異世界で王城生活~陛下の隣で~

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 異世界人プラス陛下の婚約者候補と認識された事により、ユリカの行動範囲も広がる事となった。

 お茶会へのお誘いも日に日に増えていくが、そこは女官長であるマクベスさんが上手く調整してくれているらしい。
 周囲に二人の仲を見せつけるためか執務室へもちょこちょこ呼ばれ、陛下の休憩時間にお茶に付き合ったりしている友梨香であった。
 陛下からの寵愛を受けている風には傍か見えていると思って間違いはないと、キャステルにも言われて友梨香は役目を果たせ嬉しくも思っていた。


「ウリル地方の川が氾濫し農作物に被害が出ている」
 キャステルの言葉にシリウスは腕を組み溜息を吐く。
「そうか、三年目に当たるか。そうだな、ついこの間みたいな気がするが、そういう時期か。支援金と税の引き下げを通達せよ」
「了解」

 今日も室に呼ばれていた友梨香は、お茶を飲む手を止めレオナルドとキャステルの会話を聞いていた。

「ねぇ、陛下。三年目って?」

「ん、ウリルは三年ごとに雪解け水と大雨が一緒になり氾濫するのだ」

「それって、何か対策をしているの?」

「対策?自然の事ゆえ何をすると言うのだ。その分作物に被害があれば支援金と税率を減らしておる」

「どうして?三年ごとに被害があるってわかっているのに。河川の護岸工事で堤防を作れば防げるでしょう?一時的にお金が掛かってもその方が住民と国のためにもなると思うんだけどな」

「堤防?」

「地形にもよるだろうけど。その地方の地図はある?」

「地図か、ファビ、ウリルの地図を」

「はいよー」

 お茶を飲み干し、少し大きめなテーブルに陛下と移るとキャステルさんが大きな地図を持って来てくれた。
 ウリル地方は麦の生産地で収穫量も多い。平らな地形にパルル川が流れているので水源も豊富のようだ。
 地図を見ると氾濫するのは決まった場所で、大きく曲がったカーブの外側だ。
 川の直ぐ傍から畑が広がっているみたい。
 コンクリートが無いので高い堤防とかは無理だと思い、私は畑を多少潰しても河川敷を大きくとり川幅を広げ水量が増しても水の勢いを弱めることが出来るように提案してみた。
 もう一つはカーブになる手前でもう一本川を作り分岐点に水門を作る。
 水位が上昇したら本流に流れる水を水門を開け支流に分散する手も。
 二人は私のつたない説明を真剣に聞いてくれて、土木の専門者に意見を聞くと言ってくれた。
 日本でも台風や長雨で河川の氾濫により、命を落としたり家を失う事はあるのだ。
 高い技術をもって対策をしても自然の力には勝てない事も多々あるけれど。
 だからと言って何もしないというのは違うよね。
 そこに住む人たちの営みを護る努力は国がしないで誰がするのよ。
 ねっ!
 と、宰相様と大臣様の前でプレゼンもやったのだ。

 そんな訳で災害後、視察に行き私の意見が取り入れらるようになったのだ。
 河川敷となる畑は国が買い取り、工事はすぐに始められた。
 三年後、水害が防げるといいな。

 私は大学で英文学専攻だったから全くの畑違いだけど、義務教育と高校で習った地理や、化学程度の知識でもこの世界では役に立つことが判った。
 私でも役に立てる。
 突然現れた変な小娘にも優しくしてくれるこの国に恩返しができるかも、と思ったら俄然やる気がでてきたよ。



 それ以降ちょこちょこ陛下の執務室に顔を出しては、仕事をのぞき見をして自分の出来ることを模索する友梨香でありました。

 その数年後には城下、市井等の下水道の整備や、平民が学べるようにと教会内に学び舎の設置をするなどの事業にも友梨香は関わっていく事となる。

 聖女のように病気を治す事は出来ないが、風呂で身体を清潔に保つという自分たちにとっては当たり前の基本的な知識が役に立つとは思わなかった。
 風邪で命を落とすという事も多々あったこの国で、家の換気や乾燥する冬場には適度な加湿も必要と訴え、流行風邪はやりかぜでの死亡率を減らすことも出来たのだった。
 





 
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