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第10章 人が集う、嵐の春
191話 魅惑のコーディネート・1
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エリナさんに連絡をして、二人の全身写真やサイズ、いろんな表情のスナップをファイルにして送った。
ついでに船旅の行程も。船やコースによって服装が変わるらしく、資料として必要なんだそうだ。
そして――こっそり“新婚さん”ということで、ナイトウェアと下着まで(これは俺と莉子と夏からのお祝い)お願いした。
お揃いのナイトガウンまでセットで用意してもらった。
これはサプライズ。
「船に乗ってから開けてね」と伝えるつもりだ。
*
三月の中旬、少し春めいた土曜日の午後。
リビングには、莉子が貸してあげる予定のアクセサリーやスカーフをきれいに並べて準備完了。
そこへ、緊張気味の二人がやって来た。
「すみません、お邪魔します……」
主任が小さくなって川瀬と一緒に入ってくる。
もうそれだけでおかしい。
ふたりそろって、なんだか可愛い。
エリナさんはアシスタントを連れて登場。
荷物が大掛かりで、ハンガーラックを二台も持ってきていた。
スーツケースもないというから、それも一緒に頼んでおいた。
――もうこの時点で、楽しい予感しかしない。
「では、エリナさん、お願いします」
「はい。このたびは川瀬さん、佳代さん、ご結婚おめでとうございます。
こんなに楽しいお仕事は初めてです。お声をかけていただいて、本当にありがとうございます。
今回のコンセプトは、“気取らずに楽しめて、きちんと格好がつく”。
そして旅が終わっても日常で着られる服装プランです」
エリナさんの言葉に、二人は顔を見合わせて「わぁ」と声を上げた。
拍手が自然に起こった。
テーブルには旅程表に沿ったファッションプランが並んでいる。
珍しそうにプリントを眺める二人。
本番はここからだ。
桃香まで莉子の隣にぴたりと座ってワクワクしている。
(夏は実家に帰っている。「若い男がいたら主任が恥ずかしがるだろ」と言って追い出した)
ちなみに莉子はこっそり動画を撮っている。俺もあとで観るのが楽しみだ。
エリナ「まず最初のお出かけ用スタイルです。試着してみてください。サイズが合わなければすぐに調整します」
二人は桃香の部屋で着替え、少ししてから登場した。
わっと拍手が起こる。照れまくる二人が、なんとも微笑ましい。
今回のテーマは“リッチな大人の休日”。
川瀬はジーンズに上質な白シャツ。
太めのチェーンブレスレット、黒い革ひものペンダント、肩には淡いグレーのカーディガンを無造作に掛け、赤いキャップが差し色になっている。
主任はジーンズに短めの白いジャケット。
中は赤と白のストライプシャツで、帽子は白のキャスケット。
手首には細めのバングルを数本。
麦わら素材のバッグに白いスニーカー――軽やかで明るい。
「いかがですか? リッチ感、出ていますか?」
二人は顔を見合わせ、照れくさそうに頭をかいた。
「かっこいいよ!」と声をかけたら、莉子が「素敵!」
桃香まで「かっこいい~!」と拍手をしていた。
エリナ「船に乗って、最初に船内を歩くときはこのスタイルで大丈夫です。
ちなみに日本船なのでチップは不要です。
ただしディナーでは、きっちり着替えてくださいね」
なるほど、そういう流れか。
二人はスニーカーを脱ぎ、また桃香の部屋へ。
アシスタントがすでに“夜の服”をセッティングして待っている。
アクセサリーのトレーを持ったアシスタントが、部屋の出口でスタンバイ。
「どうぞ」の合図で、二人が登場した。
「おおっ……!」
川瀬は黒のタキシード。
主任は柔らかなクリーム色のワンピース姿。
控えめで上品なのに、どこか華がある。
莉子「わー! 主任、すっごく素敵!!」
エリナ「花嫁さんは“友人の貸してくれたアクセサリー”を身につけると幸せになると言われています。
なので、今日は莉子さんのネックレスをお借りしました」
主任「莉子さん、ありがとうございます……」
莉子はさらにイヤリングをつけてあげていた。
足元のシルバーのサンダルが、ライトを受けてきらりと光る。
まるで本物の映画のワンシーンみたいだ。
ついでに船旅の行程も。船やコースによって服装が変わるらしく、資料として必要なんだそうだ。
そして――こっそり“新婚さん”ということで、ナイトウェアと下着まで(これは俺と莉子と夏からのお祝い)お願いした。
お揃いのナイトガウンまでセットで用意してもらった。
これはサプライズ。
「船に乗ってから開けてね」と伝えるつもりだ。
*
三月の中旬、少し春めいた土曜日の午後。
リビングには、莉子が貸してあげる予定のアクセサリーやスカーフをきれいに並べて準備完了。
そこへ、緊張気味の二人がやって来た。
「すみません、お邪魔します……」
主任が小さくなって川瀬と一緒に入ってくる。
もうそれだけでおかしい。
ふたりそろって、なんだか可愛い。
エリナさんはアシスタントを連れて登場。
荷物が大掛かりで、ハンガーラックを二台も持ってきていた。
スーツケースもないというから、それも一緒に頼んでおいた。
――もうこの時点で、楽しい予感しかしない。
「では、エリナさん、お願いします」
「はい。このたびは川瀬さん、佳代さん、ご結婚おめでとうございます。
こんなに楽しいお仕事は初めてです。お声をかけていただいて、本当にありがとうございます。
今回のコンセプトは、“気取らずに楽しめて、きちんと格好がつく”。
そして旅が終わっても日常で着られる服装プランです」
エリナさんの言葉に、二人は顔を見合わせて「わぁ」と声を上げた。
拍手が自然に起こった。
テーブルには旅程表に沿ったファッションプランが並んでいる。
珍しそうにプリントを眺める二人。
本番はここからだ。
桃香まで莉子の隣にぴたりと座ってワクワクしている。
(夏は実家に帰っている。「若い男がいたら主任が恥ずかしがるだろ」と言って追い出した)
ちなみに莉子はこっそり動画を撮っている。俺もあとで観るのが楽しみだ。
エリナ「まず最初のお出かけ用スタイルです。試着してみてください。サイズが合わなければすぐに調整します」
二人は桃香の部屋で着替え、少ししてから登場した。
わっと拍手が起こる。照れまくる二人が、なんとも微笑ましい。
今回のテーマは“リッチな大人の休日”。
川瀬はジーンズに上質な白シャツ。
太めのチェーンブレスレット、黒い革ひものペンダント、肩には淡いグレーのカーディガンを無造作に掛け、赤いキャップが差し色になっている。
主任はジーンズに短めの白いジャケット。
中は赤と白のストライプシャツで、帽子は白のキャスケット。
手首には細めのバングルを数本。
麦わら素材のバッグに白いスニーカー――軽やかで明るい。
「いかがですか? リッチ感、出ていますか?」
二人は顔を見合わせ、照れくさそうに頭をかいた。
「かっこいいよ!」と声をかけたら、莉子が「素敵!」
桃香まで「かっこいい~!」と拍手をしていた。
エリナ「船に乗って、最初に船内を歩くときはこのスタイルで大丈夫です。
ちなみに日本船なのでチップは不要です。
ただしディナーでは、きっちり着替えてくださいね」
なるほど、そういう流れか。
二人はスニーカーを脱ぎ、また桃香の部屋へ。
アシスタントがすでに“夜の服”をセッティングして待っている。
アクセサリーのトレーを持ったアシスタントが、部屋の出口でスタンバイ。
「どうぞ」の合図で、二人が登場した。
「おおっ……!」
川瀬は黒のタキシード。
主任は柔らかなクリーム色のワンピース姿。
控えめで上品なのに、どこか華がある。
莉子「わー! 主任、すっごく素敵!!」
エリナ「花嫁さんは“友人の貸してくれたアクセサリー”を身につけると幸せになると言われています。
なので、今日は莉子さんのネックレスをお借りしました」
主任「莉子さん、ありがとうございます……」
莉子はさらにイヤリングをつけてあげていた。
足元のシルバーのサンダルが、ライトを受けてきらりと光る。
まるで本物の映画のワンシーンみたいだ。
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