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六
61話 友人たちの気遣いと八つ当たり
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ここ2、3日続けて昼休憩に席を外す新山を不審に思った佐々木が新山を問いただすとため息を交えながら新山は赤城の愚痴を吐いた。
それを聞いた佐々木は先日の弟の様子や赤城が宥めていたことを思い出し口を開いた。
「いやお前さー。喧嘩するんは勝手だけど赤城に八つ当たりすんのは違うわ。お前のこと下げることなくメソメソしてた弟の事面倒見てたぞあいつ。あんな聖人まじでそういねぇぞ。」
「...俺は別に千隼の事面倒みてくれなんてあいつに頼んでないしどう考えても人の恋人に無駄に接触してるあいつが悪いだろ。俺に何言われても仕方ない事してると思うけど?」
「うん、今のお前明らかに普通じゃねぇわ。ちょい頭冷やして冷静になれ。まじに赤城だから大事にしないだけで他のやつだったらお前縁切られててもおかしくない事言ってるしやってるよ。正直近くで見てる俺でさえ最近のお前の態度くそイラつくぜ?」
ガチトーンでそう言い放つと新山の返事を聞く事なく佐々木は屋上から出て行った。そんな佐々木の態度にイライラした新山がベンチを思いっきり蹴ると、ベンチは音を立てて横に倒れた。
「人の気も知らないで...まじでみんなうぜぇな。」
舌打ちをしながら独り言を漏らすと新山が売店で買ったパンの封を開けた。
「あー、おかえり。どこ行ってたん?」
屋上に行っていた佐々木がみんなの元に戻ると帰りが遅かった佐々木に赤城が聞いた。
「遅れてやってきた反抗期の僕ちゃんにお説教してきたわ。」
茶化しながらそう話した佐々木に「ぜってぇ新山じゃん。」と周りが馬鹿にしたように笑うと赤城はため息を吐いて小さな声で佐々木に言った。
「いや、まじで今はそっとしとこうぜ。時間経たないと多分彼、何言っても無理よ。まぁあの感じからして俺にイラついてるのは確かだから俺が接触しなきゃいいだけの話だしさ。」
周りが笑う中、一人だけ新山の心配をする赤城に佐々木は「お前まじでいい奴すぎるのも罪だぞ。」と赤城の肩を叩いた。
そんな佐々木に赤城は窓際の一角に座って話すクラスメイトたちの方を見て柔らかい口調で話した。
「俺多分新山と同じようなタイプだからさ。否が応でもあいつの気持ち分かるんだわ。...だからこそ今回の場合俺が仲介に入るのは避けたほうが良かったんだろうけど、君の弟暴走すると止まらないタチじゃん。誰か話聞いてやらないと変な方向に行っちゃうそうだったしそれで致し方なく話し相手したけど...まぁ先の先までよんで行動しなかった俺の失態でもあるからこの場合どっちもどっちってことでいいんじゃないっすかね。」
嫌な顔を一切見せずに当たり前のようにそう話した赤城を見て佐々木は窓際に目をやると「そう言うのは恋人の聞いてるところでやれよ。」と茶化した。
予鈴の鳴る少し前に屋上を出てトイレに寄った後で、教室に向かって歩いていると廊下で話をする女子たちの会話が耳に入った。
「ってことがあってさ~!!ほんと赤城くんいいよね!今まで接点なくて全然話した事なかったけどあんなことされたら誰でも好きになるし意識しちゃうって~!!」
「わかるわかるっ!それなのにあの見た目で彼女一筋なところがまた更にいい!!彼女もあんな彼氏自慢でしかないでしょ~。」
普段は友人たちと馬鹿みたいな話ばかりしているから聞こえてこなかった周りの生徒たちの会話が自然と入ってくる。そして意識しているからか、今一番聞きたくない人物の話題ばかりがまた耳に入る。
......みんな口開けば赤城赤城って。ガチでうぜぇな。あいつのどこがいいんだよ。ただの偽善者面した厄介者だろ。のうのうと人の恋愛に首突っ込みやがって。
そんなことを思いながらむしゃくしゃして左手に力を入れると、持っていたペットボトルの一部がへこんだ。
晴れない気持ちでダラダラと歩いていると後ろから「新山くん?」と声をかけられた。
振り返るとそこには同じクラスの芦野くんが立っていて、俺のことを見ると心配そうに近づいてきた。
そして彼はいきなり新山の手を掴むと、そのまま通りにあった生徒指導室に新山を連れ込んだ。
「......えーっとー...。芦野くん......これどう言う状況...?」
静まり返った部屋の中で新山にそう聞かれると、芦野はなんと言い出そうか悩んでいる様子を見せた。そんな芦野を見ると不覚にもクスッと笑みを浮かべ、新山は中にあった椅子に腰掛けた。
「あれから赤城とは順調?」
自分でも驚いた。先ほどまであれほど聞きたくないと思っていた名前を自らあげている自分に度肝を抜かれているようだった。
「あ...うん!その節は本当に...大変よく迷惑をお掛けしました。」
「それ、大変よくできましたのくだりのやつな?迷惑に持っていくのはポイントたけぇわ。いやまぁ仲直りできたならよかったよ、ちゃんと話し合えてえらいえらい。」
いつもの千隼に言っている癖で子供扱いをするように芦野に言ってしまった手前、新山は焦って「ごめん、めっちゃ素で話してたわ。」と言葉を続けた。
「え、全然!!褒めてくれてありがとう!あ...えっとそれでねっ......僕が聞きたかったのは新山くんと新山くんの恋人さんのことなんだけど...。」
その言葉を聞いた途端、内心「またか。」と感じた新山はすぐに表情を変え俯いた。今度は何を言われるのかと重い気持ちでいると芦野は下を向いた新山の目の前にしゃがみ込み悲しい顔で話した。
「えっと...大丈夫...?この間その...赤城から連絡が来て。ちょっと色々とあって心配だから新山くんの恋人と一緒に佐々木くんの家向かってるって聞いて。だから何かあったのかなって思って...正直僕が聞いていいものかすごい悩んでた。」
自信なさげに小さな声でそう話した芦野の方に顔を向けると新山は「赤城から聞いてないの?」と探りをいれるように言った。
「うん...ごめんなさい。心配すぎてその時つい何があったのかとは聞いちゃったの。でも赤城から本人たちの問題だから自分が勝手にベラベラ他に漏らせないって言われて。勝手に心配してた僕に気使って解決したっぽかったらその時は報告するって言ってくれて。でもなかなか言われないから大丈夫かなって思って聞いたの。お節介だった...かな、ごめん。」
その言葉を聞いて俺はここ数日の自分の行動、赤城への態度が如何に愚かだったかを思い知らされた。そしてその事を気づかせてくれたかれにもまたここまで気を使わせてしまっていたことに反省した。
「あー...実はちょいまだ色々あって和解とまでは確かにいけてないけど大丈夫だよ。俺らの場合わりとちょくちょくこういう絡れあるし毎度毎度芦野くんの彼氏くんに手焼かせちゃって悪いね。俺らのせいで迷惑してない?」
その新山の問いかけに芦野は首を横に振った。
「全然!僕たちは大丈夫!!......僕ね、佐々木くんの弟くんが新山くんの恋人さんだって知らなくて...それである時嫉妬で自分でもびっくりするくらい溢れかえっちゃって言いたいこと全部言って赤城のこと困らせたんだ。それなのに丸ごと受け入れてくれて...おかげで今があるの。だから...ん?だからって変か、な。今の僕はまだ心に余裕があるから、もし何か力になれることがあったらいつでもお話し聞くからね!」
芦野の話を聞いた新山は、大きく息を吐いたあと乾いた笑いを上げた。
「...新山くん?」
「あ...あぁ。うん、ありがとう。まじで本当に。芦野くんと...まぁ一応。赤城のおかげでやっと目が覚めたし前に進めそう。俺もちゃんと恋人と向かい合ってみるよ。」
そう言って新山はスッと立ち上がりと芦野の頭をポンッと撫でて部屋のドアを開けた。そして部屋を出ていく直前に一度後ろを振り返った。
「あ、そうそう。赤城伝えておいて。優しすぎるのも罪だぞって。」
その話す新山の顔は明るく綺麗な表情を飾っていた。その顔つきを見た芦野は安心したように笑うと「うん!」と返事をして先に出て行った新山のことを後ろから見届けた。
何が何だかわからなかったけれど、最終的に笑ってくれた新山のことを思い出しるんるんで部屋を出た芦野が廊下を歩き出すと後ろから誰かに肩を掴まれ引き寄せられた。
「...っ!?あ、赤城っ!」
「さっき同じ部屋から新山出てきたけど。何、密会っすか?」
不貞腐れたようにそう言った赤城の頬をつねると芦野は優しく微笑んで新山から預かっていた伝言を赤城に伝えた。それを聞いた赤城もまた納得したようにクスッと笑うと「よかったよかった。」と言い周りに誰もいないことを確認した後で芦野の手に指を絡めた。
それを聞いた佐々木は先日の弟の様子や赤城が宥めていたことを思い出し口を開いた。
「いやお前さー。喧嘩するんは勝手だけど赤城に八つ当たりすんのは違うわ。お前のこと下げることなくメソメソしてた弟の事面倒見てたぞあいつ。あんな聖人まじでそういねぇぞ。」
「...俺は別に千隼の事面倒みてくれなんてあいつに頼んでないしどう考えても人の恋人に無駄に接触してるあいつが悪いだろ。俺に何言われても仕方ない事してると思うけど?」
「うん、今のお前明らかに普通じゃねぇわ。ちょい頭冷やして冷静になれ。まじに赤城だから大事にしないだけで他のやつだったらお前縁切られててもおかしくない事言ってるしやってるよ。正直近くで見てる俺でさえ最近のお前の態度くそイラつくぜ?」
ガチトーンでそう言い放つと新山の返事を聞く事なく佐々木は屋上から出て行った。そんな佐々木の態度にイライラした新山がベンチを思いっきり蹴ると、ベンチは音を立てて横に倒れた。
「人の気も知らないで...まじでみんなうぜぇな。」
舌打ちをしながら独り言を漏らすと新山が売店で買ったパンの封を開けた。
「あー、おかえり。どこ行ってたん?」
屋上に行っていた佐々木がみんなの元に戻ると帰りが遅かった佐々木に赤城が聞いた。
「遅れてやってきた反抗期の僕ちゃんにお説教してきたわ。」
茶化しながらそう話した佐々木に「ぜってぇ新山じゃん。」と周りが馬鹿にしたように笑うと赤城はため息を吐いて小さな声で佐々木に言った。
「いや、まじで今はそっとしとこうぜ。時間経たないと多分彼、何言っても無理よ。まぁあの感じからして俺にイラついてるのは確かだから俺が接触しなきゃいいだけの話だしさ。」
周りが笑う中、一人だけ新山の心配をする赤城に佐々木は「お前まじでいい奴すぎるのも罪だぞ。」と赤城の肩を叩いた。
そんな佐々木に赤城は窓際の一角に座って話すクラスメイトたちの方を見て柔らかい口調で話した。
「俺多分新山と同じようなタイプだからさ。否が応でもあいつの気持ち分かるんだわ。...だからこそ今回の場合俺が仲介に入るのは避けたほうが良かったんだろうけど、君の弟暴走すると止まらないタチじゃん。誰か話聞いてやらないと変な方向に行っちゃうそうだったしそれで致し方なく話し相手したけど...まぁ先の先までよんで行動しなかった俺の失態でもあるからこの場合どっちもどっちってことでいいんじゃないっすかね。」
嫌な顔を一切見せずに当たり前のようにそう話した赤城を見て佐々木は窓際に目をやると「そう言うのは恋人の聞いてるところでやれよ。」と茶化した。
予鈴の鳴る少し前に屋上を出てトイレに寄った後で、教室に向かって歩いていると廊下で話をする女子たちの会話が耳に入った。
「ってことがあってさ~!!ほんと赤城くんいいよね!今まで接点なくて全然話した事なかったけどあんなことされたら誰でも好きになるし意識しちゃうって~!!」
「わかるわかるっ!それなのにあの見た目で彼女一筋なところがまた更にいい!!彼女もあんな彼氏自慢でしかないでしょ~。」
普段は友人たちと馬鹿みたいな話ばかりしているから聞こえてこなかった周りの生徒たちの会話が自然と入ってくる。そして意識しているからか、今一番聞きたくない人物の話題ばかりがまた耳に入る。
......みんな口開けば赤城赤城って。ガチでうぜぇな。あいつのどこがいいんだよ。ただの偽善者面した厄介者だろ。のうのうと人の恋愛に首突っ込みやがって。
そんなことを思いながらむしゃくしゃして左手に力を入れると、持っていたペットボトルの一部がへこんだ。
晴れない気持ちでダラダラと歩いていると後ろから「新山くん?」と声をかけられた。
振り返るとそこには同じクラスの芦野くんが立っていて、俺のことを見ると心配そうに近づいてきた。
そして彼はいきなり新山の手を掴むと、そのまま通りにあった生徒指導室に新山を連れ込んだ。
「......えーっとー...。芦野くん......これどう言う状況...?」
静まり返った部屋の中で新山にそう聞かれると、芦野はなんと言い出そうか悩んでいる様子を見せた。そんな芦野を見ると不覚にもクスッと笑みを浮かべ、新山は中にあった椅子に腰掛けた。
「あれから赤城とは順調?」
自分でも驚いた。先ほどまであれほど聞きたくないと思っていた名前を自らあげている自分に度肝を抜かれているようだった。
「あ...うん!その節は本当に...大変よく迷惑をお掛けしました。」
「それ、大変よくできましたのくだりのやつな?迷惑に持っていくのはポイントたけぇわ。いやまぁ仲直りできたならよかったよ、ちゃんと話し合えてえらいえらい。」
いつもの千隼に言っている癖で子供扱いをするように芦野に言ってしまった手前、新山は焦って「ごめん、めっちゃ素で話してたわ。」と言葉を続けた。
「え、全然!!褒めてくれてありがとう!あ...えっとそれでねっ......僕が聞きたかったのは新山くんと新山くんの恋人さんのことなんだけど...。」
その言葉を聞いた途端、内心「またか。」と感じた新山はすぐに表情を変え俯いた。今度は何を言われるのかと重い気持ちでいると芦野は下を向いた新山の目の前にしゃがみ込み悲しい顔で話した。
「えっと...大丈夫...?この間その...赤城から連絡が来て。ちょっと色々とあって心配だから新山くんの恋人と一緒に佐々木くんの家向かってるって聞いて。だから何かあったのかなって思って...正直僕が聞いていいものかすごい悩んでた。」
自信なさげに小さな声でそう話した芦野の方に顔を向けると新山は「赤城から聞いてないの?」と探りをいれるように言った。
「うん...ごめんなさい。心配すぎてその時つい何があったのかとは聞いちゃったの。でも赤城から本人たちの問題だから自分が勝手にベラベラ他に漏らせないって言われて。勝手に心配してた僕に気使って解決したっぽかったらその時は報告するって言ってくれて。でもなかなか言われないから大丈夫かなって思って聞いたの。お節介だった...かな、ごめん。」
その言葉を聞いて俺はここ数日の自分の行動、赤城への態度が如何に愚かだったかを思い知らされた。そしてその事を気づかせてくれたかれにもまたここまで気を使わせてしまっていたことに反省した。
「あー...実はちょいまだ色々あって和解とまでは確かにいけてないけど大丈夫だよ。俺らの場合わりとちょくちょくこういう絡れあるし毎度毎度芦野くんの彼氏くんに手焼かせちゃって悪いね。俺らのせいで迷惑してない?」
その新山の問いかけに芦野は首を横に振った。
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芦野の話を聞いた新山は、大きく息を吐いたあと乾いた笑いを上げた。
「...新山くん?」
「あ...あぁ。うん、ありがとう。まじで本当に。芦野くんと...まぁ一応。赤城のおかげでやっと目が覚めたし前に進めそう。俺もちゃんと恋人と向かい合ってみるよ。」
そう言って新山はスッと立ち上がりと芦野の頭をポンッと撫でて部屋のドアを開けた。そして部屋を出ていく直前に一度後ろを振り返った。
「あ、そうそう。赤城伝えておいて。優しすぎるのも罪だぞって。」
その話す新山の顔は明るく綺麗な表情を飾っていた。その顔つきを見た芦野は安心したように笑うと「うん!」と返事をして先に出て行った新山のことを後ろから見届けた。
何が何だかわからなかったけれど、最終的に笑ってくれた新山のことを思い出しるんるんで部屋を出た芦野が廊下を歩き出すと後ろから誰かに肩を掴まれ引き寄せられた。
「...っ!?あ、赤城っ!」
「さっき同じ部屋から新山出てきたけど。何、密会っすか?」
不貞腐れたようにそう言った赤城の頬をつねると芦野は優しく微笑んで新山から預かっていた伝言を赤城に伝えた。それを聞いた赤城もまた納得したようにクスッと笑うと「よかったよかった。」と言い周りに誰もいないことを確認した後で芦野の手に指を絡めた。
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