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3章. ゆい
machi.37
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見られている。
病院に入った時から、違和感があった。
今朝はずいぶん人が多い。
遠巻きに見られて、目をそらされる。
そういえば保育園でも何かおかしかった。
「言われてみれば…」
「おとなしそうな顔して…」
「似てると思ってた…」
送りの大人たちがするうわさ話が、自分に向けられている気がした。
保育士さんたちも何か言いたそうにして、
翔に対しては、必要以上に親密に接していた。
違和感をぬぐえないまま職員控室に入ると、
それまで話していた西村さんと曽根さんがぴたりと話をやめて、
妙に白々しい笑顔ですり寄ってきた。
「ちゃんと言っておいたから」
「そりゃあもう、真面目ないい子だって」
「水村ちゃんも水くさいよね」
「私たちにくらい、教えてくれれば良かったのに」
…話が見えない。
「まぁでも、すごいじゃない」
「やっぱり子どもがいる方が強いものね」
「略奪?…大丈夫よ。私たち応援するから」
…全然、見えない。
「あの、…何の話ですか?」
私が聞き返したのとほぼ同時に、ノックが聞こえて、杏子師長が入ってきた。
「水村さん、ちょっといいかしら」
「…はい」
何だろう。杏子師長の顔色からは何も読み取れない。
「私たち、仕事進めとくから」
「どうぞ、気にしないで~」
西村さんと曽根さんは、呼び出しの理由を知っているようだ。
杏子師長に続いて、ミーティングルームに入る間にも、多くの視線を感じた。なぜか、みんな理由がわかっているように思えた。
「これ、まだ見てないみたいね」
師長が脇に抱えていた袋から、雑誌を取り出し、私の前に広げた。
『リナ、大ショック! 新婚Yumaに隠し子!!』
そこにはセンセーショナルな見出しが踊り、
私と翔が手をつないで歩いている写真と、
車内で私と悠馬がキスしている写真が掲載されていた。
病院に入った時から、違和感があった。
今朝はずいぶん人が多い。
遠巻きに見られて、目をそらされる。
そういえば保育園でも何かおかしかった。
「言われてみれば…」
「おとなしそうな顔して…」
「似てると思ってた…」
送りの大人たちがするうわさ話が、自分に向けられている気がした。
保育士さんたちも何か言いたそうにして、
翔に対しては、必要以上に親密に接していた。
違和感をぬぐえないまま職員控室に入ると、
それまで話していた西村さんと曽根さんがぴたりと話をやめて、
妙に白々しい笑顔ですり寄ってきた。
「ちゃんと言っておいたから」
「そりゃあもう、真面目ないい子だって」
「水村ちゃんも水くさいよね」
「私たちにくらい、教えてくれれば良かったのに」
…話が見えない。
「まぁでも、すごいじゃない」
「やっぱり子どもがいる方が強いものね」
「略奪?…大丈夫よ。私たち応援するから」
…全然、見えない。
「あの、…何の話ですか?」
私が聞き返したのとほぼ同時に、ノックが聞こえて、杏子師長が入ってきた。
「水村さん、ちょっといいかしら」
「…はい」
何だろう。杏子師長の顔色からは何も読み取れない。
「私たち、仕事進めとくから」
「どうぞ、気にしないで~」
西村さんと曽根さんは、呼び出しの理由を知っているようだ。
杏子師長に続いて、ミーティングルームに入る間にも、多くの視線を感じた。なぜか、みんな理由がわかっているように思えた。
「これ、まだ見てないみたいね」
師長が脇に抱えていた袋から、雑誌を取り出し、私の前に広げた。
『リナ、大ショック! 新婚Yumaに隠し子!!』
そこにはセンセーショナルな見出しが踊り、
私と翔が手をつないで歩いている写真と、
車内で私と悠馬がキスしている写真が掲載されていた。
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