診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第11章 新しいステージへ

219話 寮母さん寮に引っ越し

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 菜の花テラスの引き渡しがあった翌日、寮母の植村真理子さんが引っ越してきた。

これからまだ納品が色々あって、業者も来るから、管理をする人が必要なんだ。

寮の必要な備品は、”自分の車があるからコツコツ合間を見て買い物に行きます”とのこと。

助かるな。だから駐車場の1台は植村さんが使うことになる。

夏が法人カードとガソリンカードを渡してくれたそうだ。

寮の食器などは全部これからだから、すごく大変だ。

お皿1種類でもアネックスの分も一緒だから、最低でも50枚必要だ。
カタログで見て配送を頼めばいいよと伝えておいた。

パソコンが得意だそうで、「POP類も全部作ります」とのことだった。
頼もしい!!こういう人、好き(笑)。手間いらずだ。

6月からの寮生の引っ越し予定表を渡した。
10月まで5か月もあるのに、その間は旅行でもするのかな?
余裕のある人が多いようだ。

ただし、ひとつ義務がある。

<コードブルーの警報が鳴ったら、在室の寮生は直ちに病院に駆けつけること!>

これだ。どの部屋にもインターフォンがあるから、聞こえるようになっている。
実はこれは病院とつながっている(笑)。寮生の義務だよ。

病院からは常時呼び出しが出来る。
だから宿直と似ている? ふふっ、気の毒に……寮だからしょうがない。
無料なんだから、そういう大変さはあるんだよ。

さて、6月から夏がコンサートの為のレッスンに出かける。
場所は都心にあるスタジオだ。

大丈夫かな……小型の酸素ボンベを渡しておくか?
のど飴がいいか? 吸入器を持たせようか?

莉子「春ちゃん、極甘もほどほどにね。赤ちゃんじゃないんだから」
と、くぎを刺された。

「そうかな……」俺って甘いか?

とにかく、その日は時間が過ぎるのがめちゃくちゃ遅かった。

夜8時過ぎて、ようやく夏が帰って来た。

「ただいま~」

「お帰り~」とみんなで言うと、そのままソファにバタンと横になった。

「あれ? 夕食は食べられるの?」

それにも答えず、もう寝てる。わ~......なんだよ。

莉子「よほど疲れたみたいね。ここで寝かせておきましょうよ」

夏は放っておいたんだけど、翌朝目が覚めたら俺のベッドで寝ていた。

今日はレッスンが休みだから、起こさなかった。
昨日は相当緊張していたのかな?

それより、歌えたのかどうか? 俺と莉子はそれが聞きたいんだよね。

莉子「どうなったんだろうねえ?」と言いながらも、
……どうせ歌は無理だろう?と莉子も俺も思っている。

二人で興味津々だった。鼻歌だって聞いたことがない。
第一、カラオケに行ったことはないけど、およそ夏の歌なんて聞いたことがないんだから。
せいぜい小学生の音楽の時間くらいでしょう?

とりあえず、理事不在のまま朝礼をした。
6月は不定期にしか出られないことを一応朝礼で伝えておいた。

みんなが夏の様子を聞きたがった。(笑)

もう~みんなも本当に好奇心が強いんだよね。
こっちだってまだ聞いてないんだからさ。

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