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幕間5
しおりを挟む「うちのお姫様は、かなりご立腹だったよ。」
そう言いながら、一階へ戻ってきたストラウスは上機嫌だった。
「お前なぁ……。」
「火に油注いで、喜んでるんじゃねえよ」と文句を言う幼馴染に、ストラウスは「君も人の事言えないよ」と言い返してきた。
そんな悪友に溜息を吐きながら、ジュリアスは首を横に振る。
「兄貴と俺とじゃ、待遇が違うってゆーの!」
そう言うと、ソファの肘掛けに肘をつきながら、ストラウスを恨めしそうに見てきたのであった。
実際、男性恐怖症であるヴィヴィアーナは、兄であるストラウスが近付くのは平気なのであった。
先程のように、ソファに向かい合って座る事が許されているのはストラウス位なもので、他の男性が同じ部屋に居るだけでも、ヴィヴィアーナは息が苦しくなってしまうのだそうだ。
その中には、もちろんジュリアスも含まているわけで、発作が起きるようになった当初は、どうやって接したらいいのかわからず途方に暮れてばかりだった。
そして、ヴィヴィアーナを知るために観察に観察を重ね、辿り着いた答えがオネエ言葉だったのである。
――女言葉使ってる時は、呼吸が乱れたり全身の震えとかが出ないからなぁ……。
それ以前は、ジュリアスや他の男性を見ただけで体が強張り、話しかけただけで気絶か過呼吸になってしまう程、症状は酷かったのである。
――とりあえず、女言葉を使うようになってからは、なんとか話せるようになったのはいいけど、そのお陰ですぐ怒るようになったんだよなぁ、あいつ……。
なんだかんだで悪循環な現状に、ジュリアスは溜息を吐くのであった。
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