診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第6章 菜の花寮の大騒動

112話 協議の結果と麻酔医がほしい

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 その後、大学病院から返事があり、弁護士も同席して大学病院へ向かった。

会議室で病院長や弁護士、理事、部長たちと顔を合わせる。なんとも不思議な気分だ。

話し合いは岡田弁護士の主導で始まった。

「トリアージはしたでしょう。しかし川瀬医師を頼った。万が一のために佐久間医師にも頼った。

ところが麻酔医不在・病室不足・夜勤体制なしを把握しないまま、十分な説明もなく電話を切り、救急車が到着してしまった。

判断すべき麻酔医の確認を怠った結果、無茶な押し付けが行われた。その結果が、この会議です」

病院長も救急科の責任者も難しい顔をしていた。

いろいろ言い訳をするかと思いきや、意外にも病院長は非を認めた。

「トリアージはしたが、麻酔医の有無までは確認できていなかった」

さらに「入院施設がないことも考えていなかった」


――まったく、どうしてこうなるのか。

だが素直に協議に応じる構えを見せた。

その後はとんとん拍子に話が進み、1時間もかからず終了。

協議書は岡田弁護士が用意していた案とほぼ同じで、両者が照らし合わせてその場で一枚を作成し、双方がサインして終わった。

認めるべきは認め、今後の協定を結ぶ。

2号館ができた時には、逆に大学病院も救急患者を引き受けてもらう協力体制を築いた方が有利――向こうもそう考えたのだろう。

幸い死亡事故にはならなかった。それも優秀なスタッフがいたからこそだ。

午前中で協議は終わり、早速社長にお礼を伝えて詳細を報告した。




戻ってきて一番に夏と桐生さんに宣言した。

「理事と桐生さんに頼みたい。全力で麻酔医をつかまえよう。

最高の条件で最高の環境を作って、とにかく三人!

2号館ができるまで人件費が無駄になっても構わない、とにかく早く来てもらおう」

「それから……三人が来てくれるなら、遊ばせるわけにもいかない。麻酔科の外来を作ろう。ペイン外来だ」

理事「ペイン外来?いいけど、場所はもうないでしょう?」

「夏、俺のマジックを忘れたか?」

桐生さんがぷっと吹き出す。

「もう考えてある。本館4階の奥の静養室だ。ベッドが六つある。痛みで苦しむ患者は横になることが多いから、ぴったりだろう」

桐生「ああ、なるほど。しかも防音室もありますね」

「そうだ。医局もある。三人いても居場所に困らない。防音室は陣痛室にしたけど、産婦にはなるべく来てほしくないし、結局フリーみたいなもんだ。

ベッドを出して机と椅子を置けば十分外来に使える。

2号館ができれば3階に正式な麻酔科外来もある。そこへ患者をつなげばいい」

理事「わかった。最高条件で三人募集ね。それと他の応募者もかなり溜まってるよ。

そろそろ面接しないと。今度の土曜でどうかな?」

「よし、そうしよう。履歴書を全部見せてくれない? コピーでいいよ。今日中に面接連絡をしてほしいよ」

桐生「はい、承知しました。ではコピーをご用意します」


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