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「…さん?」
誰かが僕を呼んでる
「月村さん!」
ハッと目を覚ますと夏月さんが僕を覗き込みながら肩を揺らしていた。
僕は飛び起き
「うわ!すいません!寝てました!」
夏月さんは苦笑しながら
「こんな処で寝ると風邪をひきますよ?ちゃんとベッドで寝て下さい」
そう言われ窓から外を見ると、いつの間にか辺りは暗くなっていた。
「!…すいません、もう帰りますので…」
焦りながら言うと夏月さんは困った顔で壁の時計を見て
「たぶん…もうバス無いと思いますよ?」
「え!」
僕もつられて時計を見ると8時を回っていた。
そうだった…ここは田舎だから、こんな時間じゃバスはもう終わっている…でもそこまで遅い時間でも無かったから
「タクシー呼んで…」
僕の言葉に更に言い辛そうに
「…タクシーもこんな辺鄙だと呼んでも来てくれませんよ?でしたら、もう今日は泊まった方がいいと思いますよ?」
夏月さんに言われ僕は思わず喜んだ。
ここは友達も岩崎さえも知らない場所だからゆっくり出来るかもしれないと
「でも…いいんですか?」
「はい、大丈夫ですよ、ただお泊まり出来るのはこの部屋のみでお願いします。施設の中は他の方も居るので勝手に出歩いたりするのは許可できませんが、それでよければ?」
夏月さんの言葉に僕は頭を下げ
「あの、ありがとうございます!」
夏月さんは頷き
「それで、ご飯はどうしますか?」
そう言えば、そんな時間かと
「大丈夫です。ここに来る前にコンビニで軽く食べたのでお腹は空いてないです。」
「そうですか、航君は一度寝てしまうと、朝迄起きませんし、無理に起こすと大変なのでこのままにしておきましょうか。それでは私は施設の戸締まりをしますので、これで失礼しますね。」
咄嗟に
「僕もお手伝いしましょうか?」
聞くと夏月さんは首を振り
「いいえ大丈夫ですよ。これは私の仕事なので、それでは失礼します」
そう言うと部屋から出て行ってしまった。
僕はため息をつき、寝室で寝ている航の様子を伺い
「良く寝てる」
そしてしばらく航の寝顔を見て音を立てないように寝室を出た。
そして自分も寝ようと大きいソファに横になり目を瞑った。
翌朝ドアをノックする音で目が覚めた。
ソファで伸びをして起き上がりドアを開けると夏月さんが
「おはようございます。」
僕は慌てて
「おはようございます。昨日は泊めていただいてありがとうございます。」
頭を下げると夏月さんは
「大丈夫ですよ、大分お疲れの様子でしたし、良く眠れましたか?」
頷き
「はい」
「それは良かったです。処で朝食の用意が出来てますので航君と一緒に食堂に入らして下さい」
僕は戸惑いながら
「あの、僕も一緒でいいんですか?」
「はい?大丈夫ですよ?他の方達はもう朝食は済んでいますし?」
夏月さんの言葉に時計を見ると時刻は8時を過ぎた辺りだった。
僕は成る程と頷き
「分かりました。じゃ準備して航と一緒に行きますんで」
言うと夏月さんは宜しくお願いしますと部屋から出て行った。
僕は航を起こそうと寝室に行くと航はまだ寝ていた。
僕は航を揺り動かし
「航?おはよう。起きてご飯一緒に食べよう」
航はゆっくりと目を開けて僕を見て嬉しそうに
「あー!」
しゃべりながら僕に抱きついて来た。
「うわ!航おはよう」
僕は航を抱っこしたままベッドから下ろし服を着替えさせ、洗面所で歯と顔を洗い身なりを整え航と手を繋ぎ食堂に向かった。途中何度か別荘と同じ造りの為…変な既視感があったが深く考えないようにしながら航と一緒に階段を降りた。
食堂に着くとテーブルの上に僕達の分の調子が用意れていた。
僕はふと
「そう言えば園長はどちらに?」
僕の言葉に夏月さんは無表情で
「あの方は滅多に、こちらにはお見えにはなりません、ですが呼べば来ますが…呼びますか?」
僕は咄嗟に首を振り
「いえ、大丈夫です。いつも来る時園長がいるからてっきり園長は此処に住んでるかと思ってたんで」
僕が夏月さんに言うと苦笑いしつつ
「この施設にいつも居るのは私一人だけです。ところで月村さんは、この後どうしますか?」
聞かれてハッとした。
僕は
「朝食食べたら帰ります。」
言うと夏月さんはポツリと
「…そうですか、分かりました。」
すると、ポケットからスマホが鳴った。
岩崎だろうかと恐る恐る見ると、久々の山中教授からのメールだった。
メールには
「中々大変そうだけど、大丈夫かな?良かったら相談にのるよ?」
僕は咄嗟にメールで
「今日そっちに行ってもいいですか?相談したい事が」
返すと山中教授から直ぐに返信が来た。
「良いですよ?」
その言葉に僕が立ち上がると夏月さんが穏やかに
「おかわりはいかがですか?」
と聞かれ、そうだった朝食を食べている途中だったと思い出し椅子に座りなおし
「頂きます」
と食べた。
そして食べ終わるなり帰ろうとすると、今度は航がぐずりだし、このまま帰るのもなんだしと少し航と遊んで、また3人でお昼を食べて、お昼過ぎに施設を出た。
そして夏月さんに見送られバスに乗り込んで席に座りながら、
本当に園長を見無かった。
でも、だったら昨日見た男は何で施設に来たんだろう?少し腑に落ちなかったが、そんな些細な事は直ぐに忘れてしまった。
誰かが僕を呼んでる
「月村さん!」
ハッと目を覚ますと夏月さんが僕を覗き込みながら肩を揺らしていた。
僕は飛び起き
「うわ!すいません!寝てました!」
夏月さんは苦笑しながら
「こんな処で寝ると風邪をひきますよ?ちゃんとベッドで寝て下さい」
そう言われ窓から外を見ると、いつの間にか辺りは暗くなっていた。
「!…すいません、もう帰りますので…」
焦りながら言うと夏月さんは困った顔で壁の時計を見て
「たぶん…もうバス無いと思いますよ?」
「え!」
僕もつられて時計を見ると8時を回っていた。
そうだった…ここは田舎だから、こんな時間じゃバスはもう終わっている…でもそこまで遅い時間でも無かったから
「タクシー呼んで…」
僕の言葉に更に言い辛そうに
「…タクシーもこんな辺鄙だと呼んでも来てくれませんよ?でしたら、もう今日は泊まった方がいいと思いますよ?」
夏月さんに言われ僕は思わず喜んだ。
ここは友達も岩崎さえも知らない場所だからゆっくり出来るかもしれないと
「でも…いいんですか?」
「はい、大丈夫ですよ、ただお泊まり出来るのはこの部屋のみでお願いします。施設の中は他の方も居るので勝手に出歩いたりするのは許可できませんが、それでよければ?」
夏月さんの言葉に僕は頭を下げ
「あの、ありがとうございます!」
夏月さんは頷き
「それで、ご飯はどうしますか?」
そう言えば、そんな時間かと
「大丈夫です。ここに来る前にコンビニで軽く食べたのでお腹は空いてないです。」
「そうですか、航君は一度寝てしまうと、朝迄起きませんし、無理に起こすと大変なのでこのままにしておきましょうか。それでは私は施設の戸締まりをしますので、これで失礼しますね。」
咄嗟に
「僕もお手伝いしましょうか?」
聞くと夏月さんは首を振り
「いいえ大丈夫ですよ。これは私の仕事なので、それでは失礼します」
そう言うと部屋から出て行ってしまった。
僕はため息をつき、寝室で寝ている航の様子を伺い
「良く寝てる」
そしてしばらく航の寝顔を見て音を立てないように寝室を出た。
そして自分も寝ようと大きいソファに横になり目を瞑った。
翌朝ドアをノックする音で目が覚めた。
ソファで伸びをして起き上がりドアを開けると夏月さんが
「おはようございます。」
僕は慌てて
「おはようございます。昨日は泊めていただいてありがとうございます。」
頭を下げると夏月さんは
「大丈夫ですよ、大分お疲れの様子でしたし、良く眠れましたか?」
頷き
「はい」
「それは良かったです。処で朝食の用意が出来てますので航君と一緒に食堂に入らして下さい」
僕は戸惑いながら
「あの、僕も一緒でいいんですか?」
「はい?大丈夫ですよ?他の方達はもう朝食は済んでいますし?」
夏月さんの言葉に時計を見ると時刻は8時を過ぎた辺りだった。
僕は成る程と頷き
「分かりました。じゃ準備して航と一緒に行きますんで」
言うと夏月さんは宜しくお願いしますと部屋から出て行った。
僕は航を起こそうと寝室に行くと航はまだ寝ていた。
僕は航を揺り動かし
「航?おはよう。起きてご飯一緒に食べよう」
航はゆっくりと目を開けて僕を見て嬉しそうに
「あー!」
しゃべりながら僕に抱きついて来た。
「うわ!航おはよう」
僕は航を抱っこしたままベッドから下ろし服を着替えさせ、洗面所で歯と顔を洗い身なりを整え航と手を繋ぎ食堂に向かった。途中何度か別荘と同じ造りの為…変な既視感があったが深く考えないようにしながら航と一緒に階段を降りた。
食堂に着くとテーブルの上に僕達の分の調子が用意れていた。
僕はふと
「そう言えば園長はどちらに?」
僕の言葉に夏月さんは無表情で
「あの方は滅多に、こちらにはお見えにはなりません、ですが呼べば来ますが…呼びますか?」
僕は咄嗟に首を振り
「いえ、大丈夫です。いつも来る時園長がいるからてっきり園長は此処に住んでるかと思ってたんで」
僕が夏月さんに言うと苦笑いしつつ
「この施設にいつも居るのは私一人だけです。ところで月村さんは、この後どうしますか?」
聞かれてハッとした。
僕は
「朝食食べたら帰ります。」
言うと夏月さんはポツリと
「…そうですか、分かりました。」
すると、ポケットからスマホが鳴った。
岩崎だろうかと恐る恐る見ると、久々の山中教授からのメールだった。
メールには
「中々大変そうだけど、大丈夫かな?良かったら相談にのるよ?」
僕は咄嗟にメールで
「今日そっちに行ってもいいですか?相談したい事が」
返すと山中教授から直ぐに返信が来た。
「良いですよ?」
その言葉に僕が立ち上がると夏月さんが穏やかに
「おかわりはいかがですか?」
と聞かれ、そうだった朝食を食べている途中だったと思い出し椅子に座りなおし
「頂きます」
と食べた。
そして食べ終わるなり帰ろうとすると、今度は航がぐずりだし、このまま帰るのもなんだしと少し航と遊んで、また3人でお昼を食べて、お昼過ぎに施設を出た。
そして夏月さんに見送られバスに乗り込んで席に座りながら、
本当に園長を見無かった。
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