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どたばたデイズ!
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「ヒメリ兄ちゃん、洗濯物干し終わったよ」
「ありがとう、スバル。朝ご飯の用意が出来てるから先に食べていて?」
ヒメリは今日も一人、パン生地と格闘している。
「うん、分かった」
七人の共同生活が始まって既に一週間が経過している。スバルとオリオの父親はアルコール中毒で病院に入院しており、子供たちの面倒を見るのは困難だと国から判断された。
母親は行方知らずらしい。
ヒメリは一時的にだが、スバルとオリオの保護者になった。本来であれば、実際に子供を育てた経験の有無など、厳しい審査がある。
だが、スバルたちたっての希望もあり、無事審査を通過することが出来たのだった。
ヒメリは町にある役所へバンを走らせ、子供たちが学校に行けるよう手筈を整えた。
彼らに必要なのは彼らを守ってくれる環境である。二人は読み書きすら怪しかったので、年齢より少し下の学年に入れるようにした。
これで安心だ。スバルもオリオも元は優しい子だ。すぐに友達だって出来るだろう。
パンの成形がようやく終わり、ホイロに寝かせる。しばらく経ったら焼きの作業だ。
ヒメリは朝食を食べるため生活スペースに向かった。
オリオとスバルが一心不乱に麺をすすっている。今日は米粉で出来た麺料理らしい。
出汁のいい香りが鼻をくすぐる。最近はこうして賑やかく過ごせるのがとても楽しい。
「お疲れ、ヒメリ。お前の分もすぐ出来る。座ってろ」
キッチンに立っていたのは小人の一人とクロードだった。
彼の今までの経歴を聞いたところ、プロの料理人らしい。ふらり、と外国に出掛けては美味いものをひたすら探す。
もし気に入った料理があれば、それをとことん調べ尽くし、必要があれば、その店に頼み込んで働くのだそうだ。根無し草だとクロードは笑った。もちろん中には治安の悪い国もある。
クロードはそれに対処するため、護身術を学んだとも言っていた。だからあんなに強いのかとヒメリは納得した。
彼がこの店に来た理由、それはやはり美味いパンが食べられると聞いたかららしい。
ヒメリは今日、彼にパンを味見してもらおうと思った。幾多ある料理を食べてきたクロードが満足するかは分からない。少し緊張するが、ヒメリは自分のパンの正確な評価が聞きたかった。
「ヒメリ、出来たぞ」
どん、と器が目の前に置かれる。細切りになっている青野菜の上に焼き目のついた鶏肉がどさっと載っていた。その上にはタレがかかっている。
「いただきます」
ヒメリは箸を手に取った。幼い頃、箸の使い方や食事の作法をみっちり教え込まれた。ヒメリが麺をすするとつるりと口の中を潤してくれる。
「わ、美味い」
「美味いか?」
クロードがヒメリの目の前に座る。ヒメリは頬が熱くなるのを感じた。
この感情にヒメリは戸惑いを隠せない。
クロードのことを自分は特別視している。初めて感じるこの気持ちがなんなのか、ヒメリにはよく分からなかった。
「ヒメリ、お前猫舌か?」
ずっと麺をふぅふぅしていたら心配そうにクロードに尋ねられた。
「あ!えーと、そう…かな」
「今度は熱々にしないようにする」
クロードが決意したように言う。ヒメリはそれに余計顔が熱くなってしまう。
ふと、頭の中に「好きだな」という言葉が思い浮かんだ。
自分はクロードに惚れてしまっているのだ。ヒメリはなんとか麺を啜った。今は考え込んでいる場合ではない。これから大事なパンを焼くのだから。
「ありがとう、スバル。朝ご飯の用意が出来てるから先に食べていて?」
ヒメリは今日も一人、パン生地と格闘している。
「うん、分かった」
七人の共同生活が始まって既に一週間が経過している。スバルとオリオの父親はアルコール中毒で病院に入院しており、子供たちの面倒を見るのは困難だと国から判断された。
母親は行方知らずらしい。
ヒメリは一時的にだが、スバルとオリオの保護者になった。本来であれば、実際に子供を育てた経験の有無など、厳しい審査がある。
だが、スバルたちたっての希望もあり、無事審査を通過することが出来たのだった。
ヒメリは町にある役所へバンを走らせ、子供たちが学校に行けるよう手筈を整えた。
彼らに必要なのは彼らを守ってくれる環境である。二人は読み書きすら怪しかったので、年齢より少し下の学年に入れるようにした。
これで安心だ。スバルもオリオも元は優しい子だ。すぐに友達だって出来るだろう。
パンの成形がようやく終わり、ホイロに寝かせる。しばらく経ったら焼きの作業だ。
ヒメリは朝食を食べるため生活スペースに向かった。
オリオとスバルが一心不乱に麺をすすっている。今日は米粉で出来た麺料理らしい。
出汁のいい香りが鼻をくすぐる。最近はこうして賑やかく過ごせるのがとても楽しい。
「お疲れ、ヒメリ。お前の分もすぐ出来る。座ってろ」
キッチンに立っていたのは小人の一人とクロードだった。
彼の今までの経歴を聞いたところ、プロの料理人らしい。ふらり、と外国に出掛けては美味いものをひたすら探す。
もし気に入った料理があれば、それをとことん調べ尽くし、必要があれば、その店に頼み込んで働くのだそうだ。根無し草だとクロードは笑った。もちろん中には治安の悪い国もある。
クロードはそれに対処するため、護身術を学んだとも言っていた。だからあんなに強いのかとヒメリは納得した。
彼がこの店に来た理由、それはやはり美味いパンが食べられると聞いたかららしい。
ヒメリは今日、彼にパンを味見してもらおうと思った。幾多ある料理を食べてきたクロードが満足するかは分からない。少し緊張するが、ヒメリは自分のパンの正確な評価が聞きたかった。
「ヒメリ、出来たぞ」
どん、と器が目の前に置かれる。細切りになっている青野菜の上に焼き目のついた鶏肉がどさっと載っていた。その上にはタレがかかっている。
「いただきます」
ヒメリは箸を手に取った。幼い頃、箸の使い方や食事の作法をみっちり教え込まれた。ヒメリが麺をすするとつるりと口の中を潤してくれる。
「わ、美味い」
「美味いか?」
クロードがヒメリの目の前に座る。ヒメリは頬が熱くなるのを感じた。
この感情にヒメリは戸惑いを隠せない。
クロードのことを自分は特別視している。初めて感じるこの気持ちがなんなのか、ヒメリにはよく分からなかった。
「ヒメリ、お前猫舌か?」
ずっと麺をふぅふぅしていたら心配そうにクロードに尋ねられた。
「あ!えーと、そう…かな」
「今度は熱々にしないようにする」
クロードが決意したように言う。ヒメリはそれに余計顔が熱くなってしまう。
ふと、頭の中に「好きだな」という言葉が思い浮かんだ。
自分はクロードに惚れてしまっているのだ。ヒメリはなんとか麺を啜った。今は考え込んでいる場合ではない。これから大事なパンを焼くのだから。
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