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現出
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大国エスカーダには、国内からだけではなく近隣諸国からも留学生が訪れる。
そんな留学生の一人であるクロエは四月某日、新学期が始まる日に王立学園の制服に身を包んでいた。白いブラウスに、胸元のリボンとボレロ、ジャンパースカートは藍色だ。ちなみに男子の制服は、同じ色合いで白いシャツ。そしてネクタイとジャケット、スラックスが藍色である。ちなみに、男女共に左胸に校章のバッジをつけるが、そこに学年を示す数字が描かれているので、相手が何年生か解るようになっている。
世界観は中世というか近世のヨーロッパ風だが、入学式や進級時期は日本と同じだし、制服も何と言うかデザイナーズブランドの制服のようだ。そんなちぐはぐ感から、クロエは自分が転生した異世界がSNSで見かけることがあった『乙女ゲームの世界』や『小説や漫画などの物語の世界』かと思ったことがある。もっとも元ネタを知らないので、クロエはただ粛々と復讐するのみだが。
「行ってきます、義父上……行くぞ、オーベル」
「あぁ、クロエ。行っておいで……オーベル、クロエを頼んだよ」
「任せろ」
朝食を終えて身支度をしたクロエは、クロエの学生鞄を持った執事姿のオーベルを連れて屋敷を出た。当初は抵抗があったが、王立学園に同行出来る使用人は一名と決まっている。鞄一つで、堂々と連れ歩けるのならむしろ臨むところだ。
そして伯爵家の馬車に乗り、しばし揺られた後、王立学園に到着すると──一人の女生徒から、声をかけられた。いや、声だけではなく笑顔で、音がする勢いでクロエに手を振ってきた。
「クロエ様! 我がミュ……ぐうぅっ!」
「言わせるかよ」
「……お嬢様」
同じ年なのでクロエと同じ制服と校章をつけていて、背丈やメリハリのある体型もクロエに似ているが──逆に言うと、共通点はそこまでだ。
真っ直ぐな長い髪は、夜空のような深い青。そして瞳は、輝く月のような金。
黙っていればクールビューティーという感じだが、ズカズカと大股な足取りで近づいたオーベルに口を押さえられ、もがく姿はコミカルだ。そして後ろに控えていた侍女に引っ張られ、口を塞いでいた手から離れると、女生徒はキッとオーベルを睨みつけた。
「何度でも言いますわ! クロエ様は、わたくしの……いえ! 我がノアイユ商会の、ミューズです!」
「……この、残念美人が」
「オーベル……レーヴ、待っていてくれてありがとう。同じクラスだし、まずは職員室に一緒に行きましょう」
「はいっ!」
クロエが淑女口調で話しかけると、女生徒──レーヴは、良い子の返事をした。そしてクロエと共に、先程助けてくれた眼鏡の侍女を引き連れて、職員室へと向かった。
……人目があるのでこの話し方だが、レーヴはクロエの本来の口調も知っている。
そして、クロエの『駒』になると言い出したのは、実はレーヴの方からなのだ。
そんな留学生の一人であるクロエは四月某日、新学期が始まる日に王立学園の制服に身を包んでいた。白いブラウスに、胸元のリボンとボレロ、ジャンパースカートは藍色だ。ちなみに男子の制服は、同じ色合いで白いシャツ。そしてネクタイとジャケット、スラックスが藍色である。ちなみに、男女共に左胸に校章のバッジをつけるが、そこに学年を示す数字が描かれているので、相手が何年生か解るようになっている。
世界観は中世というか近世のヨーロッパ風だが、入学式や進級時期は日本と同じだし、制服も何と言うかデザイナーズブランドの制服のようだ。そんなちぐはぐ感から、クロエは自分が転生した異世界がSNSで見かけることがあった『乙女ゲームの世界』や『小説や漫画などの物語の世界』かと思ったことがある。もっとも元ネタを知らないので、クロエはただ粛々と復讐するのみだが。
「行ってきます、義父上……行くぞ、オーベル」
「あぁ、クロエ。行っておいで……オーベル、クロエを頼んだよ」
「任せろ」
朝食を終えて身支度をしたクロエは、クロエの学生鞄を持った執事姿のオーベルを連れて屋敷を出た。当初は抵抗があったが、王立学園に同行出来る使用人は一名と決まっている。鞄一つで、堂々と連れ歩けるのならむしろ臨むところだ。
そして伯爵家の馬車に乗り、しばし揺られた後、王立学園に到着すると──一人の女生徒から、声をかけられた。いや、声だけではなく笑顔で、音がする勢いでクロエに手を振ってきた。
「クロエ様! 我がミュ……ぐうぅっ!」
「言わせるかよ」
「……お嬢様」
同じ年なのでクロエと同じ制服と校章をつけていて、背丈やメリハリのある体型もクロエに似ているが──逆に言うと、共通点はそこまでだ。
真っ直ぐな長い髪は、夜空のような深い青。そして瞳は、輝く月のような金。
黙っていればクールビューティーという感じだが、ズカズカと大股な足取りで近づいたオーベルに口を押さえられ、もがく姿はコミカルだ。そして後ろに控えていた侍女に引っ張られ、口を塞いでいた手から離れると、女生徒はキッとオーベルを睨みつけた。
「何度でも言いますわ! クロエ様は、わたくしの……いえ! 我がノアイユ商会の、ミューズです!」
「……この、残念美人が」
「オーベル……レーヴ、待っていてくれてありがとう。同じクラスだし、まずは職員室に一緒に行きましょう」
「はいっ!」
クロエが淑女口調で話しかけると、女生徒──レーヴは、良い子の返事をした。そしてクロエと共に、先程助けてくれた眼鏡の侍女を引き連れて、職員室へと向かった。
……人目があるのでこの話し方だが、レーヴはクロエの本来の口調も知っている。
そして、クロエの『駒』になると言い出したのは、実はレーヴの方からなのだ。
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