4 / 21
第4話 休日も一緒
しおりを挟む
次の休日、二人は一緒に過ごす事にした。
「気分転換に少し外に出よう、久しぶりに薬草採りとかどうかな?」
「行きたいわ。学園に入ってから行ってないものね」
浮き浮きとした表情でラズリーは応じる。
(良かった、少しは気が紛れるといいな)
ファルクもまた笑顔だ。
嫌な目に合ったラズリーの気持ちが落ち着けばとして提案したのだが、他にも理由があった。
この前意地悪をした令嬢達に、更に注意を促す為に、それぞれの両親が話をするからと、ラズリーを家から離すように言われたのだ。
(令嬢達に今後は近づくなとは言ったが、家を通して更に忠告もするんだな。まぁラズリーの親も、俺の親も過保護だからな)
ラズリーの両親は争いごとに慣れていないが、娘の為なら何でもする。
ファルクの両親はまず父親が喧嘩っ早いので、将来嫁に来るラズリーの為ならどこへでも乗り込んでいくだろう。
既にいくつかの制裁はアリーナとルールーの家からもされているはずだが。
ただ皆ラズリーに嫌われたくない為、ファルクが表立って制裁をしたり、知られないように誤魔化したりする役である。
味方ではあるのだが、自分だけを嫌われ役にするのはずるいとたまに思っていた。
(まぁこうして一緒に出掛けられる権利を貰えるのは嬉しいが)
嬉しそうなラズリーの笑顔に癒される。
◇◇◇
二人はそう遠くない場所にある森に来た。
ファルクは剣を携え、ラズリーはお弁当を持っている。
町からも近く、街道沿いなので、そこまで危険な所ではないが、魔物が出ることも稀にあるため、ファルクが護衛兼移動を担う。
ラズリーは馬に乗れず、馬車では道を塞いでしまい邪魔になる為、ファルクが馬に乗せて連れて来てくれるのだけれど、有り難い事だ。
ファルクとしては魔物が出る様な場所にラズリーを連れて来たくはないが、ラズリーがいないと薬草の見分けがつかない。
その為に協力して臨むのだが、これが二人にとってのデートである。
「いつも思うけど、嫌じゃない?」
ラズリーは助かるけれど、ファルクはただついてくるだけで、楽しい事なんてあるのだろうかと心配になる。
本当は鍛錬などしてきたいのではないかと気にしていた。
「嫌じゃない、ラズリーと二人ならどこでも楽しいよ」
ファルクの言葉と笑顔にラズリーは照れてしまう。
「ありがとう」
気遣いの言葉だとラズリーは思っているが、ファルクとしては本心だ。
二人で馬に乗れば自然と密着するし、乗馬の腕や魔物避けとしての存在でも、頼られて悪い気はしない。
ラズリーの護衛として、こうして一緒にいられるのは自分だけという特別感も嬉しい。
(お昼もラズリーの手作りだしな)
シェフと共に用意したとはいえ、彼女が手をかけたなら彼女の手作りだ。
とても楽しみにしている。
◇◇◇
二人きりのお出掛けはとても嬉しい。
学園で変な絡まれ方をしたが、これだけでもう帳消しだ。
(ファルクは人気だもの。私が嫉妬されるのも、ある程度はしょうがないわよね)
ラズリーはある意味仕方ないと割り切っていた。
将来第二王子の護衛騎士になるなんて、周囲からしたらエリートにしか思えないだろう。でもラズリーはそれが華やかなものではなく、命がけの仕事と言うのを知っているから、たったそれだけの理由でファルクの婚約者の座を離れるつもりはなかった。
(私が誰かを助けるために勉強する事は、ファルクを助ける力になる。例えファルクが怪我をしたり、命を落としそうになっても、絶対に私が助けるんだから)
ファルクがラズリーを助けたいと思う気持ち同様、ラズリーもまたファルクの力になりたいのだ。
今でこそ平和な世の中だが、ほんの十数年前まではこの国では戦があった。
その頃の話を両親から聞かされていたラズリーは、またそのような事が起きない事を祈りつつも、いざという時の為にと勉強をしてきたのである。
学園の制度も先の戦を教訓にして作られ、将来有望な人材を育てるのに一役買っていた。
その為に他を不必要に蹴落とそうとする者は、要注意人物だ。向上心からの競争ならば良いが、野心も強すぎると国を傾かせかねない。
その為、リアムなどの王族も共に学園に通い、密かに監視をしている。リアム自身もまた王族としての資質を見られているために、気は抜けない。
学園には他国からの留学生も多数通っていて、疑似的な社交の場であった。勉学以外の交流を目的としている貴族も多くいる、そういう事もあり、ファルクに近付きたいというものは存外多いのだ。
出来ればより良い条件の者との縁談を願っているのだろう、人のものは良く見える。
交流についてはラズリーは苦手で自信がないけれど、社交界デビューしたら頑張るつもりだ。
ファルクに恥をかかせるわけにはいかない。
◇◇◇
楽しい時間はあっという間に過ぎていき、もうお昼となった。
適当な木に馬を繋ぎ、軽く草を切り払って敷布を置く。
その上に二人で座り、ラズリーが準備を手伝った昼食を食べた。お腹いっぱいになったラズリーは、ファルクに寄りかかる。
「今日はありがとう、おかげでいい薬を作れそうよ」
商品としては出せないけれど、試作を重ね、鑑定でも良い結果が出るようになってきた。何とか学生のうちに、売れるレベルの薬を作れるよう頑張るつもりだ。
卒業してからでは、ファルクにいざという事があった時に役に立てないから。
「役に立てて良かったよ。ご飯も美味しかった、ありがとう」
ファルクはラズリーの肩に手を回し、もっと寄り添うようにと促す。
その気遣いに甘え、体の力を抜いて休んでいると、段々と眠気が襲ってくる。
体力のないラズリーにとって、薬草採りは結構ハードだ。
「少し休んでいいよ、何かあれば起こすから」
「うん……じゃあ少しだけ」
ほんの少し、とラズリーは目を閉じる。
ガサゴソとファルクが体を動かす様子に薄っすら目を開けると、虫よけの香まで焚いてくれていた。
(準備がいいなぁ)
自分には勿体ない人だなと思いながら、ファルクの体に手を添えて再び目を閉じる。
けれど、うとうととした心地よい雰囲気は、森の奥から聞こえてきた嬌声により、一気に吹き飛んでいった。
「気分転換に少し外に出よう、久しぶりに薬草採りとかどうかな?」
「行きたいわ。学園に入ってから行ってないものね」
浮き浮きとした表情でラズリーは応じる。
(良かった、少しは気が紛れるといいな)
ファルクもまた笑顔だ。
嫌な目に合ったラズリーの気持ちが落ち着けばとして提案したのだが、他にも理由があった。
この前意地悪をした令嬢達に、更に注意を促す為に、それぞれの両親が話をするからと、ラズリーを家から離すように言われたのだ。
(令嬢達に今後は近づくなとは言ったが、家を通して更に忠告もするんだな。まぁラズリーの親も、俺の親も過保護だからな)
ラズリーの両親は争いごとに慣れていないが、娘の為なら何でもする。
ファルクの両親はまず父親が喧嘩っ早いので、将来嫁に来るラズリーの為ならどこへでも乗り込んでいくだろう。
既にいくつかの制裁はアリーナとルールーの家からもされているはずだが。
ただ皆ラズリーに嫌われたくない為、ファルクが表立って制裁をしたり、知られないように誤魔化したりする役である。
味方ではあるのだが、自分だけを嫌われ役にするのはずるいとたまに思っていた。
(まぁこうして一緒に出掛けられる権利を貰えるのは嬉しいが)
嬉しそうなラズリーの笑顔に癒される。
◇◇◇
二人はそう遠くない場所にある森に来た。
ファルクは剣を携え、ラズリーはお弁当を持っている。
町からも近く、街道沿いなので、そこまで危険な所ではないが、魔物が出ることも稀にあるため、ファルクが護衛兼移動を担う。
ラズリーは馬に乗れず、馬車では道を塞いでしまい邪魔になる為、ファルクが馬に乗せて連れて来てくれるのだけれど、有り難い事だ。
ファルクとしては魔物が出る様な場所にラズリーを連れて来たくはないが、ラズリーがいないと薬草の見分けがつかない。
その為に協力して臨むのだが、これが二人にとってのデートである。
「いつも思うけど、嫌じゃない?」
ラズリーは助かるけれど、ファルクはただついてくるだけで、楽しい事なんてあるのだろうかと心配になる。
本当は鍛錬などしてきたいのではないかと気にしていた。
「嫌じゃない、ラズリーと二人ならどこでも楽しいよ」
ファルクの言葉と笑顔にラズリーは照れてしまう。
「ありがとう」
気遣いの言葉だとラズリーは思っているが、ファルクとしては本心だ。
二人で馬に乗れば自然と密着するし、乗馬の腕や魔物避けとしての存在でも、頼られて悪い気はしない。
ラズリーの護衛として、こうして一緒にいられるのは自分だけという特別感も嬉しい。
(お昼もラズリーの手作りだしな)
シェフと共に用意したとはいえ、彼女が手をかけたなら彼女の手作りだ。
とても楽しみにしている。
◇◇◇
二人きりのお出掛けはとても嬉しい。
学園で変な絡まれ方をしたが、これだけでもう帳消しだ。
(ファルクは人気だもの。私が嫉妬されるのも、ある程度はしょうがないわよね)
ラズリーはある意味仕方ないと割り切っていた。
将来第二王子の護衛騎士になるなんて、周囲からしたらエリートにしか思えないだろう。でもラズリーはそれが華やかなものではなく、命がけの仕事と言うのを知っているから、たったそれだけの理由でファルクの婚約者の座を離れるつもりはなかった。
(私が誰かを助けるために勉強する事は、ファルクを助ける力になる。例えファルクが怪我をしたり、命を落としそうになっても、絶対に私が助けるんだから)
ファルクがラズリーを助けたいと思う気持ち同様、ラズリーもまたファルクの力になりたいのだ。
今でこそ平和な世の中だが、ほんの十数年前まではこの国では戦があった。
その頃の話を両親から聞かされていたラズリーは、またそのような事が起きない事を祈りつつも、いざという時の為にと勉強をしてきたのである。
学園の制度も先の戦を教訓にして作られ、将来有望な人材を育てるのに一役買っていた。
その為に他を不必要に蹴落とそうとする者は、要注意人物だ。向上心からの競争ならば良いが、野心も強すぎると国を傾かせかねない。
その為、リアムなどの王族も共に学園に通い、密かに監視をしている。リアム自身もまた王族としての資質を見られているために、気は抜けない。
学園には他国からの留学生も多数通っていて、疑似的な社交の場であった。勉学以外の交流を目的としている貴族も多くいる、そういう事もあり、ファルクに近付きたいというものは存外多いのだ。
出来ればより良い条件の者との縁談を願っているのだろう、人のものは良く見える。
交流についてはラズリーは苦手で自信がないけれど、社交界デビューしたら頑張るつもりだ。
ファルクに恥をかかせるわけにはいかない。
◇◇◇
楽しい時間はあっという間に過ぎていき、もうお昼となった。
適当な木に馬を繋ぎ、軽く草を切り払って敷布を置く。
その上に二人で座り、ラズリーが準備を手伝った昼食を食べた。お腹いっぱいになったラズリーは、ファルクに寄りかかる。
「今日はありがとう、おかげでいい薬を作れそうよ」
商品としては出せないけれど、試作を重ね、鑑定でも良い結果が出るようになってきた。何とか学生のうちに、売れるレベルの薬を作れるよう頑張るつもりだ。
卒業してからでは、ファルクにいざという事があった時に役に立てないから。
「役に立てて良かったよ。ご飯も美味しかった、ありがとう」
ファルクはラズリーの肩に手を回し、もっと寄り添うようにと促す。
その気遣いに甘え、体の力を抜いて休んでいると、段々と眠気が襲ってくる。
体力のないラズリーにとって、薬草採りは結構ハードだ。
「少し休んでいいよ、何かあれば起こすから」
「うん……じゃあ少しだけ」
ほんの少し、とラズリーは目を閉じる。
ガサゴソとファルクが体を動かす様子に薄っすら目を開けると、虫よけの香まで焚いてくれていた。
(準備がいいなぁ)
自分には勿体ない人だなと思いながら、ファルクの体に手を添えて再び目を閉じる。
けれど、うとうととした心地よい雰囲気は、森の奥から聞こえてきた嬌声により、一気に吹き飛んでいった。
93
あなたにおすすめの小説
(完結)伯爵家嫡男様、あなたの相手はお姉様ではなく私です
青空一夏
恋愛
私はティベリア・ウォーク。ウォーク公爵家の次女で、私にはすごい美貌のお姉様がいる。妖艶な体つきに色っぽくて綺麗な顔立ち。髪は淡いピンクで瞳は鮮やかなグリーン。
目の覚めるようなお姉様の容姿に比べて私の身体は小柄で華奢だ。髪も瞳もありふれたブラウンだし、鼻の頭にはそばかすがたくさん。それでも絵を描くことだけは大好きで、家族は私の絵の才能をとても高く評価してくれていた。
私とお姉様は少しも似ていないけれど仲良しだし、私はお姉様が大好きなの。
ある日、お姉様よりも早く私に婚約者ができた。相手はエルズバー伯爵家を継ぐ予定の嫡男ワイアット様。初めての顔あわせの時のこと。初めは好印象だったワイアット様だけれど、お姉様が途中で同席したらお姉様の顔ばかりをチラチラ見てお姉様にばかり話しかける。まるで私が見えなくなってしまったみたい。
あなたの婚約相手は私なんですけど? 不安になるのを堪えて我慢していたわ。でも、お姉様も曖昧な態度をとり続けて少しもワイアット様を注意してくださらない。
(お姉様は味方だと思っていたのに。もしかしたら敵なの? なぜワイアット様を注意してくれないの? お母様もお父様もどうして笑っているの?)
途中、タグの変更や追加の可能性があります。ファンタジーラブコメディー。
※異世界の物語です。ゆるふわ設定。ご都合主義です。この小説独自の解釈でのファンタジー世界の生き物が出てくる場合があります。他の小説とは異なった性質をもっている場合がありますのでご了承くださいませ。
捨てられたなら 〜婚約破棄された私に出来ること〜
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
長年の婚約者だった王太子殿下から婚約破棄を言い渡されたクリスティン。
彼女は婚約破棄を受け入れ、周りも処理に動き出します。
さて、どうなりますでしょうか……
別作品のボツネタ救済です(ヒロインの名前と設定のみ)。
突然のポイント数増加に驚いています。HOTランキングですか?
自分には縁のないものだと思っていたのでびっくりしました。
私の拙い作品をたくさんの方に読んでいただけて嬉しいです。
それに伴い、たくさんの方から感想をいただくようになりました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただけたらと思いますので、中にはいただいたコメントを非公開とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきますし、削除はいたしません。
7/16 最終部がわかりにくいとのご指摘をいただき、訂正しました。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
[完結]婚約破棄してください。そして私にもう関わらないで
みちこ
恋愛
妹ばかり溺愛する両親、妹は思い通りにならないと泣いて私の事を責める
婚約者も妹の味方、そんな私の味方になってくれる人はお兄様と伯父さんと伯母さんとお祖父様とお祖母様
私を愛してくれる人の為にももう自由になります
公爵令嬢は運命の相手を間違える
あおくん
恋愛
エリーナ公爵令嬢は、幼い頃に決められた婚約者であるアルベルト王子殿下と仲睦まじく過ごしていた。
だが、学園へ通うようになるとアルベルト王子に一人の令嬢が近づくようになる。
アルベルト王子を誑し込もうとする令嬢と、そんな令嬢を許すアルベルト王子にエリーナは自分の心が離れていくのを感じた。
だがエリーナは既に次期王妃の座が確約している状態。
今更婚約を解消することなど出来るはずもなく、そんなエリーナは女に現を抜かすアルベルト王子の代わりに帝王学を学び始める。
そんなエリーナの前に一人の男性が現れた。
そんな感じのお話です。
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました
あおくん
恋愛
父が決めた結婚。
顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。
これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。
だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。
政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。
どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。
※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。
最後はハッピーエンドで終えます。
理想の女性を見つけた時には、運命の人を愛人にして白い結婚を宣言していました
ぺきぺき
恋愛
王家の次男として生まれたヨーゼフには幼い頃から決められていた婚約者がいた。兄の補佐として育てられ、兄の息子が立太子した後には臣籍降下し大公になるよていだった。
このヨーゼフ、優秀な頭脳を持ち、立派な大公となることが期待されていたが、幼い頃に見た絵本のお姫様を理想の女性として探し続けているという残念なところがあった。
そしてついに貴族学園で絵本のお姫様とそっくりな令嬢に出会う。
ーーーー
若気の至りでやらかしたことに苦しめられる主人公が最後になんとか幸せになる話。
作者別作品『二人のエリーと遅れてあらわれるヒーローたち』のスピンオフになっていますが、単体でも読めます。
完結まで執筆済み。毎日四話更新で4/24に完結予定。
第一章 無計画な婚約破棄
第二章 無計画な白い結婚
第三章 無計画な告白
第四章 無計画なプロポーズ
第五章 無計画な真実の愛
エピローグ
《本編完結》あの人を綺麗さっぱり忘れる方法
本見りん
恋愛
メラニー アイスナー子爵令嬢はある日婚約者ディートマーから『婚約破棄』を言い渡される。
ショックで落ち込み、彼と婚約者として過ごした日々を思い出して涙していた───が。
……あれ? 私ってずっと虐げられてない? 彼からはずっと嫌な目にあった思い出しかないんだけど!?
やっと自分が虐げられていたと気付き目が覚めたメラニー。
しかも両親も昔からディートマーに騙されている為、両親の説得から始めなければならない。
そしてこの王国ではかつて王子がやらかした『婚約破棄騒動』の為に、世間では『婚約破棄、ダメ、絶対』な風潮がある。
自分の思うようにする為に手段を選ばないだろう元婚約者ディートマーから、メラニーは無事自由を勝ち取る事が出来るのだろうか……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる