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第2話 研究助手アイザック
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私をかばってくれたのは、助手のアイザックでした。
幼馴染の彼は、私の竜研究を小さいころから手伝ってくれています。
彼と一緒に数えきれないくらいのフィールドワークに出かけた。
それだけでなく、この国で私の竜研究に唯一肯定的な意見をしてくれるのも、いまや彼だけでした。
「いいのですよ、アイザック」
もう二度と触れることができなくなるであろう、彼の黒髪に触りながら背中を押す。
伝承にある黒竜様の鱗と同じで、黒色の綺麗な髪。
私と同じ色なのに、艶が大違いでうらやましいと思っていた。
髪の色が一緒だから自分たちは似た者同士だと彼は言っていたけど、私はアイザックのように美形ではない。
そんな彼は、私のボサボサな黒髪が好きだと言いながら、よく櫛《くし》で髪をといてくれた。
雨の日も雪の日も嵐の日も、いつも彼と一緒に研究をした。
私にとって彼はただの助手ではなく、家族と同じかそれ以上に大切な存在になっている。
「貴様らよくも……ルシルからその汚い手を離せ!」
驚くことに、アイザックが衛兵に殴りかかりました。
私のために動いてくれるのは嬉しいけど、無理はしないでほしい。
ここは王宮なので多勢に無勢。
しかもアイザックはただの研究助手です。武器を持った多数の衛兵に敵うはずはない。
そんな簡単なことがわからない彼ではないはず。
それなのに、「ふざけるな!」と叫びながら、私を助けようとしてくれている。
普段は冷静沈着な彼が、あんなに怒っている姿なんて初めて見た。
いつもとは違う姿にビックリしちゃったけど、同時にそれだけ想われていたんだと胸が温かくなる。
この気持ちを知れただけで十分。これ以上はもう望むまい。
「アイザック、大丈夫です。私はもう納得していますから」
しばらく暴れ続けたアイザックは、ついには衛兵たちに取り押さえられてしまいました。
殿下がここまでするんだから、私はきっともう助からない。
でも、アイザックまで罪を負うことはない。
むしろこのままだと、私をかばったことで彼も危険な状況になってしまう。
王太子の嫌がらせでフィールドワーク中に襲われた時も、助手であるアイザックが助けてれくれました。
もしも彼がいなかったら、私はいまここにはいなかったかもしれない。
アイザックの気持ちが、昔から私に向けられていたことには気がついていた。
だけど、私には婚約者がいる。
いじわるな男だけど、どこか憎めないところもあった王太子殿下が。
政略結婚は貴族の宿命だから、婚約者との結婚を受け入れていた。
そう思っていたはずなのに……ここまで尽くしてくれるアイザックのことが、どうしても頭から離れない。
だから、今度は私は彼を助けよう。
それがいまの私にできる、せめてものお返しです。
「全責任は私にあります。助手であるアイザックは、私の命令に従っていただけです」
8歳の時、私は初めて竜の山に登った。
大昔に住んでいた竜の爪を拾って、大喜びしたっけ。
こんなに幻想的な生物がこの世に存在していたんだと、私の中の世界が広がった。
その日の夕方だったと思う。
彼と初めて出会ったのは。
『俺にもその研究、手伝わせてくれないか?』
彼が伸ばした手を握ってから10年間、アイザックは私のわがままに付き合ってくれた。
でも、それも今日で終わりです。
「さようならアイザック。これまでずっと研究を手伝ってくれて、ありがとう」
「衛兵、ルシルを捕縛しろ!」
王太子殿下の号令とともに、私は捕まってしまいました。
衛兵に連行されていると、後ろからアイザックの声が聞えます。
何度も私の名前を呼んでいる。
振り返りたかったけど、衛兵たちに拘束されてそんな小さな願いも叶いませんでした。
それから私は幽閉されてしまったので、それから何が起きたのかはもうわかりません。
願わくば、彼が捕まって酷いことをされていませんように。
幼馴染の彼は、私の竜研究を小さいころから手伝ってくれています。
彼と一緒に数えきれないくらいのフィールドワークに出かけた。
それだけでなく、この国で私の竜研究に唯一肯定的な意見をしてくれるのも、いまや彼だけでした。
「いいのですよ、アイザック」
もう二度と触れることができなくなるであろう、彼の黒髪に触りながら背中を押す。
伝承にある黒竜様の鱗と同じで、黒色の綺麗な髪。
私と同じ色なのに、艶が大違いでうらやましいと思っていた。
髪の色が一緒だから自分たちは似た者同士だと彼は言っていたけど、私はアイザックのように美形ではない。
そんな彼は、私のボサボサな黒髪が好きだと言いながら、よく櫛《くし》で髪をといてくれた。
雨の日も雪の日も嵐の日も、いつも彼と一緒に研究をした。
私にとって彼はただの助手ではなく、家族と同じかそれ以上に大切な存在になっている。
「貴様らよくも……ルシルからその汚い手を離せ!」
驚くことに、アイザックが衛兵に殴りかかりました。
私のために動いてくれるのは嬉しいけど、無理はしないでほしい。
ここは王宮なので多勢に無勢。
しかもアイザックはただの研究助手です。武器を持った多数の衛兵に敵うはずはない。
そんな簡単なことがわからない彼ではないはず。
それなのに、「ふざけるな!」と叫びながら、私を助けようとしてくれている。
普段は冷静沈着な彼が、あんなに怒っている姿なんて初めて見た。
いつもとは違う姿にビックリしちゃったけど、同時にそれだけ想われていたんだと胸が温かくなる。
この気持ちを知れただけで十分。これ以上はもう望むまい。
「アイザック、大丈夫です。私はもう納得していますから」
しばらく暴れ続けたアイザックは、ついには衛兵たちに取り押さえられてしまいました。
殿下がここまでするんだから、私はきっともう助からない。
でも、アイザックまで罪を負うことはない。
むしろこのままだと、私をかばったことで彼も危険な状況になってしまう。
王太子の嫌がらせでフィールドワーク中に襲われた時も、助手であるアイザックが助けてれくれました。
もしも彼がいなかったら、私はいまここにはいなかったかもしれない。
アイザックの気持ちが、昔から私に向けられていたことには気がついていた。
だけど、私には婚約者がいる。
いじわるな男だけど、どこか憎めないところもあった王太子殿下が。
政略結婚は貴族の宿命だから、婚約者との結婚を受け入れていた。
そう思っていたはずなのに……ここまで尽くしてくれるアイザックのことが、どうしても頭から離れない。
だから、今度は私は彼を助けよう。
それがいまの私にできる、せめてものお返しです。
「全責任は私にあります。助手であるアイザックは、私の命令に従っていただけです」
8歳の時、私は初めて竜の山に登った。
大昔に住んでいた竜の爪を拾って、大喜びしたっけ。
こんなに幻想的な生物がこの世に存在していたんだと、私の中の世界が広がった。
その日の夕方だったと思う。
彼と初めて出会ったのは。
『俺にもその研究、手伝わせてくれないか?』
彼が伸ばした手を握ってから10年間、アイザックは私のわがままに付き合ってくれた。
でも、それも今日で終わりです。
「さようならアイザック。これまでずっと研究を手伝ってくれて、ありがとう」
「衛兵、ルシルを捕縛しろ!」
王太子殿下の号令とともに、私は捕まってしまいました。
衛兵に連行されていると、後ろからアイザックの声が聞えます。
何度も私の名前を呼んでいる。
振り返りたかったけど、衛兵たちに拘束されてそんな小さな願いも叶いませんでした。
それから私は幽閉されてしまったので、それから何が起きたのかはもうわかりません。
願わくば、彼が捕まって酷いことをされていませんように。
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