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四
33話 2-Bドーナツ喫茶開店
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普段の学校とは違い、賑やかな笑い声や明るい音楽に包まれ文化祭がスタートした。午前中、恋は教室で喫茶店の店番をしていた。仲川と相馬も同じ時間の担当で一緒に接客をしていた。赤城たちはドーナツを売りに回っていたため教室にはいなかったけど午後からは合流して一緒に回る約束をしていた。瞬く間に席は満席になりドーナツも飛ぶように売れていった。
「赤城くんとか佐々木くんって今居ないんですか?」
そんな言葉も何度も聞かされた。
...やっぱり赤城はモテるなぁ。もう文化祭始まってから何回聞かれた聞かれたか覚えてない......。
暗い顔で下を向いていると後ろから肩を叩かれた。
「なにそんな暗い顔をしてんの?」
赤城が恋の顔を覗き込むようにして聞いた。
「あ、かし...おかえり。なんでもないよ!...あれ、帰ってきたの?」
「うん、ドーナツ売り食ったから追加で貰いにきた。これ売り切ったら一回教室帰って来るから待ってて。」
そう言って恋の頭を撫でると赤城はクラスメイトからドーナツを受け取った。教室を出て行こうをする赤城に食べに来ていた数人の他校の女子たちが近寄って写真をお願いしていた。なんとなく見ているのが辛くなった恋が目を逸らすとそれに気づいた赤城が躊躇せず女子たちに言った。
「あー...すみません俺恋人いるんでー。ヘタに心配かけたくなくて外部との写真断ってるんすよ。」
はっきり言い切られ寂しそうにする女子たちを気に留めず赤城は教室から出て行った。
「やっぱりそうなんだね。彼女いるって噂あったし...。前はもっと軽かったらしいけど今付き合ってる人に変わってから結構一途みたいだよ赤城くん。」
別の席から聞こえて来る赤城の話が耳に入った。正直浮かれた、ものすごく浮かれた。やばい...文化祭すごい楽しいのかもしれない。
吹っ切れたようにそこから晴れた気分で自分の仕事を全うした。
そろそろ午後の人たちとバトンタッチという時に帰ってこないクラスメイトが気になって教室の入り口で待っていると横から手を掴まれた。
「......恋ちゃん。」
馴染みのある呼ばれ方に振り返ると高瀬が恋をじっと見つめて立っていた。
「高瀬くん...。」
「よかった会えた。やばい、俺めっちゃ嬉しい!もう店番終わったの?一緒に回れる?」
あ...同じだ、千田くんの時と。息が苦しくなるようなこの感じ。
力強く引かれる手を振り払って恋は冷たい視線で高瀬を見た。
「ごめん、前も言ったけど一緒に回る人いるから。その人が帰って来るまでなら話はできるよ...。できるだけ早めに済ませて欲しい。」
恋の言動に驚いて高瀬俯いて頷いた。恋は携帯を出して赤城に連絡を入れると高瀬を同じフロアの空き教室に連れて行った。
「...僕に話ってなに?」
教室に入ると恋は黙っている高瀬に口を開いた。
「ここの教室は文化祭で使わないんだね。...俺入ってよかったのー?あ、もしかして恋ちゃん俺と二人きりになりたかったやつ?」
「......僕の話聞いてた?話はなにって聞いたんだけど。大した話じゃないならもう僕行くよ。」
必死に取り繕って笑顔で話す高瀬に変わらず恋は素っ気なく言い返すと部屋から出ようとドアノブに触れた。その瞬間、高瀬が恋の手を掴んで床に押し倒した。
「なんですぐ逃げようとするの?」
「...っ、そう言う手荒いところが嫌なの。」
上に乗る高瀬に目を合わせることなく恋は外方を向いて答えた。その反応に高瀬は歯を食いしばり掴んでいた恋の手首に力を加えた。
「...かせ...高瀬、痛い......手、離して。」
「......そんな軽い気持ちじゃねぇんだよ。」
「え...?」
高瀬の言葉に耳を疑い、恋は驚いた表情で高瀬の目をやった。どこか悲しそうな顔をする高瀬に言葉を失い、恋はなにも言わずただ高瀬が話しだすのを待った。
「俺ね、前から欲しいものはなんとしても手に入れないと気が済まなかった...物だって好きな人だって全部。二年で一緒のクラスになった時、恋ちゃんとセット扱いされてる仲川が羨ましかった。俺は友達でもそこまで執着されてずっと一緒にいてくれるようなやつはいなかったから。だから恋ちゃんに好かれたくて必死で仲川と仲良くなって恋ちゃんを紹介してもらった。先生に媚び売りまくってどうしても三年でも恋ちゃんと同じクラスにして欲しいって頼んだ。でもどれだけ一緒にいて仲良くなっても仲川以外にはもう触れられるっていう一歩手前でボーダー引いてそれ以上は来てくれなかった。それがどうしても嫌だった。だからわざと君たちが気に留めるような事したりしたよ。仲川は嫌でも気づくだろうし恋ちゃんも自ずとついて来るでしょ?」
さっきとは打って変わって微笑みながら話す高瀬の言っている事が理解できなかった。黙って聞いている僕の首筋をもう片方の手で撫でながら高瀬は続きを話した。
「...でも失敗。ヘタに話広めて欲しくなくて相手する人みんなに口止めしてたのにその最中で仲川入って来るんだもん。あーどうせ外で恋ちゃんもいるんだろうなって思ったら一気に全部どうでもよくなってさ。そっからもそういうの続けながら距離感とか考えるのも怠くなってきて気にせず恋ちゃんに触れるようにしてたら仲川もう激おこ。極め付けに恋ちゃんも俺の恋愛対象でーすってバラしたらそこから絡んでも来れなくなったし。で、最終的には進路まで俺と同じだったはずの仲川が変えて恋ちゃんと一緒にしちゃうでしょ?流石に萎えるって。」
ここまで話されても1ミリも高瀬がなに言ってるのか分からなかった。いや、分かりたくもなかった。怒りと恐怖で手が震えてなかなか思い通りの言葉が出なかった。ただ一瞬高瀬の気が抜けて僕の手を掴む手が緩んだ時僕は手を勢いよく振り払って高瀬を押し退けた。
「...意味わかんない。結局は自分勝手して被害に遭った人たち傷つけてるだけじゃん。そんな人の話なんて理解したくもないよ。」
「被害って何?自分から抱かれたくて近寄ってきてそれで俺に好き勝手されてるヤツらでしょ?自業自得でしょ、なんで俺が責められないといけないわけ?あー...そもそも抱かれるって恋ちゃん意味わかる?あんな過保護にされてきたもんね仲川に。そういうことしたことないから偏見で被害なんて言えちゃうんだよ。」
感情的になる高瀬の話を座り込んで静かに聞いている恋に高瀬が歩み寄った。
「...イヤな言い方してごめん。でも俺はね、本当に大事なモノは絶対傷つけないし誰にも触れられないように大切に自分だけのモノにするよ。......お願いだから俺だけを見てよ。ねぇ恋ちゃん、引いた?俺のこと。もう話したくもない?」
さっきとは違い、優しい話し方で高瀬が恋に聞いた。高瀬が恋の手を握ろうと手を伸ばすと恋は手を引っ込めた。
「高瀬くんの気持ちはわかった。僕も理解したくないなんて言ってごめん......でもやっぱり高瀬くんのやり方は間違ってるよ、確かにあの頃の僕は恥ずかしい話、恋愛なんて無頓着だったしそのせいで友達の話に取り残されるって感じる時もあった。でも高瀬くんも千田くんもそんな僕に合わせてくれたでしょ。千田くんはどんな気持ちだったかは分からないけど高瀬くんは...下心があったとしても僕は嬉しかったよ。モテモテで勉強もスポーツも得意で話しやすくて、そんな高瀬くんは僕の憧れだったし友達として誇らしかった...それは今も変わってないよ。引きはしない、でももう絶対そういうやり方はしちゃだめだよ。好きなら好きって言葉で言わないと...じゃない絶対自分か相手かが傷つくことになるから......って、偉そうに語ってるけどこれは僕の好きな人から教えてもらったことなんだけどね。」
ふわっと笑って話す恋に高瀬はため息を吐いた。そして少し決まり悪そうに「そっかそっか。」と笑って言った。
「恋ちゃん好きな人いるのかー...言いたくなかったらいいんだけどさ、それって前俺が門の前で待ってる時恋ちゃんのこと引っ張って連れて行った...彼?」
高瀬の言葉に驚いて少し困ったような表情を浮かべたあと恋は「うん。」と明るい声で言った。
そんな恋を見て諦めがついたように高瀬は自分の両頬を叩いて恋の手を伸ばした。
「今すぐ...ってのは無理あるけどしっかり振られたんで俺も前に進めそうだよ。傷心旅行でも行こうかなー...あ、この前も嫌な思いさせてごめん。千田は俺に言われてやったことではあるから俺に免じて許してやってほしい。これからは恋ちゃんがよかったら友達ってことで...お願いしたいんだけどいいかな?」
恋は嬉しそうに笑って高瀬の握手を受け入れた。
「仲川にも仲直りできたって僕から言っておくよ。」
部屋から出る時恋が言うと高瀬が苦笑いで「あいつは許してくれるかなー...」と答えた。
「またいつかほとぼり冷めて会えるようになったらその時はみんなでご飯でも行こうよ。」
「...いや恋ちゃんってすごいよね。今まで最悪な事してきてしかもさっき押し倒して告白してきた人前にしてそれ言い出せるの結構尊敬するよ。まぁ俺としてはそう言ってくれるのめちゃくちゃ嬉しいけど。」
二人して笑いながら教室から出てBクラスの方に目をやると少し離れたところから赤城がこっちを不安そうな顔で見つめていた。その姿を見た高瀬が恋に目を移すとキラキラと輝いた瞳で赤城を嬉しそうに見ていた。
「...これは完敗だわ。」
「へ?...なんか言った?」
「いや?何もないよ。ほら、彼が待ってるから早く行きな......恋ちゃん。幸せにしてもらいなね。」
最後にそう言い放った高瀬の方を振り返り、今日一番の笑顔を見せて言った。
「ありがとう...絶対幸せにするよ。」
「赤城くんとか佐々木くんって今居ないんですか?」
そんな言葉も何度も聞かされた。
...やっぱり赤城はモテるなぁ。もう文化祭始まってから何回聞かれた聞かれたか覚えてない......。
暗い顔で下を向いていると後ろから肩を叩かれた。
「なにそんな暗い顔をしてんの?」
赤城が恋の顔を覗き込むようにして聞いた。
「あ、かし...おかえり。なんでもないよ!...あれ、帰ってきたの?」
「うん、ドーナツ売り食ったから追加で貰いにきた。これ売り切ったら一回教室帰って来るから待ってて。」
そう言って恋の頭を撫でると赤城はクラスメイトからドーナツを受け取った。教室を出て行こうをする赤城に食べに来ていた数人の他校の女子たちが近寄って写真をお願いしていた。なんとなく見ているのが辛くなった恋が目を逸らすとそれに気づいた赤城が躊躇せず女子たちに言った。
「あー...すみません俺恋人いるんでー。ヘタに心配かけたくなくて外部との写真断ってるんすよ。」
はっきり言い切られ寂しそうにする女子たちを気に留めず赤城は教室から出て行った。
「やっぱりそうなんだね。彼女いるって噂あったし...。前はもっと軽かったらしいけど今付き合ってる人に変わってから結構一途みたいだよ赤城くん。」
別の席から聞こえて来る赤城の話が耳に入った。正直浮かれた、ものすごく浮かれた。やばい...文化祭すごい楽しいのかもしれない。
吹っ切れたようにそこから晴れた気分で自分の仕事を全うした。
そろそろ午後の人たちとバトンタッチという時に帰ってこないクラスメイトが気になって教室の入り口で待っていると横から手を掴まれた。
「......恋ちゃん。」
馴染みのある呼ばれ方に振り返ると高瀬が恋をじっと見つめて立っていた。
「高瀬くん...。」
「よかった会えた。やばい、俺めっちゃ嬉しい!もう店番終わったの?一緒に回れる?」
あ...同じだ、千田くんの時と。息が苦しくなるようなこの感じ。
力強く引かれる手を振り払って恋は冷たい視線で高瀬を見た。
「ごめん、前も言ったけど一緒に回る人いるから。その人が帰って来るまでなら話はできるよ...。できるだけ早めに済ませて欲しい。」
恋の言動に驚いて高瀬俯いて頷いた。恋は携帯を出して赤城に連絡を入れると高瀬を同じフロアの空き教室に連れて行った。
「...僕に話ってなに?」
教室に入ると恋は黙っている高瀬に口を開いた。
「ここの教室は文化祭で使わないんだね。...俺入ってよかったのー?あ、もしかして恋ちゃん俺と二人きりになりたかったやつ?」
「......僕の話聞いてた?話はなにって聞いたんだけど。大した話じゃないならもう僕行くよ。」
必死に取り繕って笑顔で話す高瀬に変わらず恋は素っ気なく言い返すと部屋から出ようとドアノブに触れた。その瞬間、高瀬が恋の手を掴んで床に押し倒した。
「なんですぐ逃げようとするの?」
「...っ、そう言う手荒いところが嫌なの。」
上に乗る高瀬に目を合わせることなく恋は外方を向いて答えた。その反応に高瀬は歯を食いしばり掴んでいた恋の手首に力を加えた。
「...かせ...高瀬、痛い......手、離して。」
「......そんな軽い気持ちじゃねぇんだよ。」
「え...?」
高瀬の言葉に耳を疑い、恋は驚いた表情で高瀬の目をやった。どこか悲しそうな顔をする高瀬に言葉を失い、恋はなにも言わずただ高瀬が話しだすのを待った。
「俺ね、前から欲しいものはなんとしても手に入れないと気が済まなかった...物だって好きな人だって全部。二年で一緒のクラスになった時、恋ちゃんとセット扱いされてる仲川が羨ましかった。俺は友達でもそこまで執着されてずっと一緒にいてくれるようなやつはいなかったから。だから恋ちゃんに好かれたくて必死で仲川と仲良くなって恋ちゃんを紹介してもらった。先生に媚び売りまくってどうしても三年でも恋ちゃんと同じクラスにして欲しいって頼んだ。でもどれだけ一緒にいて仲良くなっても仲川以外にはもう触れられるっていう一歩手前でボーダー引いてそれ以上は来てくれなかった。それがどうしても嫌だった。だからわざと君たちが気に留めるような事したりしたよ。仲川は嫌でも気づくだろうし恋ちゃんも自ずとついて来るでしょ?」
さっきとは打って変わって微笑みながら話す高瀬の言っている事が理解できなかった。黙って聞いている僕の首筋をもう片方の手で撫でながら高瀬は続きを話した。
「...でも失敗。ヘタに話広めて欲しくなくて相手する人みんなに口止めしてたのにその最中で仲川入って来るんだもん。あーどうせ外で恋ちゃんもいるんだろうなって思ったら一気に全部どうでもよくなってさ。そっからもそういうの続けながら距離感とか考えるのも怠くなってきて気にせず恋ちゃんに触れるようにしてたら仲川もう激おこ。極め付けに恋ちゃんも俺の恋愛対象でーすってバラしたらそこから絡んでも来れなくなったし。で、最終的には進路まで俺と同じだったはずの仲川が変えて恋ちゃんと一緒にしちゃうでしょ?流石に萎えるって。」
ここまで話されても1ミリも高瀬がなに言ってるのか分からなかった。いや、分かりたくもなかった。怒りと恐怖で手が震えてなかなか思い通りの言葉が出なかった。ただ一瞬高瀬の気が抜けて僕の手を掴む手が緩んだ時僕は手を勢いよく振り払って高瀬を押し退けた。
「...意味わかんない。結局は自分勝手して被害に遭った人たち傷つけてるだけじゃん。そんな人の話なんて理解したくもないよ。」
「被害って何?自分から抱かれたくて近寄ってきてそれで俺に好き勝手されてるヤツらでしょ?自業自得でしょ、なんで俺が責められないといけないわけ?あー...そもそも抱かれるって恋ちゃん意味わかる?あんな過保護にされてきたもんね仲川に。そういうことしたことないから偏見で被害なんて言えちゃうんだよ。」
感情的になる高瀬の話を座り込んで静かに聞いている恋に高瀬が歩み寄った。
「...イヤな言い方してごめん。でも俺はね、本当に大事なモノは絶対傷つけないし誰にも触れられないように大切に自分だけのモノにするよ。......お願いだから俺だけを見てよ。ねぇ恋ちゃん、引いた?俺のこと。もう話したくもない?」
さっきとは違い、優しい話し方で高瀬が恋に聞いた。高瀬が恋の手を握ろうと手を伸ばすと恋は手を引っ込めた。
「高瀬くんの気持ちはわかった。僕も理解したくないなんて言ってごめん......でもやっぱり高瀬くんのやり方は間違ってるよ、確かにあの頃の僕は恥ずかしい話、恋愛なんて無頓着だったしそのせいで友達の話に取り残されるって感じる時もあった。でも高瀬くんも千田くんもそんな僕に合わせてくれたでしょ。千田くんはどんな気持ちだったかは分からないけど高瀬くんは...下心があったとしても僕は嬉しかったよ。モテモテで勉強もスポーツも得意で話しやすくて、そんな高瀬くんは僕の憧れだったし友達として誇らしかった...それは今も変わってないよ。引きはしない、でももう絶対そういうやり方はしちゃだめだよ。好きなら好きって言葉で言わないと...じゃない絶対自分か相手かが傷つくことになるから......って、偉そうに語ってるけどこれは僕の好きな人から教えてもらったことなんだけどね。」
ふわっと笑って話す恋に高瀬はため息を吐いた。そして少し決まり悪そうに「そっかそっか。」と笑って言った。
「恋ちゃん好きな人いるのかー...言いたくなかったらいいんだけどさ、それって前俺が門の前で待ってる時恋ちゃんのこと引っ張って連れて行った...彼?」
高瀬の言葉に驚いて少し困ったような表情を浮かべたあと恋は「うん。」と明るい声で言った。
そんな恋を見て諦めがついたように高瀬は自分の両頬を叩いて恋の手を伸ばした。
「今すぐ...ってのは無理あるけどしっかり振られたんで俺も前に進めそうだよ。傷心旅行でも行こうかなー...あ、この前も嫌な思いさせてごめん。千田は俺に言われてやったことではあるから俺に免じて許してやってほしい。これからは恋ちゃんがよかったら友達ってことで...お願いしたいんだけどいいかな?」
恋は嬉しそうに笑って高瀬の握手を受け入れた。
「仲川にも仲直りできたって僕から言っておくよ。」
部屋から出る時恋が言うと高瀬が苦笑いで「あいつは許してくれるかなー...」と答えた。
「またいつかほとぼり冷めて会えるようになったらその時はみんなでご飯でも行こうよ。」
「...いや恋ちゃんってすごいよね。今まで最悪な事してきてしかもさっき押し倒して告白してきた人前にしてそれ言い出せるの結構尊敬するよ。まぁ俺としてはそう言ってくれるのめちゃくちゃ嬉しいけど。」
二人して笑いながら教室から出てBクラスの方に目をやると少し離れたところから赤城がこっちを不安そうな顔で見つめていた。その姿を見た高瀬が恋に目を移すとキラキラと輝いた瞳で赤城を嬉しそうに見ていた。
「...これは完敗だわ。」
「へ?...なんか言った?」
「いや?何もないよ。ほら、彼が待ってるから早く行きな......恋ちゃん。幸せにしてもらいなね。」
最後にそう言い放った高瀬の方を振り返り、今日一番の笑顔を見せて言った。
「ありがとう...絶対幸せにするよ。」
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