診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第6章 菜の花寮の大騒動

117話 面接マラソン・3・岩城外科医・登場

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 そろそろ来る頃だ。――みんなには言っていなかった。

「実は今日は岩城外科医が来ます。手術の都合で来られるか分からなかったのですが、先ほど下に到着したそうです」

花井部長「ええ? じゃあ真打ち登場じゃないですか!」

皆がクスクスと笑った。

「やはり外科医を選ぶなら、岩城がいないと決まらないですよ。彼がメインですからね」

そこへ、彼が会議室に入ってきた。

「遅くなって申し訳ありません。本日はどうぞよろしくお願いします」

すぐに外科医の応募者を招き入れた。

神谷 俊介(38)

佐伯 美咲(42)

村井 大地(35)

岡野 翔太(50)

一人、にやにやしている応募者がいた。すると岩城もにやにやしている。なんだよ。

「ではお一人ずつ、応募の動機とアピールをどうぞ」

神谷俊介
「岩城先生を前にすると恥ずかしいのですが……。最新のAI手術機械が導入されること、そして岩城先生がいらっしゃること。外科医なら誰でも憧れる環境です。ズバリ、仲間に入れてください! もちろん寮も希望します!」

佐伯美咲
「私も同じです。岩城先生と一緒に仕事をして学びたい。全力でついていきます。私も寮を希望しています。どうぞお願いします」

村井大地
「三人目なので同じことを繰り返すのはやめますが……結局、理由は同じです(笑)。ここで岩城先生と仕事できないなら、一生悔やみます。寮も希望です。どうぞお願いします」

岡野翔太
「私も最後に、岩城先生と一緒に仕事をしたくて思い切って来ました。どうかよろしくお願いします。寮も必須です。お願いします」

応募者全員が“岩城ラブコール”。視線を向けると、岩城もにやにやしていた。

「岩城先生、すごい人気ですね。一言お願いします」

岩城「……いや、俺も恥ずかしいんですけどね。皆さんにそう言っていただけて、本当に光栄です。

実は皆さんのこと、学会でちゃんと見てましたよ。発表を拝見して感心していました」

「ええ!?」応募者たちが一斉に驚く。

岩城「院長、何人採用しますか?」

「お任せします」

岩城「じゃあ……全員採用でいいですか?」

理事に視線を送る。

理事「はい、岩城先生にお任せします。大丈夫です」

岩城「では全員採用です。これからどうぞよろしくお願いします」

そう言って、一人一人としっかり握手を交わした。

岩城「じゃあ北原、ごめん。ちょっと患者が気になるので病院に戻るわ」

「わかった。ありがとう。お疲れさま」

岩城が去ると、理事と顔を見合わせた。

「さて……寮ですが、医師寮は残り2室。技師寮ならまだ余裕があります。どうしましょうか?」

山科看護部長「こういう時は、あみだくじがいいんじゃないですか? 私が作りますよ」

「では皆さん、それでよろしいですか?」

応募者たちは苦笑しながら頷いた。

――結果、医師寮を引き当てたのは岡野先生と佐伯先生。神谷先生と村井先生は技師寮へ。

「では、これからよろしくお願いします」


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