診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第6章 菜の花寮の大騒動

119話 面接マラソン・5・理事の泣き

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 「理事、寮はどうするの? 医師もまだ控えているし、臨床工学士がいなければ手術が回らない。

それにICUのナースや技師たちだって、寮がなければ困る。

もし寮をあてにして来た人が『やめます』って言い出したら、どうするんだ?」

プレッシャーをかけた。

どうせあの社長のことだ、きっと隠し玉を持っている。俺はそう確信していた。

理事はしょんぼりして理事室へ。

……まあ、どうせ泣きの電話を入れるだろう。

食事を終えて夏が会議室に戻ってきた。

ん? なんだか少し元気を取り戻している。やっぱりな。

「で、社長がなんだって?」

理事「今それ聞く?」

「当たり前だろ。いつ聞くんだよ。早く言えよ」

皆が注目する。

理事「あのね、駅の反対側、徒歩5分のところにある大学の寮を買い上げたんだって。改築に入るけど工期は5か月はかかるらしい」

「さすがだな。それで何室あるんだ?」

理事「25室くらい。でも間取りによっては減るかもしれない。狭いワンルームだって言ってた」

「それでも助かるよ。社長によろしく言っておいてくれ。念のため完成は“6か月後”と伝えておこう。早ければ喜ばれるしな」

その後の面接では――

【呼吸器内科】

望月 智之(36)

小川 さくら(32)

【代謝内科】

宮原 結衣(40)

【放射線科】

白石 由美(34)

田中 智也(31)

医師の面接はここで一区切りとなった。ありがたいことに全員が専門医。

地方から来た人も多く、やはり全員が寮を希望した。

狭いワンルームと聞いて少しがっかりした顔もあったが、それでも「寮が確保できる」と大喜びしてくれた。

そして最後に――待望の臨床工学士5名を全員採用。

給料を他所より200万もUP したんだ。

お陰で良い人材が確保できた。

うち2人は指導資格持ちで、今後の育成・教育まで任せられる。

これで手術体制は大きく前進だ。

社長のおかげで、地方からの有望な人材を確保できた。

やはり一番の功労者は社長だよね。

その後は最後まで待たせてしまったナース達の面接。

もうここは申し訳ないけど、看護部長と看護師長に任せた。

花井部長も疲れ切っていた。

……まだ看護補助、清掃スタッフの面接も残っている。


でも今日は限界だよ。一旦風呂に入りたいよ。

なんと言っても、俺は今夜8時からズーム面接が残ってる。

夏も絶対引き込んでやる。

二人でやろうぜ。


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