主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから

渡里あずま

文字の大きさ
18 / 24

母と子と

しおりを挟む
「魔王は魔国で一番強い者がなり、執事は魔王を守れるよう二番目に強い者がなります」
「……あの、魔王様はおいくつなんですか……?」
「六歳です」
「え」

 六歳。息子である工と同じくらいかと思っていたが、本当に一歳上なだけだ。しかも日本人は外国目線だと幼く見えるのに、そんな息子と同じか、下手すると年下にも見える。

(人間じゃないから、長命の代わりに成長が遅いとか?)

 以上、SNS広告からの広くて浅い知識である。
 しかし、そんな小さい子が国で一番強いと言うのはどういうことなのか。確かに、ラルヴァを見た魔族の面々が「凄まじい魔力」だと言っていたが、そういうのを感じられない舞からすると信じられない。
 だが、ダリスが続けた言葉を聞いて舞は思わず息を呑んだ。

「魔族は長命ですが、十歳くらいまではむしろ早いのです。小さいままだと、満足に動けませんから……けれど、坊ちゃまは己の強大な魔力を制したことで年相応、いえ、むしろ年よりも幼く見えるくらいです」
「魔力を制する……? あの、広場で魔王様の魔力が凄まじいと言われていましたが……」
「ああ、人族の方ですと我々の魔力は解りませんよね? 坊ちゃまは、魔力を抑えても次点の私と同じくらい強いですから……話を戻しますが、坊ちゃまが魔力を制したのはお母上と会う為です」
「……お母様、に?」
「ええ。次期魔王として生まれると赤ん坊の頃から魔力が強く、しかも幼いのでコントロールが下手なのですぐ執事に預けられます……けれど、物心ついた頃に坊ちゃまからある質問を受けました」
「……何て、ですか?」

 そこでダリスが、ラルヴァを見る。するとダリスの代わりに、ラルヴァが舞の疑問に答えてくれた。

「まおうになればおかあさんに会えるのか、きいたんだ」
「っ!」
「私は、そうだと答えました……ただ、即位されれば城に入るのでどちらにしても一緒には暮らせないと言いました」
「それでもねんになんかいかはあえるってきいたし、そのとおりいまあえてる……ジブンとちがって、マイさまがかえればそのこはおかあさんにあえるでしょ?」

 そう言って健気にラルヴァが笑うのに、舞は目頭が熱くなった。母親に会いたいと思い、頑張ったラルヴァの姿と息子の面影が重なったからだ。

(日本とここで、時間の流れ方がどれくらい違うか解らないけど……いなくなって、心配かけてるわよね……それもこれも!)

 しかし、すぐに息子や夫と離れ離れになった元凶――リュカオン達を思い出し、怒りで目の前が真っ赤になる。
 そして瘴気について真実を隠し、責任逃れどころか自分の失態を押し付けている人間側について、舞はあることを提案した。

「……正論で、ぶっ叩きましょう」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

召喚された聖女はこの世界の平民ですが?家に帰らせていただきます!

碧井 汐桜香
ファンタジー
召喚された聖女は、この世界の平民でした。 バレないように異世界から召喚された聖女のふりをしながら、家に帰る機会を見計らって……。

聖女召喚

胸の轟
ファンタジー
召喚は不幸しか生まないので止めましょう。

聖女らしくないと言われ続けたので、国を出ようと思います

菜花
ファンタジー
 ある日、スラムに近い孤児院で育ったメリッサは自分が聖女だと知らされる。喜んで王宮に行ったものの、平民出身の聖女は珍しく、また聖女の力が顕現するのも異常に遅れ、メリッサは偽者だという疑惑が蔓延する。しばらくして聖女の力が顕現して周囲も認めてくれたが……。メリッサの心にはわだかまりが残ることになった。カクヨムにも投稿中。

聖女なんて御免です

章槻雅希
ファンタジー
「聖女様」 「聖女ではありません! 回復術師ですわ!!」 辺境の地ではそんな会話が繰り返されている。治癒・回復術師のアルセリナは聖女と呼ばれるたびに否定し訂正する。そう、何度も何十度も何百度も何千度も。 聖女断罪ものを読んでて思いついた小ネタ。 軽度のざまぁというか、自業自得の没落があります。 『小説家になろう』様・『Pixiv』様に重複投稿。

姉の陰謀で国を追放された第二王女は、隣国を発展させる聖女となる【完結】

小平ニコ
ファンタジー
幼少期から魔法の才能に溢れ、百年に一度の天才と呼ばれたリーリエル。だが、その才能を妬んだ姉により、無実の罪を着せられ、隣国へと追放されてしまう。 しかしリーリエルはくじけなかった。持ち前の根性と、常識を遥かに超えた魔法能力で、まともな建物すら存在しなかった隣国を、たちまちのうちに強国へと成長させる。 そして、リーリエルは戻って来た。 政治の実権を握り、やりたい放題の振る舞いで国を乱す姉を打ち倒すために……

いい子ちゃんなんて嫌いだわ

F.conoe
ファンタジー
異世界召喚され、聖女として厚遇されたが 聖女じゃなかったと手のひら返しをされた。 おまけだと思われていたあの子が聖女だという。いい子で優しい聖女さま。 どうしてあなたは、もっと早く名乗らなかったの。 それが優しさだと思ったの?

必要なくなったと婚約破棄された聖女は、召喚されて元婚約者たちに仕返ししました

珠宮さくら
ファンタジー
派遣聖女として、ぞんざいに扱われてきたネリネだが、新しい聖女が見つかったとして、婚約者だったスカリ王子から必要ないと追い出されて喜んで帰国しようとした。 だが、ネリネは別の世界に聖女として召喚されてしまう。そこでは今までのぞんざいさの真逆な対応をされて、心が荒んでいた彼女は感激して滅びさせまいと奮闘する。 亀裂の先が、あの国と繋がっていることがわかり、元婚約者たちとぞんざいに扱ってきた国に仕返しをしつつ、ネリネは聖女として力を振るって世界を救うことになる。 ※全5話。予約投稿済。

聖女のはじめてのおつかい~ちょっとくらいなら国が滅んだりしないよね?~

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女メリルは7つ。加護の権化である聖女は、ほんとうは国を離れてはいけない。 「メリル、あんたももう7つなんだから、お使いのひとつやふたつ、できるようにならなきゃね」 と、聖女の力をあまり信じていない母親により、ひとりでお使いに出されることになってしまった。

処理中です...