診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第10章 人が集う、嵐の春

197話 永遠のスタッフ募集

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 気になっていた応募者の履歴書を確認した。結構な数がある。

今度の土曜日の面接が最後になるといいな。

まあ、無理だろうけど。

ところで、少し良い話がある。

西村主任が見つけた物流の主任候補のことだ。

発表は2号館オープン前になる予定だけど、候補者は健康診断科にいた男子ナース。

山口大地さん、36歳。

昨年から主任の後をぴったりくっついて、厳しく鍛えられていた。

薬品は細かいし、他におむつやリネン、ペーパー、備品類など、物量が多い。

食品もあるし、本館、サテライト、2号館、救命センターまで管理しなければならないから大変だ。

ナースだから薬品や備品の知識もあるし、その点は安心できて良いのかもしれない。

「ナースなのによく物流に来たねえ?」と西村主任に聞いたら、

「前から退屈しているのは分かっていたんだけど、彼を活かせる場所がなかったから気の毒だった」
と言っていた。へえ~、そうなんだ。

なんせ西村主任のお眼鏡にかなった人物だからね。

今は主任が留守なので、彼はすごく頑張っている。


物流も人が増えてきた。

今はサテの地下で物流品が納品されているが、いずれはすべて2号館の地下の荷受け所に納品されることになる。

2号館の荷受け場所は広い。

荷受け担当の松永俊介さん(55歳)は、元・大手薬品会社の物流マネージャーだった人。

他に、仕分け担当者を2名採用しているので、納品された荷物はサテライト4階の物流倉庫や屋上のプレハブ厨房などに届けてもらう。

いずれ物流を安心して任せられるようになったら、荷受けの管理部門として主任に昇格させようと山野さんと話している。

サテライト4階の物流倉庫には福田陸さんと小林えりかさんが頑張っている。

ここに本館からの山口大地さんが管理者として入って来るから、物流部門は2名の責任者が揃い安泰だ。

たまに行くと、きれいに整理されていて安心する。




夏と桐生さんが院長室にやって来た。

理事「院長、今度の面接の履歴書はどうですか?」

「うん、いいんじゃない。全員採用したいくらいだよ。理事はチェックしてどう思ったの?」

理事「うん、俺も全員OKだと思った。特にひどい人もいないし、来てもらっていいと思うよ」

「桐生さんはどう思いましたか?」

桐生「はい。私も理事の意見と同じです。今回は狭い地域から固まっている人もいませんし、現職も問題なさそうなので、いいと思います」

「よし、じゃあ全員採用したとすると、全部で何人になるかな?」

ナース:定員122名 ⇒ 現在116名(不足6名)
看護助手:定員32名 ⇒ 今回で充足
お掃除・2号館病棟:46名 ⇒ OK
しかし、大浴場管理17名と休憩室8名が不足。
さらにテラス寮とアネックス寮の清掃で12名不足。
合計で37名が不足している。

「ああ~そうか……。なんだかまだ先が長いね」

桐生「どうすればお掃除スタッフをもっと集められるのでしょうかねえ?」

理事「あのさ、今閃いたんだけどさ、バスや電車で通うのが不便な人っているんじゃない?
バスもドライバーも増えたから、お掃除スタッフ専用に送迎したらどうかな?

例えばアネックスやテラスにもロッカーを置いて、直接そこに出勤。
タイムカードもそこに置けば便利じゃない?いちいち本館に来なくていいしさ」

思わず桐生さんと顔を見合わせた。

「すごい!!さすが理事、よく考えた!えらい!えらい!」

桐生「これは盲点でしたね。改めて、送迎バスの案内チラシを配ったらどうでしょうか?」

理事「うん、チラシを撒こうよ。へへへ、ようやく理事らしい考えが湧いたよ」

夏が自慢げに喜んでいた。ははっ。

「うん、よしよし、その調子だよ。チラシはいいねえ。きっと応募者が増えるよ。家の前まで車が来てくれたら、通勤時間ゼロだもんね」

理事「もし仕事帰りにスーパーに寄ってから帰りたいなら、時間を決めてスーパー発着にしてもいいしね」

これは取り合えず、どこから応募者が来るか分からないので、決まってから作ることになった。

チラシにも応募者によってコースを決めると書けばOKだ。


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