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六
46話 君だけに届く俺の思い
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「えー...後一週間で冬休みとなりますが休み中も気を抜かず自分が高校生である自覚を忘れずに過ごすこと。軽はずみな行動は___」
全校集会で話される校長の話を赤城はあくびをしながら聞いていると後ろから佐々木に肩を組まれた。
「よっ、赤城はよ~!一番後ろにいたってことは...さてはお前遅刻したな?たるんでんな!しっかりしろ!」
「...うん、その俺より後に来た奴の台詞じゃねぇわな。」
冷静の返す赤城の言葉を聞いて佐々木は声を出して笑った。それに気づいたら担任が注意しにくると反省の色を見せない佐々木に怒り、集会が終わったあと職員室に来るよう指導を受けた。
「......おい、なんで俺まで長々と説教食らわなきゃ行けなかったんだよ、元凶お前だろ。」
怠そうに職員室のドアを開けながら赤城が佐々木の足を蹴りながら話すと佐々木が笑って「まあまあ。」と宥めた。そんな二人を新山は真顔で見ながら「おい。」とキレ口調で口を開いて話し出した。
「あのさ...お前と佐々木はわかるんだけど、なんで遅刻してないしっかり集会最初からいた優等生の俺まで職員室呼ばれたの、まじで謎なんだけど。」
「それ佐々木のせい。こいつ担任に新山がわざと俺らに間違った集会時間教えたってほざいてたわ。なんでクレームは佐々木までおなしゃす。」
「ナイス赤城...おい佐々木、飯奢りな。焼肉。一番高い食べ放コースで。」
「はぁ~!?まじで冗談なやつじゃん!無理無理!俺今マジで金ない!」
ヘラヘラ笑いながら謝る佐々木と呆れ果てる新山を鼻で笑いながら歩いていると階段のところで恋と仲川が立って待っていた。
「赤城~!」
「恋、どうした?もしかして待っててくれてたの?」
「うん。怒られるとテンション下がるべ?んだから少しでも気分上げてあげようと思って!」
「やば可愛すぎ嬉しすぎ。めっちゃ元気出た、おまけで赤城くんめっちゃ好きって言ってほしい。」
素で嬉しそうに笑って話す恋を見て頭を撫でながら悶死する赤城に佐々木と仲川が呆れたように「こいつらアホすぎんか。」と口を揃えて言った。
「いや芦野くん可愛い。いいなそんなデレデレに甘えられんの。」
「悪いけどあげねぇよ。こっちはあんなことやこんな事も全部俺が教える約束してんだから。残念だったな新山。」
「ち...ちょっと赤城!?!?な...何言ってるのっ!?」
赤城の発言に恋は顔を赤くして腕を掴んだ。そんな恋を見て悪そうに微笑み、淡々と赤城が答えた。
「...え?今一緒にやってるダンジョンのクリア方法俺が教えるって言ったじゃん。それにこの前俺んちでやってたあっちのゲームも。それどっちも新山もやってるゲームだからね。」
「あ......そ、そうなんだ...。」
「え、お前あれの攻略わかったのすごくね?俺にも共有しろし。」
文句を言いながら歩き出す新山の後を追うようにみんなが階段を上がると赤城も恋の手を引いて「俺らも行こう。」と言い歩き出した。
勘違いしてテンパったと思い込んでいる恋は恥ずかしそうに必死で顔の熱を冷ましているとそれを見た赤城が悪戯に笑って耳元で囁いた。
「さっきのえっちな事だと思った?」
その赤城の声にビクッと反応して困ったようにあたふたしながら「...思った。」と素直に言い頷いた。満足そうに微笑んで赤城が頭を撫でると恋は思い切って赤城に胸の内を話そうと顔を上げた。と同時に血の気が引いたように青ざめ、引き攣った顔をする赤城を見てその視線の先に目をやった。
「尊...。」
恋たちの前を歩いていた佐々木達もまた、気まずそうにこちらを見ていてその声のする方を見て何も言えずに立ち尽くしていた。
「......松井。」
恋は赤城が彼女を呼ぶその声を聞きたくなさそうに先に歩いて教室に戻ろうとすると咄嗟に赤城は恋の手を掴んだ。恋はどうしたらいいのか分からず動揺していると赤城は小さな声で「ちゃんと後で全部話すからね。」と言った。
その言葉を聞いた恋は落ち着きを取り戻し、ふわっと笑みを浮かべ「うん。」と答えた。
赤城の思いと汲み取ると恋は佐々木達の元に駆け寄り一緒に教室に向かった。
廊下に取り残された赤城と松井の間に暫しの間沈黙が流れるとそれを破るように松井が赤城のそばに駆け寄った。そのまま抱きつこうとすると、その身体を赤城が止めた。
「...それはやめて欲しい。今恋人いるし悲しませたくないから。」
「なんで......今ここにいないからいいじゃん...。」
「そういう問題じゃない。俺が嫌なの、恋人以外とそういう事するの。」
冷たい声でそう突き放すと赤城が前を歩き出し空き教室に向かった。
教室に入り、手に持っていた携帯をポケットにしまうと赤城は松井の方を振り返った。
「......で?復縁の話なら昨日も電話で話したけど無理だからね。それ以外でなんか話あったから声かけたんでしょ、何?」
相変わらず冷たい態度を取る赤城に松井は涙を流して近づいた。
「ほんとにもう...私たち戻れないのかな...っ。私ね、ずっと後悔してた。尊の優しいところに甘えてたって別れてから気づいて...今の彼女より絶対私の方が尊のこと幸せにする...もう絶対浮気もしないって誓うし、尊の友達に対して口出しも制限とかもしないから...。また私と付き合ってほしい......っ。」
そして赤城の袖を掴むと「ねぇお願い。」と縋るように泣きついた。
赤城ゆっくり自分の袖を掴む松井の手を離して一歩後ろに引いて距離を取った。
「何度言われても答えは変わらないよ。本気で今の恋人のこと大事なんだわ俺。それに松井は勘違いしてるけど俺は別に松井の我儘が嫌だったわけじゃないし友達に関して言われたことも気にしてなかったよ。ただ自身の生死に関わる事を持ち出して脅しに使ってほしくなかった。ただそれだけ...なんて、自分に言い聞かせてただけで本当は違ったかも。」
赤城が笑ってそう話すのに対して松井は驚いて赤城の顔を見上げた。
「俺さ元カノの前でこんな事言うのマジに最低なのは自覚してるんだけど、今まであんま本気で人を好きになった事なかったんよね。松井の時もそうだったけど告白されてそのうち自分も相手の気持ちに追いついて好きになるだろうなって思って付き合ってた。でもそれってただ逃げてるだけだって気づいてさ。相手に振り回されて必死になってる人のことを恥ずい奴だって思い込んで自分は違うってただ逃げてる痛い奴だったわ。今の人と恋愛して馬鹿みたいに左右に揺さぶられる自分を客観的に見てやっぱこう言うのも悪くねぇなって思たよ。本気になることで恋人にだけ届くものってやっぱりあると思うしさ、向こうの勘違いでも気の迷いだとしても俺は絶対逃したくないしこいつだけには自分の気持ちをわかってほしいって思ったんだ。」
泣きながら呆然と赤城の顔を見る松井に赤城は自分から歩み寄り、松井の涙をハンカチで拭いながら柔らかく笑って続けた。
「気づくの遅すぎてまじでごめんけどきっとあの時の俺は松井の気持ち理解出来なくて傷つけた事多かったよな...ごめんね。あとこんな俺のこと好きになってくれてほんとありがとう。松井も本気で松井のこと好きだって言ってくれるやつと出会えたらそいつには絶対もう死ぬなんて言わずにこうしてほしいって言えるようなそんな関係を築いてほしいな......って言う、恋愛クソ雑魚の元カレからのお言葉ですよ。」
「......っ、そっか...そうだね。うん...。」
赤城の話を聞いて腑に落ちたように泣きながら笑って頷いた。
「あ~、本当悔しい......っ、悔しいけど...そんな幸せそうな顔で反省されてしかも助言までされたらもう...なにも......何も言えなくなっちゃうよ...っ。」
松井が泣き崩れるように床に座り込むと赤城はその背中を優しく摩った。
泣き止んだ松井は無言で落ち着くまでそばに居てくれた赤城の頬を抓って無邪気に笑うと明るい顔を作って言った。
「絶対っ...幸せにしてあげてよ、彼女の事。最っっ高にいい女だった元カノとの約束ね!もう連絡もしないようにするからそのお詫びとしてこのハンカチは貰っておくんだからね!」
「ありがとう......。うん、幸せにするよ。いい女なのはうざいけど認めるよ。ハンカチも......あれ、それ確か弟のだった気もするけど。うん、是非貰ってください。あとL◯NEに関しては俺もちゃんと向き合って話す気だったからもう解除してあるからなんかあったら連絡してよ。恋愛相談でも乗るわ。」
「あんたね~...数分前にあんたにフラれた女によくもまぁそんな言葉かけれるわ!でも...ありがとう、なんかあったらL◯NEさせてもらう!」
お互いに言いたい事をぶつけ合いスッキリしたように清々しい顔で教室を出ると別れ際に握手をしてから別々の廊下を歩いていった。松井は一度赤城の方を振り返ると軽い足取りで教室の方に向かう赤城を見て微笑んで小さな声で「ありがとう、尊。」と呟いた。
全校集会で話される校長の話を赤城はあくびをしながら聞いていると後ろから佐々木に肩を組まれた。
「よっ、赤城はよ~!一番後ろにいたってことは...さてはお前遅刻したな?たるんでんな!しっかりしろ!」
「...うん、その俺より後に来た奴の台詞じゃねぇわな。」
冷静の返す赤城の言葉を聞いて佐々木は声を出して笑った。それに気づいたら担任が注意しにくると反省の色を見せない佐々木に怒り、集会が終わったあと職員室に来るよう指導を受けた。
「......おい、なんで俺まで長々と説教食らわなきゃ行けなかったんだよ、元凶お前だろ。」
怠そうに職員室のドアを開けながら赤城が佐々木の足を蹴りながら話すと佐々木が笑って「まあまあ。」と宥めた。そんな二人を新山は真顔で見ながら「おい。」とキレ口調で口を開いて話し出した。
「あのさ...お前と佐々木はわかるんだけど、なんで遅刻してないしっかり集会最初からいた優等生の俺まで職員室呼ばれたの、まじで謎なんだけど。」
「それ佐々木のせい。こいつ担任に新山がわざと俺らに間違った集会時間教えたってほざいてたわ。なんでクレームは佐々木までおなしゃす。」
「ナイス赤城...おい佐々木、飯奢りな。焼肉。一番高い食べ放コースで。」
「はぁ~!?まじで冗談なやつじゃん!無理無理!俺今マジで金ない!」
ヘラヘラ笑いながら謝る佐々木と呆れ果てる新山を鼻で笑いながら歩いていると階段のところで恋と仲川が立って待っていた。
「赤城~!」
「恋、どうした?もしかして待っててくれてたの?」
「うん。怒られるとテンション下がるべ?んだから少しでも気分上げてあげようと思って!」
「やば可愛すぎ嬉しすぎ。めっちゃ元気出た、おまけで赤城くんめっちゃ好きって言ってほしい。」
素で嬉しそうに笑って話す恋を見て頭を撫でながら悶死する赤城に佐々木と仲川が呆れたように「こいつらアホすぎんか。」と口を揃えて言った。
「いや芦野くん可愛い。いいなそんなデレデレに甘えられんの。」
「悪いけどあげねぇよ。こっちはあんなことやこんな事も全部俺が教える約束してんだから。残念だったな新山。」
「ち...ちょっと赤城!?!?な...何言ってるのっ!?」
赤城の発言に恋は顔を赤くして腕を掴んだ。そんな恋を見て悪そうに微笑み、淡々と赤城が答えた。
「...え?今一緒にやってるダンジョンのクリア方法俺が教えるって言ったじゃん。それにこの前俺んちでやってたあっちのゲームも。それどっちも新山もやってるゲームだからね。」
「あ......そ、そうなんだ...。」
「え、お前あれの攻略わかったのすごくね?俺にも共有しろし。」
文句を言いながら歩き出す新山の後を追うようにみんなが階段を上がると赤城も恋の手を引いて「俺らも行こう。」と言い歩き出した。
勘違いしてテンパったと思い込んでいる恋は恥ずかしそうに必死で顔の熱を冷ましているとそれを見た赤城が悪戯に笑って耳元で囁いた。
「さっきのえっちな事だと思った?」
その赤城の声にビクッと反応して困ったようにあたふたしながら「...思った。」と素直に言い頷いた。満足そうに微笑んで赤城が頭を撫でると恋は思い切って赤城に胸の内を話そうと顔を上げた。と同時に血の気が引いたように青ざめ、引き攣った顔をする赤城を見てその視線の先に目をやった。
「尊...。」
恋たちの前を歩いていた佐々木達もまた、気まずそうにこちらを見ていてその声のする方を見て何も言えずに立ち尽くしていた。
「......松井。」
恋は赤城が彼女を呼ぶその声を聞きたくなさそうに先に歩いて教室に戻ろうとすると咄嗟に赤城は恋の手を掴んだ。恋はどうしたらいいのか分からず動揺していると赤城は小さな声で「ちゃんと後で全部話すからね。」と言った。
その言葉を聞いた恋は落ち着きを取り戻し、ふわっと笑みを浮かべ「うん。」と答えた。
赤城の思いと汲み取ると恋は佐々木達の元に駆け寄り一緒に教室に向かった。
廊下に取り残された赤城と松井の間に暫しの間沈黙が流れるとそれを破るように松井が赤城のそばに駆け寄った。そのまま抱きつこうとすると、その身体を赤城が止めた。
「...それはやめて欲しい。今恋人いるし悲しませたくないから。」
「なんで......今ここにいないからいいじゃん...。」
「そういう問題じゃない。俺が嫌なの、恋人以外とそういう事するの。」
冷たい声でそう突き放すと赤城が前を歩き出し空き教室に向かった。
教室に入り、手に持っていた携帯をポケットにしまうと赤城は松井の方を振り返った。
「......で?復縁の話なら昨日も電話で話したけど無理だからね。それ以外でなんか話あったから声かけたんでしょ、何?」
相変わらず冷たい態度を取る赤城に松井は涙を流して近づいた。
「ほんとにもう...私たち戻れないのかな...っ。私ね、ずっと後悔してた。尊の優しいところに甘えてたって別れてから気づいて...今の彼女より絶対私の方が尊のこと幸せにする...もう絶対浮気もしないって誓うし、尊の友達に対して口出しも制限とかもしないから...。また私と付き合ってほしい......っ。」
そして赤城の袖を掴むと「ねぇお願い。」と縋るように泣きついた。
赤城ゆっくり自分の袖を掴む松井の手を離して一歩後ろに引いて距離を取った。
「何度言われても答えは変わらないよ。本気で今の恋人のこと大事なんだわ俺。それに松井は勘違いしてるけど俺は別に松井の我儘が嫌だったわけじゃないし友達に関して言われたことも気にしてなかったよ。ただ自身の生死に関わる事を持ち出して脅しに使ってほしくなかった。ただそれだけ...なんて、自分に言い聞かせてただけで本当は違ったかも。」
赤城が笑ってそう話すのに対して松井は驚いて赤城の顔を見上げた。
「俺さ元カノの前でこんな事言うのマジに最低なのは自覚してるんだけど、今まであんま本気で人を好きになった事なかったんよね。松井の時もそうだったけど告白されてそのうち自分も相手の気持ちに追いついて好きになるだろうなって思って付き合ってた。でもそれってただ逃げてるだけだって気づいてさ。相手に振り回されて必死になってる人のことを恥ずい奴だって思い込んで自分は違うってただ逃げてる痛い奴だったわ。今の人と恋愛して馬鹿みたいに左右に揺さぶられる自分を客観的に見てやっぱこう言うのも悪くねぇなって思たよ。本気になることで恋人にだけ届くものってやっぱりあると思うしさ、向こうの勘違いでも気の迷いだとしても俺は絶対逃したくないしこいつだけには自分の気持ちをわかってほしいって思ったんだ。」
泣きながら呆然と赤城の顔を見る松井に赤城は自分から歩み寄り、松井の涙をハンカチで拭いながら柔らかく笑って続けた。
「気づくの遅すぎてまじでごめんけどきっとあの時の俺は松井の気持ち理解出来なくて傷つけた事多かったよな...ごめんね。あとこんな俺のこと好きになってくれてほんとありがとう。松井も本気で松井のこと好きだって言ってくれるやつと出会えたらそいつには絶対もう死ぬなんて言わずにこうしてほしいって言えるようなそんな関係を築いてほしいな......って言う、恋愛クソ雑魚の元カレからのお言葉ですよ。」
「......っ、そっか...そうだね。うん...。」
赤城の話を聞いて腑に落ちたように泣きながら笑って頷いた。
「あ~、本当悔しい......っ、悔しいけど...そんな幸せそうな顔で反省されてしかも助言までされたらもう...なにも......何も言えなくなっちゃうよ...っ。」
松井が泣き崩れるように床に座り込むと赤城はその背中を優しく摩った。
泣き止んだ松井は無言で落ち着くまでそばに居てくれた赤城の頬を抓って無邪気に笑うと明るい顔を作って言った。
「絶対っ...幸せにしてあげてよ、彼女の事。最っっ高にいい女だった元カノとの約束ね!もう連絡もしないようにするからそのお詫びとしてこのハンカチは貰っておくんだからね!」
「ありがとう......。うん、幸せにするよ。いい女なのはうざいけど認めるよ。ハンカチも......あれ、それ確か弟のだった気もするけど。うん、是非貰ってください。あとL◯NEに関しては俺もちゃんと向き合って話す気だったからもう解除してあるからなんかあったら連絡してよ。恋愛相談でも乗るわ。」
「あんたね~...数分前にあんたにフラれた女によくもまぁそんな言葉かけれるわ!でも...ありがとう、なんかあったらL◯NEさせてもらう!」
お互いに言いたい事をぶつけ合いスッキリしたように清々しい顔で教室を出ると別れ際に握手をしてから別々の廊下を歩いていった。松井は一度赤城の方を振り返ると軽い足取りで教室の方に向かう赤城を見て微笑んで小さな声で「ありがとう、尊。」と呟いた。
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