悪役令嬢が出演しない婚約破棄~ヒロインの勘違い~

鷲原ほの

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★ 主人公

☆ アルバート・ナキア・アウグスト
【転生】福富朝比「ふくとみ・あさひ」(22歳)
【年齢】18歳
【身長】181cm
【髪色】金色
【瞳色】青色
【特徴】アリストラス王国の王子殿下
・原作の恋愛小説では、登場場面はおろか詳細な描写はされていない。
・この世界では、小説投稿サイトを利用していた関係から、聞き覚えのあるステファント王国や国立マギステラ高等学院に興味を抱いて留学を決めた。結果として、断罪相手などいない舞踏会にて婚約破棄騒動を起こしたことに驚かされてしまう。
 転生者ばかりが関わっていることには気付いていたが、表面的な付き合いしかしていなかったので、事前に注意を与えることもしなかった。どちらかというと、成績を比較されて疎まれていることも理解していたし、相手を探し出せないのに婚約破棄を叫び始めるとも思っていなかった。
 さすがに、そこまで愚か者ばかりではないだろうと、思い止まるだろうと見誤っていたらしい。

 ちなみに、お姉様が学生時代から投稿小説を読んでいることは知っていたが、プロ作家としてライトノベルを出版していたことは尻尾すら掴んでいない。実家の花屋を手伝い、そのまま後を継ぐのだろうと思っていたらしい。
 ふらっと自分のアパートにやって来て、各地のお土産と書籍を押し付けて去るのも、聖地を巡るなど推し活に勤しんでいるのだろうと思っていたらしい。


★ 友好的

☆ エミリア・ジルザンクト
【転生】水越絵美「みずこし・えみ」(28歳)
【年齢】18歳
【身長】161cm
【胸部】推定Dカップ
【髪型】ゆるゆるのロングヘア
【髪色】金色
【瞳色】緑色
【特徴】アリストラス王国の侯爵令嬢
・原作の恋愛小説では、登場場面はおろか詳細な描写はされていない。
・この世界では、アルバート王子の婚約者として転生者同士仲良くしている。元々の年齢的に年下と言えなくもない美形少年の成長を間近でもの凄く楽しんでいた。たまに、当人から息遣いを注意されるくらいに。
 乙女ゲームアプリなどには手を出していたが、投稿小説などは読んでいなかったので、面白そうだと興味本位でアルバート王子の留学に付き添った。二度目の学生生活を親しい者達と楽しむのも悪くないと。
 同盟国王妃を期待される者同士、マークシア侯爵家の令嬢オリヴィアとはあらゆる情報を共有するくらいに友好な関係を築いている。

 ちなみに、ちょっとしたお嬢様育ちだったことが、アルバートが一目惚れした所作の美しさを形作っていた。
 また、ピアノとフルートの演奏を幼少期より続けていたことから、転生者達の記憶を結集、懐かしい楽器の製造に成功して、宮廷音楽に革命をもたらすことになる。


☆ オリヴィア・マークシア
【転生】一本松詩織「いっぽんまつ・しおり」(25歳)
【年齢】18歳
【身長】167cm
【胸部】推定Dカップ
【髪型】さらさらのロングヘア
【髪色】黒色
【瞳色】茶色
【特徴】ステファント王国の侯爵令嬢
・原作の恋愛小説では、スティーブ王子を巡る争いで主人公の踏み台となる悪役令嬢っぽい存在か。ただし、断罪されるわけではなく、高等学院の卒業後は別の侯爵家へ嫁いでいったという描写がある。
・この世界では、駄目な転生者王子だと察して、さっさと逃げる方向を選んだ。元々が、年下ではなく年上好きだったこともあり、宮廷晩餐会で見掛けたレオナルド王子を狙っていた。
 前世の知識と今世の学習、努力が実を結び見事に王妃継承者となるなど、恋愛小説の展開を一年以上早送りしていた存在となる。ヒロイン役がお花畑な言動を繰り返していることを確認して、彼女の描く喜劇に関わらないよう卒業を早めたことは賢明な判断だったわけだ。あと、スティーブ王子の言動も、前世ならセクハラで訴えていたかもしれないくらい鬱陶しかったという理由もある。

 ちなみに、本編に登場しない理由は、好みのイケオジに育っていくレオナルド王弟殿下と王都でいちゃいちゃしていたから。
 各国の賓客を招き行われる、婚約披露式や皇太子任命式の準備に忙しくしている。
 そして、王国の制度である王妃継承者と認定された一年前に文化都市マギステラを離れているため、残念王子の婚約者として振る舞うとか無理な話なのである。


☆ レオナルド・ステファント
【年齢】29歳
【身長】188cm
【髪色】緑色
【瞳色】緑色
【特徴】ステファント王国の王弟殿下
・原作の恋愛小説では、新たな皇太子を支える公爵宰相として、ラストシーンに少しだけ会話を交わす様子が描かれている。
・この世界では、現国王ちょうなんと年の離れた四男という間柄。
 年上好きだったオリヴィアと親交を深めていたことから、次代の国王の最有力候補として期待を受けるようになっていた。どちらがどちらとは書かないが、国立マギステラ高等学院の成績に雲泥の差があることも一つの理由だろう。
 仲の良い長男こくおうを支えるため、高等学院卒業後は騎士団に所属している。鍛えられた肉体が眩しい美青年である。乙女ゲームなら、年上の候補として登場間違いなしと、オリヴィア印の太鼓判が押されている。

 ちなみに、結婚して領地持ちの公爵位を引き継いでいた次男と、他国へ婿入りしていた三男が王位継承を辞退しているため、スティーブ王子との一騎打ちという展開だった。ほぼ、勝ち確の出来レースみたいになっていたけど。
 先代国王ちちおやの崩御が遅ければ、三十歳くらいで高等学院を卒業した伯爵令嬢と結婚して、近衛騎士団の団長職へ進んでいた未来もあったかもしれない。


☆ クランベル・フー・アウグスト
【転生】福富さや「ふくとみ・さや」(27歳)
【年齢】22歳
【身長】159cm
【胸部】推定Dカップ
【髪型】さらりとしたロングヘア
【髪色】金色
【瞳色】青色
【特徴】アリストラス王国の王女殿下
・原作の恋愛小説では、登場場面はおろか詳細な描写はされていない。
・この世界では、関わらないようにステファント王国とは距離を置いている。自分という存在の影響により何が起きるか分からないから。学生生活を送る弟からの報告は楽しみにしているけど。
 王都近郊の王家直轄領を預かる公爵位を引き継ぐ予定。家紋のように花刺繍を用いる割に、バラなどの品種の少なさを嘆き、品種改良に精を出している。自分が生み出したと言える世界で、この現状は許せないらしい。
 また、農産が盛んな領地出身の婚約者の知識を活かして、野菜の品種改良にも手を出している。甘くないトマトは受け入れられないらしい。

 ちなみに、手紙にて弟へアドバイスを返すことはあったが、原作者を応援していた一読者というスタンスは貫いている。姉が姉として、弟が弟として、創造した世界に転生しているとか恥ずかしくて明かせないらしい。
 文章化していないけど、いつだったか空想の世界を広げたことがあったような気がするから。もし教えて、夢が叶ったじゃんとにやにやされたら、力一杯ぶん殴ってしまいそうだ。

 ちなみに因みに、創造主である女神様が、地上に降りてスローライフを楽しんでいるという状況なわけです。
 もちろん、最高神である彼女が強制力なんてない世界と判断して、どちらかの物語に沿うような指向性を示していない以上、どちらかというと嫌いな相手に認定されているヒロイン役に都合の良い展開が訪れるはずもなく……
 そして、全てを悟るに至った弟君は、いつか色んなお仕事を押し付けられるようになるのだ、きっと。


★ 敵対的

☆ カトレア・ネモフィラ
【転生】設楽かりん「したら・かりん」(19歳)
【年齢】18歳
【身長】166cm
【胸部】推定Fカップ
【髪型】ふわりとしたロングウェーブヘア
【髪色】青色
【瞳色】青色
【特徴】ステファント王国の子爵令嬢
・原作の恋愛小説では、実家の商店を手伝うために、国立マギステラ高等学院が誇る図書館にて勉学に励んでいる過程で、知識を欲する王子様と交流を深めていく。成り上がり貴族として周囲から虐められている描写があり、そんなことに負けない気高さに惹かれるという展開だったはず。
・この世界では、ヒロインだからとスティーブ王子に近付き、乙女ゲームのハーレムエンドを目指せるわと様々な令息と懇ろな関係にあった。この辺りも、原作に対する認識の間違いがあったわけだ。もう少し、周囲の話を聞いていれば、どこかで修正ができる可能性もあっただろうに。
 侯爵家の令嬢が婚約者に収まっているというのも、混同したことによる何となくという思い込みから。始めから目立っていた、周囲の令嬢に一目置かれている雰囲気のオリヴィアが、私を引き立たせるそれに違いないと情報を遮断していただけ。

 ちなみに、思いを確かめ合った中盤辺りの甘々な恋人生活を描く段階で、甘えるのが上手だった原作者の知り合いの性格が浸食していったらしい。だから、恋愛小説は苦手なのよというのが、書き終えた感想であったそうな。
 憂さ晴らしの破滅小説が書かれていたことを彼女は知らない。だから、私は無敵だと思えていたのだろうけど。


☆ スティーブ・ステファント
【転生】茶船騎衛瑠「ちゃぶね・のえる」(20歳)
【年齢】18歳
【身長】175cm
【髪色】緑色
【瞳色】青色
【特徴】ステファント王国の王子殿下
・原作の恋愛小説では、王国のことを考えて、上に立つ者になれるよう努力を続ける好青年。子爵令嬢ではあるが、カトレアとなら逆境を跳ね返していけると信頼し合う関係を築いていた。
・この世界では、自分が生まれた王国の制度として、王妃継承者から選ばれる立場にあることを理解していなかった。休暇期間に、王宮の会食などでオリヴィアと同席することがあったから、いろいろと勘違いしていたのかもしれない。
 世界の常識を学ばなくても王位に就けると信じ込んでいた勘違い野郎になってしまったのだ。カトレアに騙されたと言い続けるが、今回は騙される方が悪いと思われてしまうくらいの勉強不足だろう。
 何度も輜重隊から逃げようとしており、三度目のときに運悪く魔物と遭遇して帰らぬ人となる。

 ちなみに、スティーブとカトレアが結ばれる原作では、その貢献度からネモフィラ子爵家に伯爵位が授けられるから、身分差というものは問題ではなくなる。悪徳伯爵を懲らしめる聡明さも描かれていたから。
 王家に比肩するほどのマークシア侯爵家の令嬢である方が当然都合は良いが、そもそも絶対王政と言えるほど権力が集中していないため、王家を支える四大侯爵家にてバランスを取れば良いことだと、常識を学べば理解できていたかもしれない。いや、無理かな。


☆ ニコラウ・サンシータ
【年齢】18歳
【身長】177cm
【髪色】金色
【瞳色】青色
【特徴】ステファント王国の宰相令孫
・原作の恋愛小説では、図書館で行われる勉強会へ参加するようになる。サンシータ伯爵家の情報網を活用して、悪徳伯爵の悪事を暴く手伝いをする。
 投稿小説にも、取り巻きとして登場する。
・この世界では、王子より王子っぽい言動と見た目から、早々にカトレアから誘惑されて、駄目な方へ堕ちていく。彼女から持ち上げられる心地好さから、どんどん尊大な態度を見せるようになっていく。宰相閣下の孫息子なのだと。
 輜重隊が異教徒の軍勢に襲われて、二年ほど我慢したところで帰らぬ人となる。

 ちなみに、宰相閣下になれる可能性など消滅していた。
 三男である父親は、サンシータ伯爵位の後継者になる可能性は低く、王宮へ行政官として勤めている。本来ならば、彼も高等学院を優秀な成績で卒業し王宮勤めを勝ち取らなければ、貴族社会へ残れるかどうかというくらい危うい立場である。
 同級生達は知っている情報であるため、勘違い野郎としか思われていなかった。


☆ ダルムント・チョリガン
【年齢】18歳
【身長】192cm
【髪色】金色
【瞳色】青色
【特徴】ステファント王国の伯爵令孫
・原作の恋愛小説では、登場場面はおろか詳細な描写はされていない。
 投稿小説には、取り巻きの一人として登場する。
・この世界では、騎士団長の令孫ということと、鍛え上げられた肉体に期待したカトレアに声を掛けられて、目指していた将来を見失う。彼女が喜ぶから身体を鍛え続けているが、ほぼ肉欲にしか活かされていない。
 輜重隊では素直で扱いやすいと、隊長達の覚えは良かった。肉弾戦のみなのに魔物を討ち取るなど、警護役の兵士を庇い毒矢を受ける五年後まで、最後の一人になるまで黙々と頑張っていた。

 ちなみに、騎士団長になれる可能性はほぼ消滅していた。
 剣術などはそれなりの評価が得られていたが、騎士資格に必要な礼儀作法や知識はさっぱりだったから。戦場で駒として動かされていれば、かなり活躍できていたかもしれない。


☆ ゴライアス・ファリアン
【年齢】18歳
【身長】179cm
【髪色】黒色
【瞳色】茶色
【特徴】ステファント王国の伯爵令孫
・原作の恋愛小説では、登場場面はおろか詳細な描写はされていない。
 投稿小説には、取り巻きの一人として登場する。
・この世界では、魔術師団長の令孫ということと、魔法に興味を持ったカトレアに声を掛けられて、眩しい世界を知ってしまう。魔術構築の触媒に使う宝石などを宝飾品に仕立てて捧げている。
 輜重隊が魔物に襲われたとき、前に出て自慢の魔法を撃ち込むも軽々と散らされ、取り巻き達の中で初めての帰らぬ人となる。

 ちなみに、魔術師団長になれる可能性など消滅していた。
 しかし、三金の中ではもっとも祖父の後釜を目指せる素質はあった。父親より期待されていたくらいだったが、お気に入りの指輪を身に付けていたことが人生を狂わせたのだ。

 ちなみに因みに、一般的な学院生の間で通じていた『三金さんきん』とは、三人の金魚の糞達を短縮した陰口です。常にスティーブ王子、もしくはカトレアの後ろをふらふらと歩いていたから。彼等三人が特に悪目立ちしていたから。
 当人達は各々の立場もあり、三人の金の卵と褒められていると都合良く勘違いしていただけ。侮蔑や嘲笑の雰囲気を感じ取れば、そんなわけないと分かりそうなものなのに。
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