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状況説明と要望と
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魔王城での夕食は、驚くことに和食だった。何でも転生者が根性で米を探し出し、更に味噌と醤油を作ったらしい。
しかしそれなら天ぷらも作れたのでは、と思ったが今、食卓に並んでいるような肉じゃがや豚汁、唐揚げなどは作れたが、天ぷらはどうしても衣がうまくいかなかったらしい。
なるほど、と思いつつ舞は久々の白米やおかずを楽しんだ。そして、天ぷらのレシピを教えることにした。
(食べられるだけありがたいと思ってたけど、やっぱり和食美味しい……そりゃあ、頑張ろうって気になるわ)
そして完食し、食後のお茶(ほうじ茶が出て驚いたが、紅茶と元の茶葉は同じで発酵や仕上げで変わるらしい)を飲んだところでダリスが口を開く。
「皇国では、魔王……坊ちゃまの出現により、世界が瘴気に侵されたと聞いたと思います」
「……違うんですか?」
「ええ。人間の負の感情が淀んで凝って、瘴気になるのです。勿論、魔王が現れることで不安が増すのかもしれませんが……その瘴気のせいで暴走した獣が魔物になったり、病人が増えたりするのです」
「そうだったんですね……」
「冷静でございますね? 予想しておられましたか?」
ダリスの話は思っていた通りの内容だったので、舞はそう相槌を打つだけだった。
そんな舞に、ダリスがごもっともなツッコミを入れるが――舞としては、言い分がある。向こうがネタばらししたのなら、と舞もこちらの事情を話すことにした。
「私は異世界から召喚されましたけど、主婦が聖女の筈がないと一方的に城から追い出されたんです。聖女が、瘴気を浄化する為に召喚されるって言うのは、後から人の噂で聞きましたけど……そんな経緯で、向こうでの話を鵜呑みに出来る訳ないでしょう?」
「……確かに」
舞の言葉に、ダリスもまた頷くだけだった。そして、当初の目的である『すり合わせ』が終わったところで、舞は本題に入ることにした。
「私は、元の世界に戻りたいんです。魔国に、その為の知識や資料はありませんか?」
「……戻る? 魔国に亡命希望ではなく?」
「ええ……私には夫と、魔王様と同じくらいの息子がいるのです。家族に、会いたいのです」
「……ジブンくらいの、息子?」
そこで、今まで黙っていたラルヴァが口を開いた。そんな彼に、舞は優しく笑いかけて答えた。
「ええ。年頃と……同じ、黒髪をしています」
「へぇ……ダリス? マイさまを、てつだってあげて? そのこも、おかあさんとあいたいとおもう」
「……坊ちゃま」
深緑の瞳は真剣だった。しかし『も』と言うことは、ラルヴァも母親に会いたいのだろうか?
思ったが、いきなりそこまで踏み込んでいいのか解らず、舞が口を噤んでいると――ダリスが、魔王について話を始めた。
しかしそれなら天ぷらも作れたのでは、と思ったが今、食卓に並んでいるような肉じゃがや豚汁、唐揚げなどは作れたが、天ぷらはどうしても衣がうまくいかなかったらしい。
なるほど、と思いつつ舞は久々の白米やおかずを楽しんだ。そして、天ぷらのレシピを教えることにした。
(食べられるだけありがたいと思ってたけど、やっぱり和食美味しい……そりゃあ、頑張ろうって気になるわ)
そして完食し、食後のお茶(ほうじ茶が出て驚いたが、紅茶と元の茶葉は同じで発酵や仕上げで変わるらしい)を飲んだところでダリスが口を開く。
「皇国では、魔王……坊ちゃまの出現により、世界が瘴気に侵されたと聞いたと思います」
「……違うんですか?」
「ええ。人間の負の感情が淀んで凝って、瘴気になるのです。勿論、魔王が現れることで不安が増すのかもしれませんが……その瘴気のせいで暴走した獣が魔物になったり、病人が増えたりするのです」
「そうだったんですね……」
「冷静でございますね? 予想しておられましたか?」
ダリスの話は思っていた通りの内容だったので、舞はそう相槌を打つだけだった。
そんな舞に、ダリスがごもっともなツッコミを入れるが――舞としては、言い分がある。向こうがネタばらししたのなら、と舞もこちらの事情を話すことにした。
「私は異世界から召喚されましたけど、主婦が聖女の筈がないと一方的に城から追い出されたんです。聖女が、瘴気を浄化する為に召喚されるって言うのは、後から人の噂で聞きましたけど……そんな経緯で、向こうでの話を鵜呑みに出来る訳ないでしょう?」
「……確かに」
舞の言葉に、ダリスもまた頷くだけだった。そして、当初の目的である『すり合わせ』が終わったところで、舞は本題に入ることにした。
「私は、元の世界に戻りたいんです。魔国に、その為の知識や資料はありませんか?」
「……戻る? 魔国に亡命希望ではなく?」
「ええ……私には夫と、魔王様と同じくらいの息子がいるのです。家族に、会いたいのです」
「……ジブンくらいの、息子?」
そこで、今まで黙っていたラルヴァが口を開いた。そんな彼に、舞は優しく笑いかけて答えた。
「ええ。年頃と……同じ、黒髪をしています」
「へぇ……ダリス? マイさまを、てつだってあげて? そのこも、おかあさんとあいたいとおもう」
「……坊ちゃま」
深緑の瞳は真剣だった。しかし『も』と言うことは、ラルヴァも母親に会いたいのだろうか?
思ったが、いきなりそこまで踏み込んでいいのか解らず、舞が口を噤んでいると――ダリスが、魔王について話を始めた。
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