43 / 87
四
35話 兄貴たちとおれ
しおりを挟む
「......ねぇ...ちなみに聞くけど、花火って買ってあるの?」
千隼と新山、そして佐々木が千隼の部屋で映画を見ていた時、思い出したように千隼が二人に聞いた。すると新山と佐々木は口を揃えて「忘れてたわ。」と言った。
「やっぱりね。兄貴のことだから買うの忘れてると思ったし新山さんは持ってきてないの分かってたし。どうするの?」
肝心の花火を買い忘れていたことに気づいた二人がケラケラと笑うと千隼は呆れたように言った。
「まぁ赤城が買ってきてくれるべ。あいつはそう言うところわりかし気が利くからさ。買ってくるに賭けるしかないわ。」
当てずっぽに佐々木がそう言った時、玄関のチャイムが鳴り赤城が到着した。二階の廊下にあるインターホンから「勝手に入ってきてー。」と佐々木が言うと玄関の開く音がして赤城が家に入ってきた。
そして吹き抜けから顔を出した佐々木が名前を呼ぶと、それに気づいた赤城が上を見上げた。
「おー、上で何してんの?」
「弟の部屋で映画観てる!終わったら下行くわ!」
「あいよー。」
そんな軽い会話を交わすと赤城はリビングに入って行き佐々木はまた千隼の部屋に戻った。
その後数分して映画が終わると千隼たちは赤城のいるリビングに向かった。
ソファに座り携帯を弄る赤城に「お待たせ!」と佐々木が声をかけると赤城が三人の方を見た。
「あ、なんだ。新山も来てたのか。なら部屋行けば良かったわ。」
「なんで新山が居たら来るんだよ。俺だけでも来いよ。」
「いやいや、またそいつが居ない時に彼の部屋入ってまた当たり散らかされるのはまじで勘弁なんで。」
過去の失態を思い出し嫌そうに話す赤城を見て三人が揃って笑い声を上げると「全然笑えないわ。」と赤城が呆れながら言った。
ふとテーブルに目を移すとレジ袋が二つ置いてあり、そこの入っていた物を見て千隼が思わず声を出した。
「あ!えっ!やば...赤城先輩まじで......まじで神じゃん。」
千隼の言葉を聞いて新山と佐々木も千隼が指を刺した方を見るとそれを見た佐々木は赤城に駆け寄り肩を組み、新山は「でかした!」と拍手をした。
「...は?何?」
「お前...!お前のそう言うところ、まじで好きだわ!信じてたよ、頼みの綱のお前ならそいつを買ってきてくれるってな!」
「いや~まじで赤城だよなやっぱ。この前のその件に関しては不問に伏すわ!謝謝!」
そう言って花火の入った袋を手に取ると新山と佐々木は中身を見て嬉しそうにしていた。
「いや...まさかとは思うけど花火買い忘れてた感じ?」
「......そのまさからしいです。おれも今日聞いたら、二人揃って忘れてたって言ってて呆れて何も言えなかった。」
「やってんな。余ったら佐々木家でやるだろって思って多めに持ってきたけどマジでお前ら俺に感謝してほしいわ。ついでに、ば先で飲み物と菓子買ってきたことに関しても讃えろ。」
やっとまともな人を見つけ安心した千隼が「赤城先輩しか勝たんわ。」と言いそれを聞いていた新山が「赤城、地獄に堕ちろ。」と言うと、舌打ちをした後で赤城が「これ持って俺帰っていい?」と言ったのを聞きみんなして笑った。
「そういやBクラの飯会楽しみだわ。」
花火をしながら佐々木がそう言うと千隼が首を傾げた。
「あぁ、今度同じクラスの奴らと飯行くんだよ。俺と佐々木と赤城の他にあと三人参加するんだけど、それのこと佐々木言ってんだと思うよ。」
話を知らない千隼のために新山がそう説明すると「そう言うことか。」と納得したように言った。
「そういや赤城は彼女と花火とかしないの?俺らとはわりかし会ってるしバイトも結構入れてるっしょ。それで彼女と会う時間あんの?」
新山がそこはかとなく赤城に聞くと面倒臭そうに赤城は口を開いた。
「なんなら休み入った初日から泊まりしたし一緒に課題進めてるよ。他にも時間見つけてバイトのあと会いに行ったりしてるんでご心配なく。」
サラッとそう話した赤城を凝視した後、新山は「え、同じ学校の奴なの?」と聞いた。それに対して赤城が無反応でいると気を利かせた佐々木が「まぁまぁ、その話は今度詳しく詰めようぜ~!」と話を流して別の話題に変えた。
時刻は22時近くになり花火はお開きになった。近くまで送ると千隼が言うと新山と赤城は口を揃えて「君が来ると補導される。」と言ったのを聞き千隼は臍を曲げ頬を膨らした。そんな千隼の頬に新山はキスをすると不意打ちに驚いた千隼は顔を赤くした。
「また帰ったら連絡する。電話するからそれまでに風呂入ったりして待ってて。」
「......わかった。」
二人の世界に入りイチャイチャとする千隼と新山を哀れな目で見ていた佐々木と赤城が「痛々しいな。」と小声で話していると、千隼との話を終えた新山が二人の足を蹴った。
千隼は新山と赤城を玄関まで見送ると、先に中庭で花火の後始末をしていた佐々木のところへ向かった。
そして隣に座り込むと佐々木に聞いた。
「兄貴って赤城先輩の彼女のこと何か知ってるの?」
それを聞いた佐々木は少し考えた後で「うん。」とだけ答えた。その返答にあまり聞かない方がいいのだと悟った千隼はその後は何も聞くことはなく片付けを手伝った。
そして汗をかいたからと言って先に風呂に入りに行った兄貴が上がるのを待っている間にふと携帯に目を移すとそこにはあまり見たくなかった名前の主からのメッセージが来ていた。
「あれから話をできてなかったから最後にもう一度だけ話がしたい。会いたい。」
そう送ってきたのは前に付き合っていた元カノだった。あまりいい思い出のない拗らせタイプの相手だった。
千隼は、他人の恋人の詮索をしてる場合じゃなかったと反省しながら気が乗らないまま携帯を手に取りそのメッセージに連絡を返した。
しかしこの選択が後に大きな問題へと繋がっていってしまった。
千隼と新山、そして佐々木が千隼の部屋で映画を見ていた時、思い出したように千隼が二人に聞いた。すると新山と佐々木は口を揃えて「忘れてたわ。」と言った。
「やっぱりね。兄貴のことだから買うの忘れてると思ったし新山さんは持ってきてないの分かってたし。どうするの?」
肝心の花火を買い忘れていたことに気づいた二人がケラケラと笑うと千隼は呆れたように言った。
「まぁ赤城が買ってきてくれるべ。あいつはそう言うところわりかし気が利くからさ。買ってくるに賭けるしかないわ。」
当てずっぽに佐々木がそう言った時、玄関のチャイムが鳴り赤城が到着した。二階の廊下にあるインターホンから「勝手に入ってきてー。」と佐々木が言うと玄関の開く音がして赤城が家に入ってきた。
そして吹き抜けから顔を出した佐々木が名前を呼ぶと、それに気づいた赤城が上を見上げた。
「おー、上で何してんの?」
「弟の部屋で映画観てる!終わったら下行くわ!」
「あいよー。」
そんな軽い会話を交わすと赤城はリビングに入って行き佐々木はまた千隼の部屋に戻った。
その後数分して映画が終わると千隼たちは赤城のいるリビングに向かった。
ソファに座り携帯を弄る赤城に「お待たせ!」と佐々木が声をかけると赤城が三人の方を見た。
「あ、なんだ。新山も来てたのか。なら部屋行けば良かったわ。」
「なんで新山が居たら来るんだよ。俺だけでも来いよ。」
「いやいや、またそいつが居ない時に彼の部屋入ってまた当たり散らかされるのはまじで勘弁なんで。」
過去の失態を思い出し嫌そうに話す赤城を見て三人が揃って笑い声を上げると「全然笑えないわ。」と赤城が呆れながら言った。
ふとテーブルに目を移すとレジ袋が二つ置いてあり、そこの入っていた物を見て千隼が思わず声を出した。
「あ!えっ!やば...赤城先輩まじで......まじで神じゃん。」
千隼の言葉を聞いて新山と佐々木も千隼が指を刺した方を見るとそれを見た佐々木は赤城に駆け寄り肩を組み、新山は「でかした!」と拍手をした。
「...は?何?」
「お前...!お前のそう言うところ、まじで好きだわ!信じてたよ、頼みの綱のお前ならそいつを買ってきてくれるってな!」
「いや~まじで赤城だよなやっぱ。この前のその件に関しては不問に伏すわ!謝謝!」
そう言って花火の入った袋を手に取ると新山と佐々木は中身を見て嬉しそうにしていた。
「いや...まさかとは思うけど花火買い忘れてた感じ?」
「......そのまさからしいです。おれも今日聞いたら、二人揃って忘れてたって言ってて呆れて何も言えなかった。」
「やってんな。余ったら佐々木家でやるだろって思って多めに持ってきたけどマジでお前ら俺に感謝してほしいわ。ついでに、ば先で飲み物と菓子買ってきたことに関しても讃えろ。」
やっとまともな人を見つけ安心した千隼が「赤城先輩しか勝たんわ。」と言いそれを聞いていた新山が「赤城、地獄に堕ちろ。」と言うと、舌打ちをした後で赤城が「これ持って俺帰っていい?」と言ったのを聞きみんなして笑った。
「そういやBクラの飯会楽しみだわ。」
花火をしながら佐々木がそう言うと千隼が首を傾げた。
「あぁ、今度同じクラスの奴らと飯行くんだよ。俺と佐々木と赤城の他にあと三人参加するんだけど、それのこと佐々木言ってんだと思うよ。」
話を知らない千隼のために新山がそう説明すると「そう言うことか。」と納得したように言った。
「そういや赤城は彼女と花火とかしないの?俺らとはわりかし会ってるしバイトも結構入れてるっしょ。それで彼女と会う時間あんの?」
新山がそこはかとなく赤城に聞くと面倒臭そうに赤城は口を開いた。
「なんなら休み入った初日から泊まりしたし一緒に課題進めてるよ。他にも時間見つけてバイトのあと会いに行ったりしてるんでご心配なく。」
サラッとそう話した赤城を凝視した後、新山は「え、同じ学校の奴なの?」と聞いた。それに対して赤城が無反応でいると気を利かせた佐々木が「まぁまぁ、その話は今度詳しく詰めようぜ~!」と話を流して別の話題に変えた。
時刻は22時近くになり花火はお開きになった。近くまで送ると千隼が言うと新山と赤城は口を揃えて「君が来ると補導される。」と言ったのを聞き千隼は臍を曲げ頬を膨らした。そんな千隼の頬に新山はキスをすると不意打ちに驚いた千隼は顔を赤くした。
「また帰ったら連絡する。電話するからそれまでに風呂入ったりして待ってて。」
「......わかった。」
二人の世界に入りイチャイチャとする千隼と新山を哀れな目で見ていた佐々木と赤城が「痛々しいな。」と小声で話していると、千隼との話を終えた新山が二人の足を蹴った。
千隼は新山と赤城を玄関まで見送ると、先に中庭で花火の後始末をしていた佐々木のところへ向かった。
そして隣に座り込むと佐々木に聞いた。
「兄貴って赤城先輩の彼女のこと何か知ってるの?」
それを聞いた佐々木は少し考えた後で「うん。」とだけ答えた。その返答にあまり聞かない方がいいのだと悟った千隼はその後は何も聞くことはなく片付けを手伝った。
そして汗をかいたからと言って先に風呂に入りに行った兄貴が上がるのを待っている間にふと携帯に目を移すとそこにはあまり見たくなかった名前の主からのメッセージが来ていた。
「あれから話をできてなかったから最後にもう一度だけ話がしたい。会いたい。」
そう送ってきたのは前に付き合っていた元カノだった。あまりいい思い出のない拗らせタイプの相手だった。
千隼は、他人の恋人の詮索をしてる場合じゃなかったと反省しながら気が乗らないまま携帯を手に取りそのメッセージに連絡を返した。
しかしこの選択が後に大きな問題へと繋がっていってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話
須宮りんこ
BL
【あらすじ】
高校三年生の椿叶太には女子からモテまくりの幼なじみ・五十嵐青がいる。
二人は顔を合わせば絡む仲ではあるものの、叶太にとって青は生意気な幼なじみでしかない。
そんなある日、叶太は北村という一つ下の後輩・北村から告白される。
青いわく友達目線で見ても北村はいい奴らしい。しかも青とは違い、素直で礼儀正しい北村に叶太は好感を持つ。北村の希望もあって、まずは普通の先輩後輩として付き合いをはじめることに。
けれど叶太が北村に告白されたことを知った青の様子が、その日からおかしくなって――?
※本編完結済み。後日談連載中。
入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?
monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。
そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。
主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。
※今回の表紙はAI生成です
バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる
衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。
男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。
すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。
選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。
二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。
元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。
【完結】毎日きみに恋してる
藤吉めぐみ
BL
青春BLカップ1次選考通過しておりました!
応援ありがとうございました!
*******************
その日、澤下壱月は王子様に恋をした――
高校の頃、王子と異名をとっていた楽(がく)に恋した壱月(いづき)。
見ているだけでいいと思っていたのに、ちょっとしたきっかけから友人になり、大学進学と同時にルームメイトになる。
けれど、恋愛模様が派手な楽の傍で暮らすのは、あまりにも辛い。
けれど離れられない。傍にいたい。特別でありたい。たくさんの行きずりの一人にはなりたくない。けれど――
このまま親友でいるか、勇気を持つかで揺れる壱月の切ない同居ライフ。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
【完結】俺とあの人の青い春
月城雪華
BL
高校一年の夏、龍冴(りょうが)は二つ上の先輩である椰一(やいち)と付き合った。
けれど、告白してくれたにしては制限があまりに多過ぎると思っていた。
ぼんやりとした不信感を抱いていたある日、見知らぬ相手と椰一がキスをしている場面を目撃してしまう。
けれど友人らと話しているうちに、心のどこかで『椰一はずっと前から裏切っていた』と理解していた。
それでも悲しさで熱い雫が溢れてきて、ひと気のない物陰に座り込んで泣いていると、ふと目の前に影が差す。
「大丈夫か?」
涙に濡れた瞳で見上げると、月曜日の朝──その数日前にも件の二人を見掛け、書籍を落としたのだがわざわざ教室まで届けてくれたのだ──にも会った、一学年上の大和(やまと)という男だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる