婚約破棄されたら王太子がストーカーになりました

6◆カイル視点

ロビン様がユリウス様の朝に会いに行った次の日。

「ユリウス・レオナルド、私と婚約してください！」

「はい、お受けします」

ロビン様はユリウス様に婚約の申し込みを再びしていた。

綺麗な花束をユリウス様に差し出して、ユリウス様に真剣な眼差しでだ。

ユリウス様は笑顔で婚約を受け入れてくれて、花束を受け取った。

その後のロビン様が勝利の雄叫びを上げていたのは言うまでもないだろう。

ロビン様、良かったですね！

俺は貴方が幸せだと萌えるから嬉しいですよ！

俺は、心の底から二人を祝福していた。



あれから、一週間ほど過ぎた。

結果から言おう。
ロビン様のストーカーに磨きがかかった。

世の中には写真という物が撮れる魔導具があるんだが………俺の任務に、ユリウス様の写真を撮るという内容が追加された。

隠し撮りというやつだ。

ちなみに、ロビン様もユリウス様を撮っている。

こっちはユリウス様に撮る許可をもらっているカメラ目線の写真だ。

どちらの写真も大切に部屋の壁に貼ってある。

最初は数も少なかったんだが………今は部屋の壁が写真で埋め尽くされている。

………ロビン様の部屋…広いのにだ。

ちなみに、はじめてユリウス様がロビン様の部屋に招かれた日………。

「ひぃっ！？………あ、写真か。すごい量ですね」

驚いたのは最初だけ。

さすがはユリウス様だ。

ロビン様の愛を理解できるんですね！

………たぶん、他の人なら青ざめるか逃げるだろうな………。


あと、ロビン様がユリウス様に頼み込んで衣類を物々交換している。

ロビン様が頼み込んでまでして欲しい物………それは、ユリウス様の脱ぎたての衣類だ。

脱ぎたての服も、ズボンも、靴下も、下着も………ヨダレが出るほど欲しかったらしい。

それで、まったく同じ物(新品)と脱ぎたてを物々交換しているようだ。

………そのうち、脱ぎたての靴とかも欲しがったりしてな！

なんて、どうやら俺はこの時にフラグを立ててしまったようだ。

後日、本当にロビン様は靴まで物々交換していたから………。