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助言と決断3
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「差し入れだ」
「ありがとうございます」
そう言って、マリアさんが差し出してくれたのはコンビニスイーツの栗ぜんざいだった。今なら食べられそうなので、お礼を言ってありがたく受け取る。
と、そんな俺をしばしジッと見つめてきて。
「いず、大丈夫か?」
尋ねられたのはさっき、ドアの前でされたのと同じ言葉で。
……だけど、何となくだけどさっきと少しニュアンスが違う気がした。
(さっきは体調で、今は……精神的な意味、かな?)
そう考えると「大丈夫」と答えて良いかどうか、ちょっと悩む。
マリアさんが俺に求めていることはシンプル(確か健康で、美味しそうに物が食べられているだった)なことで。
……だからこそ、マリアさんには嘘をついたりごまかしたりしちゃいけない気がした。
ちょっと浮上したけど、今朝までは寝不足&食欲不振だったしな。
(しかもそれは、刃金さんが……マリアさん以外の相手が、原因で)
そこまで考えて、俺はふと引っかかった。
(原因って何だよ、俺。これだと、刃金さんが悪いみたいじゃないか)
「大丈夫です」
だから俺は、今度は躊躇せずに答えた。
確かに、寝れなくなったりはしたけど――それは、刃金さんのことが好きだから色々考えた訳で。刃金さんは悪くないし、紫子さんと話したことで伝えて迷惑をかけなければ、好きになったこと自体は悪いことじゃないって思ったからだ。
「そうか、良かった」
俺の答えに、そう言って微笑むと――マリアさんは少し身を屈め、俺の前髪をそっと払った。
「どうか主が、お前を祝福して下さるように」
そして祈る言葉と共に、マリアさんは俺の額に唇を落としてきた。
(……流石ですね、マリアさん。ナチュラル過ぎて、全く抵抗出来ませんでしたよ)
バナナはおやつに入りますか、じゃないけど、祝福もキスのカウントに入るんだろうか?
※
マリアさんからのお土産を食べて、昼寝して――目を覚ました俺は、真白達にメールをした。
『心配かけた。今日の夕飯は、俺が作る』
一応、学校は休んだんでコンビニには行かずにあるもので。幸い、前に冷凍しておいたコロッケが残っていたんで、ご飯と味噌汁を作れば何とかなる。
「……出灰っ!」
「真白、危ないから近づくな」
途中、ダッシュで帰って来たらしい真白に抱き着かれそうになり、待ったをかける一幕はあったけど。
久しぶりに夕飯を作り、三人と一緒に食べられて嬉しかった。
「……あのね?」
「ん?」
「うん、あの……」
だから真白と奏水が部屋に戻った後、一茶に声をかけられのに俺は何も考えずに振り向いた。
そんな俺に、珍しく歯切れの悪い様子を見せた後――一茶は、思い切ったように顔を上げて口を開いた。
「もしかして、だけど……本命の相手が出来ましたか、三愛先生?」
※
「それって、一茶の好きなケータイ小説家の名前だよな?」
「うん、まあ、素直に認めて貰えるとは思わなかったけどね」
俺の返事に、一茶がそう言って笑う。うん、その通り。よく解っていらっしゃる。
「その三愛先生が今、王道学園物書いてるんだよ。学校とか生徒会が、うちの学校みたいなんだ」
「あぁ、白月って王道だもんな」
「そうそう、だから萌えばっかりで……って、そうじゃなくて。主人公が出灰、そっくりなんだよ」
……そうなんだよな。
私小説って言うのもあるけど、意外と俺みたいな平凡主人公っていないんだよな? この先は、解らないけど――と、なると。
(『もしかして』は俺の正体についてじゃなく、俺に本命が出来たかどうかについて、か)
つまり、俺の話を読んでくれている一茶にも、主人公――俺が誰を好きかってことが、現段階では解ってないってことだ。
(だったら)
嘘をつこう。
伝えられないけど、刃金さんのことが好きだから――せめて、ケジメだけはつけよう。
「半分正解で、半分ハズレだ。確かに、俺はお前の言う『三愛』だけど……本命は、いない。誰も選べなくて、悩んでたんだ」
「ありがとうございます」
そう言って、マリアさんが差し出してくれたのはコンビニスイーツの栗ぜんざいだった。今なら食べられそうなので、お礼を言ってありがたく受け取る。
と、そんな俺をしばしジッと見つめてきて。
「いず、大丈夫か?」
尋ねられたのはさっき、ドアの前でされたのと同じ言葉で。
……だけど、何となくだけどさっきと少しニュアンスが違う気がした。
(さっきは体調で、今は……精神的な意味、かな?)
そう考えると「大丈夫」と答えて良いかどうか、ちょっと悩む。
マリアさんが俺に求めていることはシンプル(確か健康で、美味しそうに物が食べられているだった)なことで。
……だからこそ、マリアさんには嘘をついたりごまかしたりしちゃいけない気がした。
ちょっと浮上したけど、今朝までは寝不足&食欲不振だったしな。
(しかもそれは、刃金さんが……マリアさん以外の相手が、原因で)
そこまで考えて、俺はふと引っかかった。
(原因って何だよ、俺。これだと、刃金さんが悪いみたいじゃないか)
「大丈夫です」
だから俺は、今度は躊躇せずに答えた。
確かに、寝れなくなったりはしたけど――それは、刃金さんのことが好きだから色々考えた訳で。刃金さんは悪くないし、紫子さんと話したことで伝えて迷惑をかけなければ、好きになったこと自体は悪いことじゃないって思ったからだ。
「そうか、良かった」
俺の答えに、そう言って微笑むと――マリアさんは少し身を屈め、俺の前髪をそっと払った。
「どうか主が、お前を祝福して下さるように」
そして祈る言葉と共に、マリアさんは俺の額に唇を落としてきた。
(……流石ですね、マリアさん。ナチュラル過ぎて、全く抵抗出来ませんでしたよ)
バナナはおやつに入りますか、じゃないけど、祝福もキスのカウントに入るんだろうか?
※
マリアさんからのお土産を食べて、昼寝して――目を覚ました俺は、真白達にメールをした。
『心配かけた。今日の夕飯は、俺が作る』
一応、学校は休んだんでコンビニには行かずにあるもので。幸い、前に冷凍しておいたコロッケが残っていたんで、ご飯と味噌汁を作れば何とかなる。
「……出灰っ!」
「真白、危ないから近づくな」
途中、ダッシュで帰って来たらしい真白に抱き着かれそうになり、待ったをかける一幕はあったけど。
久しぶりに夕飯を作り、三人と一緒に食べられて嬉しかった。
「……あのね?」
「ん?」
「うん、あの……」
だから真白と奏水が部屋に戻った後、一茶に声をかけられのに俺は何も考えずに振り向いた。
そんな俺に、珍しく歯切れの悪い様子を見せた後――一茶は、思い切ったように顔を上げて口を開いた。
「もしかして、だけど……本命の相手が出来ましたか、三愛先生?」
※
「それって、一茶の好きなケータイ小説家の名前だよな?」
「うん、まあ、素直に認めて貰えるとは思わなかったけどね」
俺の返事に、一茶がそう言って笑う。うん、その通り。よく解っていらっしゃる。
「その三愛先生が今、王道学園物書いてるんだよ。学校とか生徒会が、うちの学校みたいなんだ」
「あぁ、白月って王道だもんな」
「そうそう、だから萌えばっかりで……って、そうじゃなくて。主人公が出灰、そっくりなんだよ」
……そうなんだよな。
私小説って言うのもあるけど、意外と俺みたいな平凡主人公っていないんだよな? この先は、解らないけど――と、なると。
(『もしかして』は俺の正体についてじゃなく、俺に本命が出来たかどうかについて、か)
つまり、俺の話を読んでくれている一茶にも、主人公――俺が誰を好きかってことが、現段階では解ってないってことだ。
(だったら)
嘘をつこう。
伝えられないけど、刃金さんのことが好きだから――せめて、ケジメだけはつけよう。
「半分正解で、半分ハズレだ。確かに、俺はお前の言う『三愛』だけど……本命は、いない。誰も選べなくて、悩んでたんだ」
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