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文通 ③
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「ミカエル」
テラスのドアが開き、サイモンが来た。
「ルーカス様、お話中に申し訳ございません」
サイモンがルーカス様に頭を下げると、
「かまわない」
と言いながら、僕と絡ませた指を解いた。
「サイモン、皇帝陛下とのお話は終わったの?」
僕が聞くと、
「ああ、終わった」
いつものサイモンではないような、ぶっきらぼうな話し方。
「何かあったの?」
「いや、何もない」
そう言いながらも、さっきまで指切りをしていた僕の手をチラリと見る。
やっぱりいつもの穏やかなサイモンとは違う。
「そう心配するな。俺はお前の大切な人がハイエナのような貴族共に襲われていたのを、助けただけだ。な、ミカエル」
「はい」
ミカのことを話していたとは言えない。
「ミカエルを助けていただき、ありがとうございます」
サイモンは頭を下げる。
だけど、なんだか声に棘があるような気もする。
「何かいいたげだな。気にせず言ってみろ」
「いえ、何もございません」
「その顔でよく言う。俺の目は節穴だと言いたいのか?」
「……。ルーカス様とミカエルが何か約束事をしているように見えましたので、どんな約束をされていたのか、気になっただけです」
「なんだ、そんなことか。ミカエル、話してもいいか?」
ルーカス様とミカのことで文通するなんて、サイモンに言えない。
でもルーカス様に、言ってもいいかと聞かれて、ダメとも言えない。
どうしよう。
僕が返事に困っていると、サイモンはじっと僕の答えを待っている。
もうこうなったら、ルーカス様に任せるしかない。
「はい」
返答を委ねた。
テラスのドアが開き、サイモンが来た。
「ルーカス様、お話中に申し訳ございません」
サイモンがルーカス様に頭を下げると、
「かまわない」
と言いながら、僕と絡ませた指を解いた。
「サイモン、皇帝陛下とのお話は終わったの?」
僕が聞くと、
「ああ、終わった」
いつものサイモンではないような、ぶっきらぼうな話し方。
「何かあったの?」
「いや、何もない」
そう言いながらも、さっきまで指切りをしていた僕の手をチラリと見る。
やっぱりいつもの穏やかなサイモンとは違う。
「そう心配するな。俺はお前の大切な人がハイエナのような貴族共に襲われていたのを、助けただけだ。な、ミカエル」
「はい」
ミカのことを話していたとは言えない。
「ミカエルを助けていただき、ありがとうございます」
サイモンは頭を下げる。
だけど、なんだか声に棘があるような気もする。
「何かいいたげだな。気にせず言ってみろ」
「いえ、何もございません」
「その顔でよく言う。俺の目は節穴だと言いたいのか?」
「……。ルーカス様とミカエルが何か約束事をしているように見えましたので、どんな約束をされていたのか、気になっただけです」
「なんだ、そんなことか。ミカエル、話してもいいか?」
ルーカス様とミカのことで文通するなんて、サイモンに言えない。
でもルーカス様に、言ってもいいかと聞かれて、ダメとも言えない。
どうしよう。
僕が返事に困っていると、サイモンはじっと僕の答えを待っている。
もうこうなったら、ルーカス様に任せるしかない。
「はい」
返答を委ねた。
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