
大元の責任者であるカミディオン国王が後々どうするか。まぁお父様の許可はあるから、大丈夫でしょう。
「もうこんなに注目を浴びてるし、丁度良かった。さっ、暴露しよう。地味な僕がこんな派手な事をするなんて、ある意味カミディオンからの最後の餞、かな」
ディルスの笑みはかなり邪悪に映ったが、その顔も悪くないわね。
「先程の会話を録音していたから、これを流そう。どうせキリトは終わりだけれど、カミディオンの王太子がいかに碌でもないかわかるだろう。既婚の女性に求婚なんて、どの国でも許されない事だよ。カミディオンは嫌いだったけれど、仮にもレグリスとの友好国だったからと庇っていた、でももうこの国はいらない」
ディルスは魔法が使える訳では無いので、こうして色々な魔道具を持ち歩いている。
魔法が使える私達にはさして必要ないけれど、ディルスは上手く活用しているようだった。
それらはけして安いものではないが、ディルスが不自由ない生活を送る為の大事なものだし、ディルスの功績を考えれば安いものだ。
ディルスは迷いが吹っ切れた顔をしている。ずっと前から思う所はあったが、今ようやくそこから解き放たれるのだ、とてもいい事ね。
空中にて私を膝の上に乗せ直したディルスは魔道具を起動させ、今までの会話を会場に流し始める。
夫以外からの求婚なんて嫌悪で体が震えるわ、私はディルスにしがみついて聞いていた。
キリトが「こんなの嘘だ!」「誰も信じない!」など喚いているが、これらがあなたの本性なのよ。認めてしまいなさい。
キリトはディルスの信用はないと言っていたが、そんな事はない。今カミディオンが豊かなのは、ディルスのお陰だもの。
レグリスと親交の深い国がディルスの為にと尽力し、カミディオンと交流が始まったという経緯がある。
それなのにディルスを蔑ろにし、その妻である私を口説くなんて、後ろ足で砂を掛ける行為だわ。
下に見ていた者から見下されている気分は、どんなものかしら……とても惨めそうね。
まぁ今こうして私達に同情するような空気が出ているのは、お父様たちと会う前にした根回しのお陰もあるけれど。
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