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第一章
30 -ルークside- ⑨
しおりを挟むユイと想いを通わせてからというもの、今まで以上に彼を目で追うことが多くなった。隙あらばユイを物陰に引っ張り込み、抱きしめたりキスをして、日々の幸せを噛みしめた。でも、孤児院の自室で致そうとしたときは、さすがにダメだと拒まれた。
「子ども達に声でも聞かれたら恥ずかしいし、教育上よくないでしょ!」
「そんなの、防音魔法でどうとでもなるよ?」
「でも僕は気になるんですっ!」
顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに言うユイは、この上なく愛おしく見えた。その必死な姿に、俺は仕方なくその願いを聞き入れ、そういうことは<秘密基地>でのみ行うと約束した。
とはいえ、ユイが<秘密基地>に来てゆっくりできるのは、週一回の礼拝が終わった午後くらいしかなかった。俺は約束をしたことを後悔しつつも、二人で過ごせる日はユイを余すところなく堪能しようと心に決めた。
近いうちにユイと身体を繋げる。そのためにはならしと、ユイが痛い思いをしないように潤滑剤が必要だ。幸い、催淫効果のある潤滑剤は、手持ちの素材ですぐに作れた。あとは礼拝の日が来るのを待つだけ。
───の、はずだった。
週一回の礼拝が終わると、普段着に着替えたユイと森を散策しながら<秘密基地>に向かった。収穫祭のあとは季節が一気に進んで、肌寒い日が増えた。
「初めて来た時も思ったけど、この部屋ってベッドはないんだね」
<秘密基地>に着き、お茶を飲み終えてソファで寛いでいるとき、ユイが聞いてきた。
「うん。少なくとも、俺がここに来たときにはね。前の家主は、睡眠は二の次で錬金術に没頭してた人なのかも。まぁ、錬金術師ってそういう傾向の人が多いけど」
「そっか。……でも、ルークは根詰めずに、適度に休憩も取るんだよ?」
ユイが俺の頭を優しく撫でながら、優しく微笑んだ。気遣ってくれるのが嬉しくて、俺はつい勢いよくユイを抱き寄せてしまった。そのままユイが俺を組み敷く体勢になり、ゆるく結った長い黒髪がベールのようにはらりと落ちた。
これまでベッドがないことに不便さを感じなかったのに、今では簡易的なものでも準備しなかったことが悔やまれる。そう思いながら、髪をかき上げるように手を後頭部に添えて引き寄せると、ユイは俺の意図を汲み取って抵抗することなく唇を落とした。
服の上から胸の頂を擦りながら、もう片方の手を背中から腰、そしてその下の柔らかな双丘に触れると、ユイの唇が急に離れた。
「ねぇ…っ、ルークっ。1つお願いが、あるんだけど……」
ユイは恥じらいながら言い淀んだため、俺は彼の次の言葉を待った。
「その……、僕…に挿れるの…、君が18歳になるまで待ってほしんだっ」
それは全く予想していなかった言葉で、俺の思考は一瞬停止した。
「………………なんで?」
「ほらっ、僕って教会に仕えている身だし、…君も孤児院で生活してるじゃない?もし、僕とルークがそういう関係になったってことが知られて、教会に対して悪いイメージがつくことになったら……」
ユイが言わんとしていることは分かる。自分を保護してくれたシグルド司祭や院長に、迷惑をかけたくないのだろう。
「──なら、俺からも1ついい?」
「何?」
「ユイのここをならすの、俺にさせて?」
双丘の谷間にそっと指を這わせながら言うと、途端にユイの顔が赤くなり、身体をびくっと震わせた。
「大丈夫。ちゃんとナカでイけるように、じっくり優しく開いていくから……」
俺が耳元で囁くと、羞恥心で顔を上げられないのか、ユイは俺の胸に額を押し付けてじっとしていた。
「──っ、…わかった。約束ね」
ユイはしばらく思案した末、俺とそういう約束を交わしてくれた。正直、成人するまでユイと繋がれないのはつらいし、我慢できる自信もない。でも、ユイの心配も理解できる。
教会に仕える者に恋愛や婚姻の制限はないが、結婚するまでは純潔を守るべきという固定観念がある。とくにこの村のような田舎では、そんな考え方が根強く残っているのだ。もし俺とユイに肉体関係があると知られれば、恐らく俺よりもユイの方が矢面に立たされる。もちろん、そんなことはさせないし、知られるようなヘマもしないが。
それでも、ユイの望みである以上、俺はそれに沿うだけだ。
すぐにユイと繋がれないのは非常に残念だが、俺が成人すればもう外野のことは気にせず、思う存分ユイを抱ける。それまでは、ゆっくり時間をかけてユイの身体をつくり変えていこう。
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