【完結】あなたのいない、この異世界で。

Mhiro

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最終章

115 -ルークside- ㊼ *

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「お別れを…してきた」

 かつての恋人に別れを告げてきたと言うユイの言葉は、あの夢を見ていた俺には十分すぎるほどの説得力があった。俺との未来のために<最後の救済>に文字通り命をかけて願ってくれたことを知り、俺は俺の全てをユイに捧げようと思った。

「ルーク、愛してる。こんな僕だけど、この先もずっと、そばにいてほしい」
「…それって、プロポーズ?」
「プロポーズ…です」

 頬を染めながら向けてくるはにかんだ笑顔に、壊れそうなほど心臓の鼓動が乱れた。ユイの言葉が死ぬほど嬉しくて、力いっぱい抱きしめながら俺もプロポーズをすると、声を弾ませながら「はいっ」と応えてくれた。
 帰路に立つ前、ユイは俺の手を取って、噴水広場から流れてくる音楽に合わせてダンスを始めた。「あの時の約束、やっと果たせたね」と笑いながらステップを踏む姿を見て、俺の目には初めてユイが"綺麗"や"かわいい"じゃなく、"かっこいい"と映った。

 こんなことを言ったら、ユイは怒るかもしれないな……。

 でも、そんな怒るユイの顔を想像すると自然と頬が緩んで、いつか見てみたいと思った。このプロポーズが遠い思い出になる頃に言ってみようかと密かに決意し、俺は転移魔法を発動させた。
 ユイの部屋に転移したあと、ユイはさっそく公邸でもらった魔法具で部屋をきれいにしていた。まだ二度目の来訪だというのに、どこかホッとするユイの部屋は俺の帰る場所になっていた。

 そうか。"ユイ"が、俺の帰る場所になっているんだ。

 そう思い至った途端、無性に自分の腕の中に閉じ込めたくなって、俺は押し倒すようにユイに口づけた。それを受け入れてくれたユイを時間をかけて愛撫し、ようやく繋がれたあの瞬間は、すぐに果ててしまいそうで堪えるのが大変だった。
 そんな俺の状態などお構いなしに、無自覚に煽ってくるユイはどこまでも淫らに俺を翻弄した。


「はじめてなのに、すごく…きもちよかった」

 互いに果てた後に重ねた唇をそっと離し、呼吸を乱しながら漏らす甘美な言葉が、俺を再び滾らせた。間近にあるユイの蕩けた笑顔と淫靡な視線は、俺にさらなる嬌艶きょうえんを渇望させる。
 上体を引き起こし、ナカにれたままユイを膝の間に跨らせると、さっきは届かなかった奥深くに到達した。

「っんぁ……っ!」

「…っ、はぁ、ほら、奥まで挿入はいったよ……」

 さきほど達した快感がまだ全身を巡っているのか、俺のモノを締め付けてくる。
 絡みつくいてくるユイの熱を感じながら、弱い部分を擦り上げるように下から突き、最奥まで抽挿を再開させた。

「あっ、ん、ダっ、メ……っ!い…ま、…っん、イった…ばかりな、のに…っ」

 律動の合間に発する途切れ途切れの言葉が、俺の劣情を掻き立てる。

「っはぁ…ユイ、気持ちいい…?」

「ひっ…んっ…、…死ぬほど、きもち、いい…っ」

 恍惚とした表情で言うその言葉に、俺はさらに昂って律動の速度を上げた。

「あぁっ、はっ、んぅ、やぁっ…っ」

「嫌?もうやめる…?」

「っ、や…め、ないでっ…もっと、おく…突いて…っ」

 ユイは喘ぎながら背中をしならせ、艶めかしく求めてきた。奥を突かれる度に長い髪をはらはらと浮かせ、気持ちのいいところに当たるよう無意識に腰を動かしている。

「あぁ…っ!イ、くっ…また、イっちゃうっっ──」

 程なくしてユイは白濁を放ちながら再び果て、息を荒げて肌を密着させてきた。ユイの温もりを全身で感じ、うねるナカの気持ちよさに果てるのを必死で耐えた。やがてユイは身体を離し、うっとりした夜明け色の瞳が俺をとらえた。

「ルーク…大好き。ずっと愛してる」

 汗を滲ませた額を重ね、夜明け色の瞳を涙で潤ませながら囁いてきた。艶やかな唇からこぼれた言葉には、狂おしいほどの想いが込められていて、苦しいくらいに俺の胸を多幸感で満たしてくれた。

「ユイ…。俺の…俺だけのユイ…。もう絶対に、離さないから」

 ユイは満面の笑みを浮かべ、俺の髪に指を絡ませるように手を回し、ゆっくり舌先を咥内に忍ばせてきた。俺は絶頂に達して力の抜けたユイの腰を掴み、再び突き上げるように揺さぶりながら口づけを受け入れる。
 唇を塞がれたまま「んっ、んっ…」と喘ぐユイの声を聞いているうちに、頭が蕩けそうになるくらいの快感の波が襲ってきた。抽挿するたびに濡れた音が聞こえるほど、とろとろになったユイのナカに、俺は二度目の熱を放った。





 自分の世界にはユイしかおらず、ただひたすらユイを求めていたら、気づけば夜も深い時間になっていた。

「ユイ、お風呂入る?もうこのまま寝ちゃう?」
「……はいるぅ…」

 気だるそうに返事をしながら、ユイはベッドの中でもぞもぞ動いていた。そんな様子にかわいいなと思いながら、俺は今にも眠りに墜ちそうなユイをそっと横抱きして浴室に向かった。
 完全に箍が外れていた俺は当然…と言うべきか、浴室でも抑えることができなかった。まだ僅かに意識のある状態のユイは、ふわふわした表情をしていて、シャワーで濡れるとさらに扇情的になった。全身に泡を纏わせて撫でるように洗うと、ぴくんと身体が跳ね、甘い息を吐く。そんな愛しい人を目の前にして、抑えられるわけがない。
 俺がユイの背中を抱き込むように覆い、に屹立した自身をあてがうと、ユイは悩まし気な表情で振り返った。

「……足りないの?」
「足りない。……ダメ?」
「…ん、いいよ」

 肩越しに深く口づけ、ゆっくりナカに挿入はいると、柔らかくなったユイのは難なく俺のモノを根元まで咥え込んだ。ユイは自分の身体を支えるように壁に手をつき、俺は泡塗れのユイを片手で支えながらナカを擦った。

「はっ、んぁ、あぁっ…。す、ごく、いいっ、トコ、あ、たっ、てるっ…!」

 もう片手で胸の頂をつまんでクニクニ弄ると、ユイの切なげな声に艶が増す。

「っ、もっと啼いて…。ユイのいやらしい声、好き」

「やぁっ…はず、かしいっ…」

 抽挿する度に浴室に響く喘ぎ声と淫らな音も、包み込んでくるナカの温かさも、鏡越しの快感を求める蕩けた表情も、ユイの全てが俺を滾らせた。これだけの誘惑の中、のぼせる前に浴室を出られただけでも褒めてもらいたい。
 互いに果てたあと手早く身体を洗い流し、予め生活魔法できれいにしていたベッドに入ったが、その頃にはユイの意識は完全に睡魔に奪われていた。
 病み上がりのユイを抱き潰してしまったことに罪悪感を覚えたが、当のユイは満たされたような顔で眠っている。そんな寝顔を見ていたら心地いい眠気が襲ってきて、俺はユイの温かい身体を抱きしめながら眠りに就いた。


 その翌日から、まぐわいが大半を占める爛れた生活が数日続き、落ち着きを取り戻したのはユイが目覚めて4日過ぎた頃だった。


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