診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第5章 2号館、屋上から動き出す

83話 屋上厨房オープン

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 いよいよ今日、月曜日。待望の屋上厨房の引き渡しだ。

特にセレモニーはないけれど、工事関係者とフーズの責任者、それに三輪さん、友井さん、菜の花のスタッフたちが集まった。

今日の朝礼は屋上でやることにした。

オープンということで、今日はスタッフが全員いるから多いな。

みんなが本館の屋上に出るのは、多分これが初めてじゃないかな。

どちらかというと、今日は理事の出番だろう。

俺が夏の顔を見ると、「えっ?」という表情をしている。

……しょうがない奴だ。やっぱり自覚が足りん。

そう思った矢先――なんと社長が登場した。

聞いてないぞ。でも正直、助かった。


社長「皆さん、おはようございます。簡単な作りではありますが、待望の厨房が完成しました。

ここは安全に調理できるように工夫しています。

工事関係者の皆さん、本当にありがとうございました。無理を言って急ピッチで仕上げていただき、感謝いたします。

ここでは、2号館の患者さんのための“おいしい病人食”を開発していただきます。

これまで菜の花フーズで美味しい食事を追求してくださった三輪さん、友井さん――心から感謝します。

フーズがここまで伸びてこられたのも、このお二人のおかげです。本当にありがとうございます。

どうか、ここを次のステージとして、2号館の患者さんを支える“おいしい味”を探し続けてください。

心よりお願い致します」

――パチパチパチ、と拍手喝采が起きた。

なんていい挨拶なんだろう。三輪さんと友井さんは、思わず涙ぐんでいる。

社長は二人のところへ歩み寄り、固く握手を交わした。

「どうぞこれからも思いっきりやってください。期待していますよ」

熱いエールを送り終えると、俺たちに「じゃあ!」と軽く手を振り、あっという間に姿を消してしまった。

……なんだよ、それ。

それに続いて工事関係者やフーズの関係者も一緒に社長の後を追った。

はあ、まあいいか。


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