主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから

渡里あずま

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戻りたいとは思ってたけど!

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 舞が提案したのは、魔王であるラルヴァの姿を出来るだけ多くの人々に見せて「こんな可愛い子に瘴気の責任をなすりつけているのか」と罪悪感を煽ることだった。
 あと聖女と言うより空気清浄機な為、舞の能力は地味だ。だから多少は盛る必要があるかもだが――舞がこの世界の瘴気を祓うのを見せた上で、人間が魔王にかけた冤罪を晴らそうと思ったのである。

「浄化は私の敵じゃなく、お世話になったセバエさん達や魔国の人達になることですしね」
「……それなんですが。浄化とは違うのですが、私達魔族は『封印』が使えますので……最初は聖女様に浄化をお願いしますが、戻られた後は我々が瘴気を封印すると言えばどうでしょう?」
「え?」
「聖女様が浄化した後、我々の封印を披露しましょう。我々が普段、行うのは制御出来ない魔力を道具で吸い取って封じることですが……瘴気も魔力も、形がないという意味では似たようなものかと」
「違っ!? いえ、そうじゃなくて……戻れるんですか!?」

 さらりと言うダリスに、舞はたまらず声を上げた。確かに、魔国に来たのは転生者が集まると思われるこの国なら、元に戻る手段が解るのではないかと思って来たのたが。

「ええ。ただ、戻る為には皇国にある魔法陣が必要ですが、魔族は移動魔術を使えます。魔法陣と、精霊の力を使うのですが……実は、聖女召喚は我々の精霊魔術を応用したものなのです」
「え」

 ダリスの話によると、人間と魔族の魔法は違うそうだ。基本は己の魔力を使うのだが、魔族はその他に精霊を使い、移動したり離れた場所へと魔法で働きかけることが出来るのだと言う。

「数百年前、一人の女魔族が人間に騙され、精霊魔術と魔法陣を教えてしまいました。人間には使えない。最初は、そう思われていましたが……人間は自分達『に』使うのではなく、精霊のように異世界人を召喚する為に使ったのです。浄化自体は我々も助かりましたし、いくら力があっても人間の方が数が多く、しかも騙されればあっけない。それ故、黙認していましたが……聖女様、申し訳ございません」

 間接的にですが、魔族も聖女召喚の共犯者です。
 そう言ってダリスと、黙って話を聞いていたラルヴァも「ごめんなさい」と頭を下げる。それに、舞は慌てて口を開いた。

「……謝らないでって、言われたら逆に困らせてしまうかもですが。でも、騙して手に入れたその知識を使って、実際に異世界人を召喚してるのは人間で、皇国で……あなた達は、私を返してくれるんですよね?」
「ええ。あと、我々が今後は瘴気に対応するので、今後は聖女様のように異世界人を召喚するのは絶対、阻止します」
「ジブンも! ぜったいに、させないからっ」
「ありがとうございます……だったら、いいです。安心しました」

 元の世界に、そして家族の元にようやく戻れる。
 そのことに舞は安堵し頭を下げた途端、お礼と共に涙がこぼれ落ちた。
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