13 / 87
一
10.5話 おれの作戦会議
しおりを挟む
千隼は深刻な面持ちで机に突っ伏した。
「は?...こいつどーした?」
「あー、なんか彼氏くんから突然、話したいことがあるってL◯NE来たんだって~。」
「ほーん?運命の再会にしては随分と早い終わりだな。」
「内田うるさい、別にフラれるって決まったわけじゃないし。」
キレ口調で千隼が返すと、有馬が千隼の頭を撫でた。
「でもお前、彼の手思いっきし振り払っちゃったって言ってたじゃん。そう言うのも理由の一つで、積もりに積もって感じたことでもあったんじゃない?」
「......何も言い返せないわ。」
心あたりがありすぎて困る。いやそもそも頑張ってこのクソみたいな自分の性格を新山さんの前では隠してるつもりだったけど元の性格上、滲み出るものはあったと思うし何よりあの優しい性格の新山さんの元に落ちるとどうも感情のコントロールができなくなる。恋愛にこんな苦戦したことはなかったしいつも相手がガツガツ来ていたから新山さんみたく下手に来る人の扱いが非常に難しい。
「これってさ、もしフラれたとしてもやだって言ったらうざいと思われるのかね。」
ぽろっと千隼の口から出た言葉に二人は驚いて会話を止めてこっちを見た。
「え~!別れたくないって言ってるちーちゃん可愛すぎじゃない~!?」
「お前...マジどーした?今更可愛い子ちゃんキャラは痛いて。」
「いやいや、キャラとか関係ないし普通に相談だったんだけど。」
新山からきたメッセージを何度もゆっくり読み返す千隼を見て有馬は明るい顔つきで話しかけた。
「ん~、なしではないんじゃない?むしろそんだけちーちゃんが本気なら聞いてる限り向こうも折れてくれそうじゃん。」
「有馬、お前はまじで心の友だわ。今度自販機奢ってやる。その作戦試すわ...とりあえずちょい一人になって作戦会議したいからトイレ行ってくる。」
そう言って立ち上がると千隼は走ってトイレに向かった。残された有馬は千隼ヒラヒラと手を振ると、自分の席に座った。
「なぁ、お前ってさ。千隼にそんな懐いてるけど実際あいつに対してってlikeなの?それともlove?」
不思議そうに聞いてくる内田に有馬は中庭で告白されてされている、校内で有名な一学年上の先輩のことを流し見ながら口を開いた。
「ちーちゃんのことは好きだよ、もちろんラヴの方でね。でも別に付き合いたいとは思ってないよ~。元々俺は負け確のことはしない主義だしね?でもまぁ俺みたいに元から恋愛対象が同性のやつは、元はそうじゃなかった奴同士がくっつくなんて羨ましい限りだよ。どんだけ頑張っても無理なものは無理って時もあるんだからさ。」
よくわからない話をされ首を傾げる内田を見て有馬は悪戯に笑った。
結局、全然いい案が思いつかないまま放課後を迎えてしまった。新山さんには「わかった。」と返事を返してはみたものの、全くもっておれはわかっていない...いやだってそうじゃん。今まで成り行きで付き合っては別れてを繰り返してきたし何よりおれはまだ......。
「千隼くん。」
内田と有馬と一緒に昇降口に降りて靴を履き替えそのまま校門まできた時、おれは声をかけられた。
「え、あっ...新山さん。なんでここに......?」
「早く千隼くんに会いたかったから迎えきちゃった。でも友達と一緒だったか、ごめんごめん。邪魔しちゃ悪いし、先家で待ってよっか?」
この前のことを気にしてか、いつもよりも距離を取って話をする新山さんに心を痛めた。そして隣に立つ二人に目配せをするとおれは新山さんの手を取った。
「あっ、えっと。これ...おれの友達の内田と有馬......。でね、二人とはいつでも話せるからおれは新山さんと帰りたい...かも。」
「嬉しいありがと。あー、内田くんと有馬くんもごめんね急に押しかけて。また今度ゆっくり話でもさせてくれると嬉しいかな。...じゃ。千隼くん、行こっか。」
そう言って新山は千隼に掴まれた腕を掴み返すとそのまま手を引いて連れて帰っていった。
そんな新山を見て呆気に取られていると周りの女子たちがザワザワしていた。
「今のって上城高校の新山先輩でしょ!?めっちゃかっこいいよね!有名なだけあって実物も存在感えぐすぎ~!」
「ね!わかるわかる!周り赤城先輩とか佐々木先輩派多いけど、私は断然新山先輩。クールそうなのにあんな優しいの反則だよね~!クラスの子が電車で見かけて連絡先聞いたら、教えてくれたらしいよ!しかも返信遅いけどごめんってフォローまでされたらしい!紳士すぎ!!あ~、あんな王子と付き合いたい~!」
大きな子で話す女子たちの会話を聞いて内田と有馬は顔を見合わせ苦笑いした。
「...王子カップル爆誕ってこと?」
「いや~、ちーちゃんは王子と言うより姫でしょ。それにさ、さっき見てて思ったけど...。」
言葉を濁して考え込む有馬を見て笑って内田が有馬の背中を叩いた。
「んなんな!俺も思ったわ。...あの反応をどっからどう見たら別れ話に勘違いするんだか、な。」
口を揃えて呆れたようにため息を吐くと、二人は「俺らも帰ろうぜ。」と言って足を進めた。
「千隼くんって学校でも本当にモテるんだね。」
「え、なんで。全然だけど...。」
「さっき学校の前で話してる時めっちゃ注目されてたじゃん。そんなにモテると心配だな~...。」
千隼は驚いた表情をした後急いで弁解をした。
「いやいや、あれ全員おれじゃなくて新山さん見てたんだよ。新山さんおれの学校で格好いいって有名なの。」
「へぇー...、じゃあ千隼くんは?俺のこと格好いいって思ってくれてる?」
突然の質問に千隼が顔を赤くするとそれを見た新山が「ごめん、冗談!調子乗りました。」と急いで話を続けた。
「うん...格好いいと、思う。」
小さな声でそう呟いた千隼に、新山は口を開けたままじっと千隼を見つめた。
「な...に?だから格好いいって言ったの。...なんか言ってよ。」
「いや嬉しすぎて一瞬思考回路が停止してた。なになに今日あまあまで可愛いね。」
新山さんは笑っておれにそう言った。
電車に乗り込み隣に座った新山さんの肩にもたれかかると、おれは恐る恐る口を開いた。
「新山さんっておれと別れたいと思ってる?」
「は?...こいつどーした?」
「あー、なんか彼氏くんから突然、話したいことがあるってL◯NE来たんだって~。」
「ほーん?運命の再会にしては随分と早い終わりだな。」
「内田うるさい、別にフラれるって決まったわけじゃないし。」
キレ口調で千隼が返すと、有馬が千隼の頭を撫でた。
「でもお前、彼の手思いっきし振り払っちゃったって言ってたじゃん。そう言うのも理由の一つで、積もりに積もって感じたことでもあったんじゃない?」
「......何も言い返せないわ。」
心あたりがありすぎて困る。いやそもそも頑張ってこのクソみたいな自分の性格を新山さんの前では隠してるつもりだったけど元の性格上、滲み出るものはあったと思うし何よりあの優しい性格の新山さんの元に落ちるとどうも感情のコントロールができなくなる。恋愛にこんな苦戦したことはなかったしいつも相手がガツガツ来ていたから新山さんみたく下手に来る人の扱いが非常に難しい。
「これってさ、もしフラれたとしてもやだって言ったらうざいと思われるのかね。」
ぽろっと千隼の口から出た言葉に二人は驚いて会話を止めてこっちを見た。
「え~!別れたくないって言ってるちーちゃん可愛すぎじゃない~!?」
「お前...マジどーした?今更可愛い子ちゃんキャラは痛いて。」
「いやいや、キャラとか関係ないし普通に相談だったんだけど。」
新山からきたメッセージを何度もゆっくり読み返す千隼を見て有馬は明るい顔つきで話しかけた。
「ん~、なしではないんじゃない?むしろそんだけちーちゃんが本気なら聞いてる限り向こうも折れてくれそうじゃん。」
「有馬、お前はまじで心の友だわ。今度自販機奢ってやる。その作戦試すわ...とりあえずちょい一人になって作戦会議したいからトイレ行ってくる。」
そう言って立ち上がると千隼は走ってトイレに向かった。残された有馬は千隼ヒラヒラと手を振ると、自分の席に座った。
「なぁ、お前ってさ。千隼にそんな懐いてるけど実際あいつに対してってlikeなの?それともlove?」
不思議そうに聞いてくる内田に有馬は中庭で告白されてされている、校内で有名な一学年上の先輩のことを流し見ながら口を開いた。
「ちーちゃんのことは好きだよ、もちろんラヴの方でね。でも別に付き合いたいとは思ってないよ~。元々俺は負け確のことはしない主義だしね?でもまぁ俺みたいに元から恋愛対象が同性のやつは、元はそうじゃなかった奴同士がくっつくなんて羨ましい限りだよ。どんだけ頑張っても無理なものは無理って時もあるんだからさ。」
よくわからない話をされ首を傾げる内田を見て有馬は悪戯に笑った。
結局、全然いい案が思いつかないまま放課後を迎えてしまった。新山さんには「わかった。」と返事を返してはみたものの、全くもっておれはわかっていない...いやだってそうじゃん。今まで成り行きで付き合っては別れてを繰り返してきたし何よりおれはまだ......。
「千隼くん。」
内田と有馬と一緒に昇降口に降りて靴を履き替えそのまま校門まできた時、おれは声をかけられた。
「え、あっ...新山さん。なんでここに......?」
「早く千隼くんに会いたかったから迎えきちゃった。でも友達と一緒だったか、ごめんごめん。邪魔しちゃ悪いし、先家で待ってよっか?」
この前のことを気にしてか、いつもよりも距離を取って話をする新山さんに心を痛めた。そして隣に立つ二人に目配せをするとおれは新山さんの手を取った。
「あっ、えっと。これ...おれの友達の内田と有馬......。でね、二人とはいつでも話せるからおれは新山さんと帰りたい...かも。」
「嬉しいありがと。あー、内田くんと有馬くんもごめんね急に押しかけて。また今度ゆっくり話でもさせてくれると嬉しいかな。...じゃ。千隼くん、行こっか。」
そう言って新山は千隼に掴まれた腕を掴み返すとそのまま手を引いて連れて帰っていった。
そんな新山を見て呆気に取られていると周りの女子たちがザワザワしていた。
「今のって上城高校の新山先輩でしょ!?めっちゃかっこいいよね!有名なだけあって実物も存在感えぐすぎ~!」
「ね!わかるわかる!周り赤城先輩とか佐々木先輩派多いけど、私は断然新山先輩。クールそうなのにあんな優しいの反則だよね~!クラスの子が電車で見かけて連絡先聞いたら、教えてくれたらしいよ!しかも返信遅いけどごめんってフォローまでされたらしい!紳士すぎ!!あ~、あんな王子と付き合いたい~!」
大きな子で話す女子たちの会話を聞いて内田と有馬は顔を見合わせ苦笑いした。
「...王子カップル爆誕ってこと?」
「いや~、ちーちゃんは王子と言うより姫でしょ。それにさ、さっき見てて思ったけど...。」
言葉を濁して考え込む有馬を見て笑って内田が有馬の背中を叩いた。
「んなんな!俺も思ったわ。...あの反応をどっからどう見たら別れ話に勘違いするんだか、な。」
口を揃えて呆れたようにため息を吐くと、二人は「俺らも帰ろうぜ。」と言って足を進めた。
「千隼くんって学校でも本当にモテるんだね。」
「え、なんで。全然だけど...。」
「さっき学校の前で話してる時めっちゃ注目されてたじゃん。そんなにモテると心配だな~...。」
千隼は驚いた表情をした後急いで弁解をした。
「いやいや、あれ全員おれじゃなくて新山さん見てたんだよ。新山さんおれの学校で格好いいって有名なの。」
「へぇー...、じゃあ千隼くんは?俺のこと格好いいって思ってくれてる?」
突然の質問に千隼が顔を赤くするとそれを見た新山が「ごめん、冗談!調子乗りました。」と急いで話を続けた。
「うん...格好いいと、思う。」
小さな声でそう呟いた千隼に、新山は口を開けたままじっと千隼を見つめた。
「な...に?だから格好いいって言ったの。...なんか言ってよ。」
「いや嬉しすぎて一瞬思考回路が停止してた。なになに今日あまあまで可愛いね。」
新山さんは笑っておれにそう言った。
電車に乗り込み隣に座った新山さんの肩にもたれかかると、おれは恐る恐る口を開いた。
「新山さんっておれと別れたいと思ってる?」
1
あなたにおすすめの小説
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話
須宮りんこ
BL
【あらすじ】
高校三年生の椿叶太には女子からモテまくりの幼なじみ・五十嵐青がいる。
二人は顔を合わせば絡む仲ではあるものの、叶太にとって青は生意気な幼なじみでしかない。
そんなある日、叶太は北村という一つ下の後輩・北村から告白される。
青いわく友達目線で見ても北村はいい奴らしい。しかも青とは違い、素直で礼儀正しい北村に叶太は好感を持つ。北村の希望もあって、まずは普通の先輩後輩として付き合いをはじめることに。
けれど叶太が北村に告白されたことを知った青の様子が、その日からおかしくなって――?
※本編完結済み。後日談連載中。
入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?
monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。
そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。
主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。
※今回の表紙はAI生成です
バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる
衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。
男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。
すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。
選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。
二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。
元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。
【完結】毎日きみに恋してる
藤吉めぐみ
BL
青春BLカップ1次選考通過しておりました!
応援ありがとうございました!
*******************
その日、澤下壱月は王子様に恋をした――
高校の頃、王子と異名をとっていた楽(がく)に恋した壱月(いづき)。
見ているだけでいいと思っていたのに、ちょっとしたきっかけから友人になり、大学進学と同時にルームメイトになる。
けれど、恋愛模様が派手な楽の傍で暮らすのは、あまりにも辛い。
けれど離れられない。傍にいたい。特別でありたい。たくさんの行きずりの一人にはなりたくない。けれど――
このまま親友でいるか、勇気を持つかで揺れる壱月の切ない同居ライフ。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
天の求婚
紅林
BL
太平天帝国では5年ほど前から第一天子と第二天子によって帝位継承争いが勃発していた。
主人公、新田大貴子爵は第二天子派として広く活動していた亡き父の跡を継いで一年前に子爵家を継いだ。しかし、フィラデルフィア合衆国との講和条約を取り付けた第一天子の功績が認められ次期帝位継承者は第一天子となり、派閥争いに負けた第二天子派は継承順位を下げられ、それに付き従った者の中には爵位剥奪のうえ、帝都江流波から追放された華族もいた
そして大貴もその例に漏れず、邸宅にて謹慎を申し付けられ現在は華族用の豪華な護送車で大天族の居城へと向かっていた
即位したての政権が安定していない君主と没落寸前の血筋だけは立派な純血華族の複雑な結婚事情を描いた物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる