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お引越し!
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「……」
瘴気の浄化は思いがけず手がかかった。
カオリの浄化である程度終わっていると思ったが、とめどなく瘴気が傷口から出てきた。
いや、カオリが浄化したものは表面的なものだったのだ。
「まずいわね」
あと少しなのに、神聖力がつきかけていた。
カオリがいればまだなんとかなったかもしれない。しかし、彼女はクロードのところにいるため手助けはしてくれないだろう。
田舎貴族を見殺しにしろ。とまで言ってきそうな気がした。
「これを使うしかないわね」
私は右手の甲にある聖石に触れる。
聖石には、強い浄化作用がある。
ただし、全部使うと聖女は死ぬことになる。
割って使っても聖女にとってかなりの負担になるのだ。
「これでダメならその時はその時ね……」
私は聖石を割り、カサディンの口の中に放り込む。
カサディンの身体が光に包まれるのを確認して、私の意識は途切れた。
目が覚めたのは、3日後だった。
カサディンの横で気絶している私が発見されて大騒ぎになったらしい。
しかも、聖石が割れていたため。カサディンが私に暴行を加えたと勘違いされたようで、拘束されるところだったとアンヌから説明を聞かされて血の気が引いた。
アンヌとマリネッタが神殿から駆けつけてずっと看病していてくれたようだ。
「……何があったか話してもらえますか?」
額に血管を浮き上がらせた器用な笑みを浮かべたマリネッタを見た私は、恐怖ですくみ上がりそうになった。
あったことを全て話すと、マリネッタは、「はぁぁあ」と、ロングピブラートを効かせたため息を吐いて。
「やりやがったじゃない」
と、呟くのが聞こえた。
どうやら、私の言い分とカオリの言い分が異なっており、カオリの言い分を貴族側は信じているようで。
私を治癒院の経営から外すつもりで動いているようだ。
そして、それに、治癒院のスタッフが猛反発してストライキを起こしたようで、とりあえず保留という形で今に至るそうだ。
「ところで、カサディン様は?」
「……拘束しようとしたら、逃げられました」
目を逸らしながら話すアンヌに、私は少しだけ不安になった。
「……それで、お披露目が急遽明日に決まりました」
「また、急ですね」
お披露目の日は、まだ先だったはずだ。
「貴女を断罪するとあの女が息巻いているようです」
もはや、マリネッタは、カオリの名前に様もつけなくなっていた。
知らない間に、色々と事が進んでいるのに私はかなり面食らっていた。
準備をしようにも時間がない。
「それってかなり危険なのでは」
「大丈夫ですよ」
「なんで大丈夫なんですか」
「大丈夫。たぶん、大丈夫です。なんとかなります」
その大丈夫は、きっと大丈夫じゃない方の大丈夫だ。と、私は思った。
「……もし、私が聖女じゃなくなっても、祈ることはやめません」
やるべきことはやる。と、宣言すると二人は顔を見合わせた。
「アイオラ様は、お引越しの準備をした方がいいですよ」
それは、追放されるという事なのだろか。
「……」
瘴気の浄化は思いがけず手がかかった。
カオリの浄化である程度終わっていると思ったが、とめどなく瘴気が傷口から出てきた。
いや、カオリが浄化したものは表面的なものだったのだ。
「まずいわね」
あと少しなのに、神聖力がつきかけていた。
カオリがいればまだなんとかなったかもしれない。しかし、彼女はクロードのところにいるため手助けはしてくれないだろう。
田舎貴族を見殺しにしろ。とまで言ってきそうな気がした。
「これを使うしかないわね」
私は右手の甲にある聖石に触れる。
聖石には、強い浄化作用がある。
ただし、全部使うと聖女は死ぬことになる。
割って使っても聖女にとってかなりの負担になるのだ。
「これでダメならその時はその時ね……」
私は聖石を割り、カサディンの口の中に放り込む。
カサディンの身体が光に包まれるのを確認して、私の意識は途切れた。
目が覚めたのは、3日後だった。
カサディンの横で気絶している私が発見されて大騒ぎになったらしい。
しかも、聖石が割れていたため。カサディンが私に暴行を加えたと勘違いされたようで、拘束されるところだったとアンヌから説明を聞かされて血の気が引いた。
アンヌとマリネッタが神殿から駆けつけてずっと看病していてくれたようだ。
「……何があったか話してもらえますか?」
額に血管を浮き上がらせた器用な笑みを浮かべたマリネッタを見た私は、恐怖ですくみ上がりそうになった。
あったことを全て話すと、マリネッタは、「はぁぁあ」と、ロングピブラートを効かせたため息を吐いて。
「やりやがったじゃない」
と、呟くのが聞こえた。
どうやら、私の言い分とカオリの言い分が異なっており、カオリの言い分を貴族側は信じているようで。
私を治癒院の経営から外すつもりで動いているようだ。
そして、それに、治癒院のスタッフが猛反発してストライキを起こしたようで、とりあえず保留という形で今に至るそうだ。
「ところで、カサディン様は?」
「……拘束しようとしたら、逃げられました」
目を逸らしながら話すアンヌに、私は少しだけ不安になった。
「……それで、お披露目が急遽明日に決まりました」
「また、急ですね」
お披露目の日は、まだ先だったはずだ。
「貴女を断罪するとあの女が息巻いているようです」
もはや、マリネッタは、カオリの名前に様もつけなくなっていた。
知らない間に、色々と事が進んでいるのに私はかなり面食らっていた。
準備をしようにも時間がない。
「それってかなり危険なのでは」
「大丈夫ですよ」
「なんで大丈夫なんですか」
「大丈夫。たぶん、大丈夫です。なんとかなります」
その大丈夫は、きっと大丈夫じゃない方の大丈夫だ。と、私は思った。
「……もし、私が聖女じゃなくなっても、祈ることはやめません」
やるべきことはやる。と、宣言すると二人は顔を見合わせた。
「アイオラ様は、お引越しの準備をした方がいいですよ」
それは、追放されるという事なのだろか。
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