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028:サリナと話そう
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さて。サリナちゃんだが今回は姉の勧めではなく自分の意思で来たようだ。
「それで? 今日はどうしたの?」
俺がそう尋ねると、彼女は頬を膨らませた上に口を尖らせて言った。
「用がなきゃ来ちゃいけないんですか?」
「あはは。ごめんごめん。そんなことはないよ」
「本当は仕事終わりの夕方頃にでも来たいんですよ。でもジンさん。その時間も仕事してるでしょ? もうね。尋ねていい時間が居つなのかさっぱりなんです。しょうがないので今日は、その辺の話をしに来ました」
おおう。それは済まなんだ。
「そうだな。お昼の時間とかはどう? 一緒に昼食とか」
「それってエステラさんも一緒にですか?」
「まさか。そこは別で」
空気が重い中で食事なんてしたくないからね。
「ふぅん。じゃあ、そうですね。私が昼食を用意しますので食べて下さい」
「あ~、うん。わかったよ。ありがとう。食材とか届けようか? 昼食分として。さすがに全部を持ってもらうわけにはいかないからね」
「それは……正直、助かります」
そこで俺は彼女が日常をどう過ごしているのか気になった。ゴンダやカレナが言うには外にあまり出ないらしいので。
「そうだ。サリナちゃんて普段、家で何してるの? 家って農家だよね。でもあまり外に出ないって……」
「え。えっとぉ、そのぉ……」
「ん?」
「家事の手伝いです。あとは、その……実は木工細工をしています」
おっ! モノ作りしてんだ。
「え。見せて欲しいな。興味ある!」
「別に大したものは作ってませんよ?」
「うん。それでも見てみたいな。どんな物を作ってるの?」
「ペンダントとかを少し……」
「へぇ。木彫りのペンダントか。いいね」
「そう、ですか?」
「うん。じゃあ細かい仕事とか好きなの?」
「はい!」
へぇ。これはもしかしたら。
「実は俺ね。そういう物や道具のデザインって苦手なんだ。実用性重視と言えば聞こえはいいけど。作ったものに飾り気がないって言われる」
「へぇ。ジンさんにも苦手なものがあるんですね」
「そりゃあるよ。腕っぷしにも自信がないからね!」
「そこ。自慢するところですか?」
「あっはっは。そうだね。でもさ。もし良かったら俺の作った道具に飾りを付けてくれないかな? 給金も出すよ?」
「えっ! い、いえ。それは、ちょっと……」
「どうして?」
「じ、自信がない、です」
「そう? まぁさ。無理にとは言わないけど。でも考えておいてよ」
「と、とりあえず作品を見てからにして下さい」
「おっ。実はちょっと自信あり?」
「……わかりません。今まで家族以外の人に見せたことがないので。家族には好評なんですけどね」
「ふぅん。そっか。そうだ! じゃあさ。行商人にでも見せて幾らの値がつくか試してみない?」
「いえ。あの……とりあえずジンさんが気に入るかどうかを先に……」
「そうだね。了解。んじゃ今度、来る時に作品を見せてね!」
「は、はい!」
そんな会話を工房で交わしていると培養中のスライムが動いた。サリナちゃんが興味を示す。
「なんですか? この茶色と黄色のゲチョゲチョは……」
「スライムだよ」
「スライム?」
「魔物だね」
「え! 魔物を飼ってるんですか!」
「うん。錬金の素材用にね」
「へ、へぇ……」
顔が引きつってるな。まぁ魔物を飼育なんて普通は狂気の沙汰だよな。いちおう説明しておく。
「このスライムをね弱体化させて、トイレの排泄物処理用に改良するんだ。王都では、これが主流でさ」
「わざわざですか? その……家畜にでも食べさせたらいいんじゃないですか? 豚も居ますし」
「うん。まぁこの辺では、それでもいいんだけど。王都では家畜を飼育は簡単じゃないからね」
「はぁ……?」
どうやらピンとこないようだ。家畜とともに生きる生活をしている人ならではだよな。
「まぁ。いいや。いちおう我が家では、これを導入しようと思ってる。冒険者ギルドの職員の宿舎でも取り入れるらしいよ。職員がお金を出し合ってね」
「へえ……良い物、なんですよね?」
「そうだね。一度経験すると分かるんだけどね」
するとサリナちゃん。
「都会の人って変わってる」
そう感想を述べたのだった。
ふっふっふ。いずれ君もスラリン無しでは要られない体にしてやろう。俺は密かにそう思うのだった。
「それで? 今日はどうしたの?」
俺がそう尋ねると、彼女は頬を膨らませた上に口を尖らせて言った。
「用がなきゃ来ちゃいけないんですか?」
「あはは。ごめんごめん。そんなことはないよ」
「本当は仕事終わりの夕方頃にでも来たいんですよ。でもジンさん。その時間も仕事してるでしょ? もうね。尋ねていい時間が居つなのかさっぱりなんです。しょうがないので今日は、その辺の話をしに来ました」
おおう。それは済まなんだ。
「そうだな。お昼の時間とかはどう? 一緒に昼食とか」
「それってエステラさんも一緒にですか?」
「まさか。そこは別で」
空気が重い中で食事なんてしたくないからね。
「ふぅん。じゃあ、そうですね。私が昼食を用意しますので食べて下さい」
「あ~、うん。わかったよ。ありがとう。食材とか届けようか? 昼食分として。さすがに全部を持ってもらうわけにはいかないからね」
「それは……正直、助かります」
そこで俺は彼女が日常をどう過ごしているのか気になった。ゴンダやカレナが言うには外にあまり出ないらしいので。
「そうだ。サリナちゃんて普段、家で何してるの? 家って農家だよね。でもあまり外に出ないって……」
「え。えっとぉ、そのぉ……」
「ん?」
「家事の手伝いです。あとは、その……実は木工細工をしています」
おっ! モノ作りしてんだ。
「え。見せて欲しいな。興味ある!」
「別に大したものは作ってませんよ?」
「うん。それでも見てみたいな。どんな物を作ってるの?」
「ペンダントとかを少し……」
「へぇ。木彫りのペンダントか。いいね」
「そう、ですか?」
「うん。じゃあ細かい仕事とか好きなの?」
「はい!」
へぇ。これはもしかしたら。
「実は俺ね。そういう物や道具のデザインって苦手なんだ。実用性重視と言えば聞こえはいいけど。作ったものに飾り気がないって言われる」
「へぇ。ジンさんにも苦手なものがあるんですね」
「そりゃあるよ。腕っぷしにも自信がないからね!」
「そこ。自慢するところですか?」
「あっはっは。そうだね。でもさ。もし良かったら俺の作った道具に飾りを付けてくれないかな? 給金も出すよ?」
「えっ! い、いえ。それは、ちょっと……」
「どうして?」
「じ、自信がない、です」
「そう? まぁさ。無理にとは言わないけど。でも考えておいてよ」
「と、とりあえず作品を見てからにして下さい」
「おっ。実はちょっと自信あり?」
「……わかりません。今まで家族以外の人に見せたことがないので。家族には好評なんですけどね」
「ふぅん。そっか。そうだ! じゃあさ。行商人にでも見せて幾らの値がつくか試してみない?」
「いえ。あの……とりあえずジンさんが気に入るかどうかを先に……」
「そうだね。了解。んじゃ今度、来る時に作品を見せてね!」
「は、はい!」
そんな会話を工房で交わしていると培養中のスライムが動いた。サリナちゃんが興味を示す。
「なんですか? この茶色と黄色のゲチョゲチョは……」
「スライムだよ」
「スライム?」
「魔物だね」
「え! 魔物を飼ってるんですか!」
「うん。錬金の素材用にね」
「へ、へぇ……」
顔が引きつってるな。まぁ魔物を飼育なんて普通は狂気の沙汰だよな。いちおう説明しておく。
「このスライムをね弱体化させて、トイレの排泄物処理用に改良するんだ。王都では、これが主流でさ」
「わざわざですか? その……家畜にでも食べさせたらいいんじゃないですか? 豚も居ますし」
「うん。まぁこの辺では、それでもいいんだけど。王都では家畜を飼育は簡単じゃないからね」
「はぁ……?」
どうやらピンとこないようだ。家畜とともに生きる生活をしている人ならではだよな。
「まぁ。いいや。いちおう我が家では、これを導入しようと思ってる。冒険者ギルドの職員の宿舎でも取り入れるらしいよ。職員がお金を出し合ってね」
「へえ……良い物、なんですよね?」
「そうだね。一度経験すると分かるんだけどね」
するとサリナちゃん。
「都会の人って変わってる」
そう感想を述べたのだった。
ふっふっふ。いずれ君もスラリン無しでは要られない体にしてやろう。俺は密かにそう思うのだった。
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