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番外編 ラテの誤算
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「私たちは毒牙に群がってしまった愚かな蝶。逃げるなんてできないわ」
黒縁の眼鏡にぴっちりと結んだ髪、そしてマーメイドラインのドレスを身につけた美女が嘲笑うように言う。
「お前はいつまで正気でいられるのかしらね?」
プリンセスラインのドレスにギチギチに巻かれた縦ロール、吊り上がった瞳の気位の高い姫君のような美女は、ラテの事を嘲笑う。
「まあ、あの母親はもう使い物にならなさそうだし、この子も早いのではなくて?侍女も連れてきていないようだし、自分のことを自分でしないといけないとなると、やっぱり老けるのって早いでしょう?アレの時みたいに、あっという間に奴隷行きじゃないかしら?」
お姉様と似た優しい雰囲気を纏った美女は刺々しい口調で当たり前のことのように恐ろしい事を口ずさむ。
美女の言葉に恐々と後ろを振り返ったラテは、ひゅっと息を呑む。
「お母様ッ!!」
地面に倒れ込んだカプチーノは、開いたままな口から涎を垂らし、血走った瞳から涙をこぼしていた。
「アハッ、アハハハッ!!」
咄嗟に最愛の母であるカプチーノに駆け寄ったラテは、地面に膝を突き、カプチーノ抱き起こす。
虚な瞳がジロリとラテに向かった瞬間、ラテはパッとカプチーノの身体から手を話してしまった。
「おかあ、さま………?」
ぶらんぶらんと上半身を揺らした母は、いつのまにかしわがれてしまった肌を真っ赤に染め上げ、皺という皺に深い深い溝を刻み、血走った目で瞬きする事なくラテのことを見つめながら唾を吐きつけるように大声を出す。
「お前のせいでッ!!お前が勝手な行動をするからこうなったんだッ!!昔からバカなヤツだと思っていたがッ、ここまでバカだとは思っても見なかったッ!!」
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
黒縁の眼鏡にぴっちりと結んだ髪、そしてマーメイドラインのドレスを身につけた美女が嘲笑うように言う。
「お前はいつまで正気でいられるのかしらね?」
プリンセスラインのドレスにギチギチに巻かれた縦ロール、吊り上がった瞳の気位の高い姫君のような美女は、ラテの事を嘲笑う。
「まあ、あの母親はもう使い物にならなさそうだし、この子も早いのではなくて?侍女も連れてきていないようだし、自分のことを自分でしないといけないとなると、やっぱり老けるのって早いでしょう?アレの時みたいに、あっという間に奴隷行きじゃないかしら?」
お姉様と似た優しい雰囲気を纏った美女は刺々しい口調で当たり前のことのように恐ろしい事を口ずさむ。
美女の言葉に恐々と後ろを振り返ったラテは、ひゅっと息を呑む。
「お母様ッ!!」
地面に倒れ込んだカプチーノは、開いたままな口から涎を垂らし、血走った瞳から涙をこぼしていた。
「アハッ、アハハハッ!!」
咄嗟に最愛の母であるカプチーノに駆け寄ったラテは、地面に膝を突き、カプチーノ抱き起こす。
虚な瞳がジロリとラテに向かった瞬間、ラテはパッとカプチーノの身体から手を話してしまった。
「おかあ、さま………?」
ぶらんぶらんと上半身を揺らした母は、いつのまにかしわがれてしまった肌を真っ赤に染め上げ、皺という皺に深い深い溝を刻み、血走った目で瞬きする事なくラテのことを見つめながら唾を吐きつけるように大声を出す。
「お前のせいでッ!!お前が勝手な行動をするからこうなったんだッ!!昔からバカなヤツだと思っていたがッ、ここまでバカだとは思っても見なかったッ!!」
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