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バイト用の黒シャツを硬くなった胸の尖りが押し上げている。それを分かっていて、善はしつこく刺激してくる。爪の先でカリカリと先端を嬲るのは、以前『どんな触り方がいい?』と尋ねながら暴かれた鷹哉が弱い触れ方だ。
「あ、あっ……ん……」
神経がどうなっているのか、胸に触れられているだけで腹の奥が疼いた。鷹哉は本能のまま善のスーツを脱がしにかかる。
触り心地のいい生地に、『イタリア製……』というマスターの声が脳裏に浮かんだが無視した。すでに涙でびしょびしょにしたあとだ。これからさらに皺になるのも、クリーニングに頼ってくれ。
ジャケット、ネクタイ、シャツ、スラックスを順番に脱がそうとしている間に、自分の方が先に裸になっていた。すでに勃ち上がり涙を流している先端に、善がすかさず舌を這わせる。
「ひぁっ。……善、そんなことしなくていいって!」
「だーめ」
結局シャツのボタンは外したけど脱がすことができず、スラックスもベルトを引き抜いただけで終わった。でもなんか……仕事スタイルで前髪を上げた男のスーツが乱れているのは、かなり視覚的にエロい。
「く、ぅ……」
舌技だけで的確に高められ、内腿がぷるぷると震える。善の両手は赤く尖った胸の先を弄り、脇腹や恥骨をなぞってくる。
すぐに達してしまいそうで、必要以上の愛撫を止めようと手を伸ばす。だが善は鷹哉の両手を取り、指を絡めてシーツに縫い留めてしまった。
たったそれだけで、逃げられないという事実が鷹哉を興奮させる。これまでも戯れに手を押さえられたことはあったはずなのに、善にされると全く違うのだ。
充血したペニスが限界を迎え、精液を吐き出す感覚に身体が無意識に備える。
――しかし、刺激は唐突に失われた。
「え……」
「たかやくん、イッたほうがつらいでしょ?」
まさか、と思う。何度もイかされて、もうつらいからイかせるなと善をなじった記憶が蘇る。
(え……今日は逆パターン? この寸止めをくり返されんの? そんなの……死ぬって!!)
鷹哉は回らない頭でなんとか考えた。ねちっこいセックスをしたがるこの男を、どう攻略すべきか?
「善、早く挿れろよ。ナカ、疼いて……欲しい」
頭の回転は超低速だ。それでも鷹哉としては口にしたことのない誘い文句だった。みずから脚を広げると、羞恥に目が潤み、さっと頬が桃色に染まる。
善を仰ぎ見れば、余裕を失った表情でこちらを凝視していた。目に情欲が滾り、いつもの愛嬌はどこかに消えている。
これは……思ったより効果あったか? そう期待して、もうひと押しと言葉を重ねる。嘘じゃない。本当に欲しいと思っているのだから。
「準備……してあるからさ。すぐできるぜ」
「誰のために?」
瞬時に返ってきたことばは、普通のトーンなのに鳥肌が立つほど冷たかった。鷹哉は思わずぶるっと身震いする。
誰のために? 誰のために準備したんだっけ?
「――あ。えーっと……」
「まさかあの、脂ぎった男のために?」
「ち、違うって!」
言葉に詰まる。誰でもいいから抱いてもらうために……なんて、間違っても言えない。
上手い言い訳が見つからず狼狽している間に、善は痺れを切らしてしまった。いや、待つつもりもなかったのかもしれない。
「鷹哉くんは好きな人がいても別の人とできるんだね。じゃあこれからは、そんな気も起こらないくらい抱いてあげる」
「っひ」
――絶倫の理解らせなんて、怖いしかないんですけど!!!
「あ、あっ……ん……」
神経がどうなっているのか、胸に触れられているだけで腹の奥が疼いた。鷹哉は本能のまま善のスーツを脱がしにかかる。
触り心地のいい生地に、『イタリア製……』というマスターの声が脳裏に浮かんだが無視した。すでに涙でびしょびしょにしたあとだ。これからさらに皺になるのも、クリーニングに頼ってくれ。
ジャケット、ネクタイ、シャツ、スラックスを順番に脱がそうとしている間に、自分の方が先に裸になっていた。すでに勃ち上がり涙を流している先端に、善がすかさず舌を這わせる。
「ひぁっ。……善、そんなことしなくていいって!」
「だーめ」
結局シャツのボタンは外したけど脱がすことができず、スラックスもベルトを引き抜いただけで終わった。でもなんか……仕事スタイルで前髪を上げた男のスーツが乱れているのは、かなり視覚的にエロい。
「く、ぅ……」
舌技だけで的確に高められ、内腿がぷるぷると震える。善の両手は赤く尖った胸の先を弄り、脇腹や恥骨をなぞってくる。
すぐに達してしまいそうで、必要以上の愛撫を止めようと手を伸ばす。だが善は鷹哉の両手を取り、指を絡めてシーツに縫い留めてしまった。
たったそれだけで、逃げられないという事実が鷹哉を興奮させる。これまでも戯れに手を押さえられたことはあったはずなのに、善にされると全く違うのだ。
充血したペニスが限界を迎え、精液を吐き出す感覚に身体が無意識に備える。
――しかし、刺激は唐突に失われた。
「え……」
「たかやくん、イッたほうがつらいでしょ?」
まさか、と思う。何度もイかされて、もうつらいからイかせるなと善をなじった記憶が蘇る。
(え……今日は逆パターン? この寸止めをくり返されんの? そんなの……死ぬって!!)
鷹哉は回らない頭でなんとか考えた。ねちっこいセックスをしたがるこの男を、どう攻略すべきか?
「善、早く挿れろよ。ナカ、疼いて……欲しい」
頭の回転は超低速だ。それでも鷹哉としては口にしたことのない誘い文句だった。みずから脚を広げると、羞恥に目が潤み、さっと頬が桃色に染まる。
善を仰ぎ見れば、余裕を失った表情でこちらを凝視していた。目に情欲が滾り、いつもの愛嬌はどこかに消えている。
これは……思ったより効果あったか? そう期待して、もうひと押しと言葉を重ねる。嘘じゃない。本当に欲しいと思っているのだから。
「準備……してあるからさ。すぐできるぜ」
「誰のために?」
瞬時に返ってきたことばは、普通のトーンなのに鳥肌が立つほど冷たかった。鷹哉は思わずぶるっと身震いする。
誰のために? 誰のために準備したんだっけ?
「――あ。えーっと……」
「まさかあの、脂ぎった男のために?」
「ち、違うって!」
言葉に詰まる。誰でもいいから抱いてもらうために……なんて、間違っても言えない。
上手い言い訳が見つからず狼狽している間に、善は痺れを切らしてしまった。いや、待つつもりもなかったのかもしれない。
「鷹哉くんは好きな人がいても別の人とできるんだね。じゃあこれからは、そんな気も起こらないくらい抱いてあげる」
「っひ」
――絶倫の理解らせなんて、怖いしかないんですけど!!!
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