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019:受付嬢のリサ
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スライムが届くまで、しばらく掛かるだろう。冬場は見つけ難いだろうからな。その代わりと言っては何だが捕まえやすくはある。温度変化に弱いからな。最近はだいぶ寒くあるし。
「その間に錬金釜の設置をしまして」
これから用具類も随時、増えていくことだろう。
そこまでやってて気がついた。
「スライムの溶解液に耐える容器が必要じゃん……」
溜め息。もう一度、冒険者ギルドへ向かう。
何でも揃っていた以前の工房とは違うことを痛感する。賢者の塔にしろ学び舎にしろ親切設計だったことに溜め息が漏れる。
季節はすっかり冬。寒空の下をトボトボと歩く。他に何が必要だろうか、と考えながら。空は灰色の曇天だ。
「あっ、雪……」
ふわふわした白い雪が降り始める。
「こりゃ積もりそうだなぁ」
珍しいな。今年は一段と冷える年になりそうだ。吐く息も白く。気分も何だか寂しく感じる。
さきほど顔を出した冒険者異ギルドへ再び。そこには当然、先程の受付のお姉さんが。
「あら。ジンさん。どうしました?」
「えっとぉ、スライムを入れる容器の購入を忘れていたので」
「あぁ、なるほど」
そこで少し話をすることにした。情報収集という名の雑談。いや。雑談という名の情報収集? まぁどっちでもいいか。現在の時刻は昼。この時間は冒険者ギルドは暇をしているようなので。
「雪。降ってきましたね」
まずは季節の話から。まぁ基本だよな。
「あら。降ってきましたか。どうりで冷えるわけです」
受付のお姉さんの膝上には膝掛が。
「ふむ。足元だけを温める器具ってあったら重宝しますか?」
「そうですね。暖炉だけだとどうしても厳しいですね」
だよな。暖炉だと周辺の空気は暖められても、足元は冷えるよな。さて、どんな器具を作ろうか。
「他に生活する上で、有ったら良いながあれば、教えてください。作れるかどうかは横においておいて」
すると、受付嬢さんの顔がパッと華やいだ。
「良いんですか!」
「はい。これから作っていく物の参考にしますので」
「そうですねぇ。って急に言われても思いつかないものですね……」
「まぁ、ゆっくりでも良いですよ。何時でも待ってますので」
「はい。ありがとうございます。とりあえず足元を温める器具があればいいかな?」
よし。足元を温める器具を作るのは確定だな。でもどんな物を作ろうか?
靴の中に入れる?
靴下自体がぽっかぽか?
いや。それだと汗が気になるな。
まぁ、それは第一候補として、他には……
俺がブツブツと考え事をしていると受付のお姉さんが自己紹介を始めた。
「あっ、私。リサといいます。よろしくお願いします」
「あっ、はい。改めましてジンです。錬金術師です」
「ジンさんは、どこで錬金術を?」
「賢者の学び舎です」
「まぁ! じゃあ……」
「はい。去年に卒業した国家錬金術師です」
「それは凄いですね! じゃあ賢者の塔にも?」
「はい。まぁ……あはは。でも賢者の塔は合わなくて辞めた身の上なので」
「それでも凄いですよ!」
最初は無表情で無愛想そうだったリサさんだったが、思った以上に表情が豊かだ。その後も雑談は、しばらく続き、呆れた様子の彼女の上司が出てくるまでお喋りをしたのだった。
「その間に錬金釜の設置をしまして」
これから用具類も随時、増えていくことだろう。
そこまでやってて気がついた。
「スライムの溶解液に耐える容器が必要じゃん……」
溜め息。もう一度、冒険者ギルドへ向かう。
何でも揃っていた以前の工房とは違うことを痛感する。賢者の塔にしろ学び舎にしろ親切設計だったことに溜め息が漏れる。
季節はすっかり冬。寒空の下をトボトボと歩く。他に何が必要だろうか、と考えながら。空は灰色の曇天だ。
「あっ、雪……」
ふわふわした白い雪が降り始める。
「こりゃ積もりそうだなぁ」
珍しいな。今年は一段と冷える年になりそうだ。吐く息も白く。気分も何だか寂しく感じる。
さきほど顔を出した冒険者異ギルドへ再び。そこには当然、先程の受付のお姉さんが。
「あら。ジンさん。どうしました?」
「えっとぉ、スライムを入れる容器の購入を忘れていたので」
「あぁ、なるほど」
そこで少し話をすることにした。情報収集という名の雑談。いや。雑談という名の情報収集? まぁどっちでもいいか。現在の時刻は昼。この時間は冒険者ギルドは暇をしているようなので。
「雪。降ってきましたね」
まずは季節の話から。まぁ基本だよな。
「あら。降ってきましたか。どうりで冷えるわけです」
受付のお姉さんの膝上には膝掛が。
「ふむ。足元だけを温める器具ってあったら重宝しますか?」
「そうですね。暖炉だけだとどうしても厳しいですね」
だよな。暖炉だと周辺の空気は暖められても、足元は冷えるよな。さて、どんな器具を作ろうか。
「他に生活する上で、有ったら良いながあれば、教えてください。作れるかどうかは横においておいて」
すると、受付嬢さんの顔がパッと華やいだ。
「良いんですか!」
「はい。これから作っていく物の参考にしますので」
「そうですねぇ。って急に言われても思いつかないものですね……」
「まぁ、ゆっくりでも良いですよ。何時でも待ってますので」
「はい。ありがとうございます。とりあえず足元を温める器具があればいいかな?」
よし。足元を温める器具を作るのは確定だな。でもどんな物を作ろうか?
靴の中に入れる?
靴下自体がぽっかぽか?
いや。それだと汗が気になるな。
まぁ、それは第一候補として、他には……
俺がブツブツと考え事をしていると受付のお姉さんが自己紹介を始めた。
「あっ、私。リサといいます。よろしくお願いします」
「あっ、はい。改めましてジンです。錬金術師です」
「ジンさんは、どこで錬金術を?」
「賢者の学び舎です」
「まぁ! じゃあ……」
「はい。去年に卒業した国家錬金術師です」
「それは凄いですね! じゃあ賢者の塔にも?」
「はい。まぁ……あはは。でも賢者の塔は合わなくて辞めた身の上なので」
「それでも凄いですよ!」
最初は無表情で無愛想そうだったリサさんだったが、思った以上に表情が豊かだ。その後も雑談は、しばらく続き、呆れた様子の彼女の上司が出てくるまでお喋りをしたのだった。
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