診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

文字の大きさ
287 / 357
第15章 進むべき道へ

285話 採用合格者たち

しおりを挟む
 桐生君さんに「条件が厳しくないか?」と聞いたら——

「いやいや、最高に理想的だと思いますよ。
それくらい音楽業界で食べていくのは大変なんですよ。
それなのに、住むところも食事も衣装も丸抱えで、活動する時は別途報酬が出ますからね。
福利厚生は最高だし、普通のサラリーマンよりよほどいいはずですよ」

あ、そうなんだ。ふ~ん。
俺は基準を間違えてた。
いつもナースや看護助手を基準にするからな(笑)

午後から、2次審査が始まった。

楽譜を初見で演奏してアドリブを入れる。

バンド演奏をする人たちは、初めて会う相手ばかりなのに、いきなりセッションを要求される。

最初はピアノから始まり、ドラムがリズムを刻み始め、ギターやベースが入っていく。

ワンコーラスが終わると、次から順に各楽器がアドリブを入れて繋いでいく。
一通り終わったら、藤堂さんが合図をしてエンディングに入る。

ふっ、すげえ~。なんで?
今までずっと一緒にやっていた人みたいにうまい。

そうやって、3組がバンド演奏をした。

お互いに初めてなのに、どうやって確かめ合ってるのか、俺には全然分からなかった。

審査が終わり、とりあえず参加者は下の控室で待機。

審査員の結果はどうなんだ?

俺は「いいなあ」と思う人が何人かいたけど、素人だから黙ってるよ。

ただ、俺と夏と莉子も、いいと思った人には5点評価で丸を付ける審査票をもらっていた。

その結果——

レギュラー採用(各1名)
• ピアノ
• キーボード
• ドラム
• リードギター
• ベース


 準レギュラー採用
• パーカッション1名
• トランペット:1名
• サックス:1名
• ヴァイオリン:6名
• ビオラ:3名
• チェロ:3名
• コントラバス:1名
合計21名。

他にヴァイオリン2名。ヴィオラ1名、チェロ1名の予備の登録者が決まった。
合計25名

この予備の登録者は大きなコンサートなどは出るんだけど、普段は出番があまりないかもしれないという扱い。
でも寮には住んで良くて給料も拘束費として毎月5万円。他に昼夜のお弁当券を支給。活動する時は別途支給。
その代わり出稼ぎOK。

あ~、レジデンスの寮が一気に25室ふさがってしまった。

準レギュラーの場合は、寮と朝食がつく。
毎月最低保証は10万円。
曲によって出番があるそうなので、別途支給される。
もちろん、空いている時間は出稼ぎ自由。

それ以外の条件はすべて同じ。

寮は住まなくても用意される。
待ち時間や、時間が遅くなったり、演奏会場からのシャトルバスの都合で、
ホテルに泊まってもらった方がいいからだ。

準レギュラーは、だいたい午前の出番。
バンドは午後から。
これだと出稼ぎがしやすいのかな。

今回のピアノの人が、かなり達者な人で、
「アレンジも作曲もなんでもやる」と言っていた。

桐生さんたちが、ちょっと迷っていたんだよね。

バリバリのプロのアレンジャーを頼むつもりだったらしい。
どうなるんだろう?

バリバリは高いんだよ。やっぱり。
案件ごとに報酬が必要だと言っていた。

それより——
全員、ニックネームで呼ぶことになったから、みんな考えてたよ(笑)


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

網代さんを怒らせたい

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「なあ。僕たち、付き合わないか?」 彼がなにを言っているのかわからなかった。 たったいま、私たちは恋愛できない体質かもしれないと告白しあったばかりなのに。 しかし彼曰く、これは練習なのらしい。 それっぽいことをしてみれば、恋がわかるかもしれない。 それでもダメなら、本当にそういう体質だったのだと諦めがつく。 それはそうかもしれないと、私は彼と付き合いはじめたのだけれど……。 和倉千代子(わくらちよこ) 23 建築デザイン会社『SkyEnd』勤務 デザイナー 黒髪パッツン前髪、おかっぱ頭であだ名は〝市松〟 ただし、そう呼ぶのは網代のみ なんでもすぐに信じてしまい、いつも網代に騙されている 仕事も頑張る努力家 × 網代立生(あじろたつき) 28 建築デザイン会社『SkyEnd』勤務 営業兼事務 背が高く、一見優しげ しかしけっこう慇懃無礼に毒を吐く 人の好き嫌いが激しい 常識の通じないヤツが大嫌い 恋愛のできないふたりの関係は恋に発展するのか……!?

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

純愛以上、溺愛以上〜無愛想から始まった社長令息の豹変愛は彼女を甘く包み込む~

芙月みひろ
恋愛
保険会社の事務職として勤務する 早瀬佳奈26才。 友達に頼み込まれて行った飲み会で 腹立たしいほど無愛想な高原宗輔30才と出会う。 あまりの不愉快さに 二度と会いたくないと思っていたにも関わらず 再び仕事で顔を合わせることになる。 上司のパワハラめいた嫌がらせに悩まされていた中 ふと見せる彼の優しい一面に触れて 佳奈は次第に高原に心を傾け出す。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...