私のことは愛さなくても結構です

ありがとうございました。さようなら

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 私は従順なフリをした。
 最初こそナオミは、私と腕を組みガッチリとガードして逃げられないように一緒に行動していたが、最近はそういうのはなくなって手を繋ぐくらいになっている。
 私は子供か……!
 この感じ、お姉様とお出かけした時と同じだ。

「今日もジャスパーのところに行ってくる」
「クラリス様、いきましょうね」

 問答無用でナオミに手を握られた。
 そして、いつものように王城へと向かう。
 魔女の本は、ほぼ読み尽くしてあり。
 さくらも、「こんなにも調べられていたのか」と、衝撃を受けていた。
 いつも、気が緩むのはある程度時間が経って少し疲れた時だ。

 だから、私は帰り際に決行した!

「あ!なんかいる!」

 私は、ナオミに手を握られる瞬間に空を指さして大きな声を上げた。
 ナオミは、それに気を取られている。
 
「えっ!」

 今がチャンスだ!

「行くぞ!さくら!」

 私は、さくらと一緒に走り出した。

「うわ、原始的」

 さくらは呆れているが、それしか方法がなかったのだ。
 
「黙れ!」
「クラリス様!」

 ナオミが信じられない。人をやめた速さで追いかけて来た。
 捕まる。そう思った。
 
「さくら!」
「しょうがないな。協力するよ」

 さくらは、仕方ない。と、言わんばかりに不思議な力を使った。
 視界がすぐに変わった。
 さくらと初めて出会った場所。つまり、古ぼけた雑貨屋の中にいたのだ。

「ありがと」

 助けてもらったお礼をいうと、さくらはすでに人の姿に戻っていた。

「で、これからどうする?」

 これからの行動は、かなり限られている。
 ジークムントの後をついていくつもりだったが、かなり、距離的に離れているのでそれも難しい。
 出来ること。それは。

「旅についていくのは難しいから、祓った後の土地に行く」

 それしか思い浮かばない。
 アルネが瘴気を払った後、どうなっているのか知るのも調査にもなる。

「ん、わかった。行こう」

 まず最初に、私たちはジークムント達が先に行った場所へと向かった。



~~~

次は、本の世界のサブリナ視点です
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