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第10章 人が集う、嵐の春
196話 やさしい夜
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二人で本館7階の院長室に向かった。
夏が「今、履歴書を持ってくるから待ってて」と言って部屋を出た。
院長室のソファに腰を下ろすと、思わずため息が出た。
ああ――今日も疲れたなあ。
午前だけで体力を全部使い果たしてしまった。
足を伸ばして、背もたれに体を預ける。
そのまま少しウトウトしていたのかもしれない。
ふと、重みを感じて目を開けると、夏が俺の上に乗っていた。
「お兄さん、疲れすぎ」
「うん、そうだね。夏にもあまりかまってやれなくて、ごめんね」
夏の髪をそっと撫でると、柔らかな香りがした。
「いいよ。そばにいるだけでいいよ」
普段は聞きなれない言葉に、少し驚いた。
「やさしいことを言うんだな。どうした? 寂しいのか?」
「うん、寂しいよ」
その声が、少し震えていた。
「じゃあ……部屋に戻ろう。履歴書をありがとう。続きは明日にしよう」
夏の手を取って立ち上がる。
その手が、思いのほか温かかった。
二人で廊下を歩いて部屋に戻ると、
莉子が意外そうな顔をした。
「おかえり。あれ? もう戻って来たの?」
テーブルの上では、莉子と桃香が並んでキャラクターを描いていた。
穏やかな笑い声が、部屋の中に響いている。
「お茶でも飲む?」
「いや、もう風呂に入って休むよ。今日はちょっと疲れた」
「うん、わかった。お休みなさい」
そのまま夏の手を引いて寝室に入った。
――穏やかな夜だった。
ぴたっと俺の胸に縋りついてくる夏が可愛い。
「まだ寂しい?」
夏がくすっと胸の中で笑った。
「もう~こんな時に聞くんだもん、意地悪だよ‥‥‥」
「ふっ、そうか?でも夏は・・」
ムッといきなり夏が手のひらで俺の口を塞いだ。
「しーっ」クスクス笑った。
すごく疲れていたのになんだか少し元気になっている。
リフレッシュしたってことなのかな? 不思議だ。
若さを貰ったと言うと年寄り臭いが、でもそんな感じだ。
夏には言えないけど……。
先のことを考えてもしょうがない。
静かな温もりの中で、心がようやく休まった。
夏が「今、履歴書を持ってくるから待ってて」と言って部屋を出た。
院長室のソファに腰を下ろすと、思わずため息が出た。
ああ――今日も疲れたなあ。
午前だけで体力を全部使い果たしてしまった。
足を伸ばして、背もたれに体を預ける。
そのまま少しウトウトしていたのかもしれない。
ふと、重みを感じて目を開けると、夏が俺の上に乗っていた。
「お兄さん、疲れすぎ」
「うん、そうだね。夏にもあまりかまってやれなくて、ごめんね」
夏の髪をそっと撫でると、柔らかな香りがした。
「いいよ。そばにいるだけでいいよ」
普段は聞きなれない言葉に、少し驚いた。
「やさしいことを言うんだな。どうした? 寂しいのか?」
「うん、寂しいよ」
その声が、少し震えていた。
「じゃあ……部屋に戻ろう。履歴書をありがとう。続きは明日にしよう」
夏の手を取って立ち上がる。
その手が、思いのほか温かかった。
二人で廊下を歩いて部屋に戻ると、
莉子が意外そうな顔をした。
「おかえり。あれ? もう戻って来たの?」
テーブルの上では、莉子と桃香が並んでキャラクターを描いていた。
穏やかな笑い声が、部屋の中に響いている。
「お茶でも飲む?」
「いや、もう風呂に入って休むよ。今日はちょっと疲れた」
「うん、わかった。お休みなさい」
そのまま夏の手を引いて寝室に入った。
――穏やかな夜だった。
ぴたっと俺の胸に縋りついてくる夏が可愛い。
「まだ寂しい?」
夏がくすっと胸の中で笑った。
「もう~こんな時に聞くんだもん、意地悪だよ‥‥‥」
「ふっ、そうか?でも夏は・・」
ムッといきなり夏が手のひらで俺の口を塞いだ。
「しーっ」クスクス笑った。
すごく疲れていたのになんだか少し元気になっている。
リフレッシュしたってことなのかな? 不思議だ。
若さを貰ったと言うと年寄り臭いが、でもそんな感じだ。
夏には言えないけど……。
先のことを考えてもしょうがない。
静かな温もりの中で、心がようやく休まった。
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