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「はぁー」
川向こうの林では紅葉した葉が色褪せ風に乗ってひらひらと空を舞っている。
真冬という季節になるのだろうけれど、日本より全然寒くはないので落ち葉を見ながら不思議な気持ちになる。
この世界に来て半年が過ぎ、もうじき新年を迎えようとしていた。
「何かあっという間の半年だったなぁ」
露天風呂に入りながらポツンと呟く。
「ユリカさま、そろそろ準備をされませんと」
「そうね、キャンちゃんディナーの準備をしなくちゃ。
友梨香は湯から上がるとメアリーアンからバスタオルを受け取り脱衣場へとペタペタと歩いて行く。
「今日は何を作られるのですか?」
「うんとね、付け込んでおいたスペアリブを焼いて……あとはキャンにある物で簡単なおつまみかな」
「ふふ、良いですね。ユリカ様の世界のお料理は簡単でもとっても美味しいですもの。陛下の好みにも合っていますし」
「シリウスはやっぱりお肉料理よね。ここが海の近くだったら新鮮な魚料理も作れるのになー」
「そうですね、運ぶにもお日にちが掛かってしまいますものね」
「そうなのよ、そこを何とかしたい」
そんな会話をしながらの着替えも終わり、友梨香はシリウスを迎えるべく準備に掛かった。
婚約発表をしてから随分と経つが忙しいシリウスとは政務の間にお茶をするぐらいでゆっくりと会うことが出来ずにいたのである。
寝室から続く部屋の鍵はとうに掛けられなくなっていた。
深夜近くまで仕事しているシリウスが時々そのドアから寝室へやってきて、暫らく友梨香の寝顔を見て髪を撫で頬を摩り口づけを落としてまた、自室に戻っていくのを友梨香は知らない。
いや、ほんのたまにだが、寝ているかの彼女の隣に滑り込みしばらく添い寝をして直ぐに部屋を後にもしている。
だが、寝つきが良く眠りも深い友梨香は全く気付いておらず、多少なりとも寂しさを募らせているであろうと思われる主の姿を見てメアリーアンはキャステルに相談をしていた。
そんな訳で、すれ違いの多い二人他の為に、久しぶりにゆっくりと話ができるならと気楽な夕食をキャンちゃんでしたら良いのではないかとキャステルたちが提案したのだった。
そうこうしている内にシリウスがキャステルと共に馬でやって来た。
馬から降りて来たシリウスはそのまま友梨香の元に駆け寄り彼女を抱きしめる。
「くるじぃ……シリウス」
「あはは、悪かった。久しぶりにユリカを見たから嬉しくなってしまった」
シリウスの熱が抱きしめられた友梨香にも伝わってきて嬉しい反面、照れ隠しで素っ気なくしてしまう。
現在二人の恋人おつきあいは順調に進行中である。
キャステルやメアリーアンからすれば、未だに身体を繋げていない二人を不思議に思っているのだが、何故かそれ以上の進展がないのだ。
『時折添い寝はされているんですよ。でも……』
『あのシリウスが婚約まで持ち込んでおいてユリカ孃に手を出していないなんて信じられないな』
『陛下ってこんな真面目でしたっけ?』
『以前を思えは考えられない』
『もしかして婚姻まで我慢されるとか?』
『まさか……』
そんな会話が二人の間でされているなんてことは当人たちは知らない。
「分かったから離れて、料理の準備が出来ない」
「仕方ないな」
離れ際に友梨香の額にキスをして笑みを落としてきた。
少し離れたところでキャステルとメアリーアン、そしてルードウィックが溜息を吐いている。
「お風呂に入ってくれば?その間に用意しておくよ」
「ああ、そうだな。露天風呂も久しぶりだ。キャステルお前もどうだ?」
振り向きながらキャステルを見ると彼は両手を広げ頭を左右に振っている。
「俺は良いよ、ルードと一緒にあっちの風呂に入るし向こうに飯の用意もしてくれているから。なぁルード?」
「えっ、ああそうですね」
「あれ?みんなここで食べないの?」
友梨香が首を傾げ三人に問いかける。
「ユリカさま、久しぶりの陛下とのお食事です。お二人でどうぞお召し上がりください」
メアリーアンの言葉に後の二人も頷いている。
「後で迎えに来るからそれまで二人で楽しんでいろよ」
「ああ、キャステル頼む」
「えっ、え?」
「そう云う訳だからユリカ嬢、シリウスをよろしく~」
あっという間に三人は馬に跨りキャンちゃんを後にする。残された二人は……
「なんだ、みんなでご飯と思っていたのに」
「ユリカは私と二人だけでは嫌だと?」
訝し気に顔を覗き込んでくるシリウスに友梨香は動揺してしまう。
「そ、そんな事はないわ!とにかくお風呂、お風呂に入ってきて!ビールも冷えてるから」
「おっ、あの缶ビールか。では、まず風呂だな」
シリウスは満足そうに頷き友梨香の差し出したタオルを受け取ると露天風呂への階段を上って行った。
「はぅー、何動揺してるんだろうあたし……」
友梨香は呟きながら焼き網の上のスペアリブをひっくり返した。
***************
※なかなか更新できず申し訳ありません。
弟の方はリハビリをしながら抗がん剤治療をするという事で何とか落ち着きました。
しかし、先週キッチンの蛇口が壊れ交換したのですが、昨日朝に流しの前に水たまりがぁ~💦
古い流し台なので扉の中も張り替える事になり大騒動。
完全に乾くまで張替が出来ないので空にしたままそれまで中にあったものが段ボールに入れて……
来週の火曜日まで我慢。
大家さん、システムキッチンに変えて下さーいと叫びたい(笑)
何だか精神的に疲れている次第でございます。
また東京感染者も増えていますし、今年は猛暑のようですので皆様もどうぞご自愛くださいませ。
川向こうの林では紅葉した葉が色褪せ風に乗ってひらひらと空を舞っている。
真冬という季節になるのだろうけれど、日本より全然寒くはないので落ち葉を見ながら不思議な気持ちになる。
この世界に来て半年が過ぎ、もうじき新年を迎えようとしていた。
「何かあっという間の半年だったなぁ」
露天風呂に入りながらポツンと呟く。
「ユリカさま、そろそろ準備をされませんと」
「そうね、キャンちゃんディナーの準備をしなくちゃ。
友梨香は湯から上がるとメアリーアンからバスタオルを受け取り脱衣場へとペタペタと歩いて行く。
「今日は何を作られるのですか?」
「うんとね、付け込んでおいたスペアリブを焼いて……あとはキャンにある物で簡単なおつまみかな」
「ふふ、良いですね。ユリカ様の世界のお料理は簡単でもとっても美味しいですもの。陛下の好みにも合っていますし」
「シリウスはやっぱりお肉料理よね。ここが海の近くだったら新鮮な魚料理も作れるのになー」
「そうですね、運ぶにもお日にちが掛かってしまいますものね」
「そうなのよ、そこを何とかしたい」
そんな会話をしながらの着替えも終わり、友梨香はシリウスを迎えるべく準備に掛かった。
婚約発表をしてから随分と経つが忙しいシリウスとは政務の間にお茶をするぐらいでゆっくりと会うことが出来ずにいたのである。
寝室から続く部屋の鍵はとうに掛けられなくなっていた。
深夜近くまで仕事しているシリウスが時々そのドアから寝室へやってきて、暫らく友梨香の寝顔を見て髪を撫で頬を摩り口づけを落としてまた、自室に戻っていくのを友梨香は知らない。
いや、ほんのたまにだが、寝ているかの彼女の隣に滑り込みしばらく添い寝をして直ぐに部屋を後にもしている。
だが、寝つきが良く眠りも深い友梨香は全く気付いておらず、多少なりとも寂しさを募らせているであろうと思われる主の姿を見てメアリーアンはキャステルに相談をしていた。
そんな訳で、すれ違いの多い二人他の為に、久しぶりにゆっくりと話ができるならと気楽な夕食をキャンちゃんでしたら良いのではないかとキャステルたちが提案したのだった。
そうこうしている内にシリウスがキャステルと共に馬でやって来た。
馬から降りて来たシリウスはそのまま友梨香の元に駆け寄り彼女を抱きしめる。
「くるじぃ……シリウス」
「あはは、悪かった。久しぶりにユリカを見たから嬉しくなってしまった」
シリウスの熱が抱きしめられた友梨香にも伝わってきて嬉しい反面、照れ隠しで素っ気なくしてしまう。
現在二人の恋人おつきあいは順調に進行中である。
キャステルやメアリーアンからすれば、未だに身体を繋げていない二人を不思議に思っているのだが、何故かそれ以上の進展がないのだ。
『時折添い寝はされているんですよ。でも……』
『あのシリウスが婚約まで持ち込んでおいてユリカ孃に手を出していないなんて信じられないな』
『陛下ってこんな真面目でしたっけ?』
『以前を思えは考えられない』
『もしかして婚姻まで我慢されるとか?』
『まさか……』
そんな会話が二人の間でされているなんてことは当人たちは知らない。
「分かったから離れて、料理の準備が出来ない」
「仕方ないな」
離れ際に友梨香の額にキスをして笑みを落としてきた。
少し離れたところでキャステルとメアリーアン、そしてルードウィックが溜息を吐いている。
「お風呂に入ってくれば?その間に用意しておくよ」
「ああ、そうだな。露天風呂も久しぶりだ。キャステルお前もどうだ?」
振り向きながらキャステルを見ると彼は両手を広げ頭を左右に振っている。
「俺は良いよ、ルードと一緒にあっちの風呂に入るし向こうに飯の用意もしてくれているから。なぁルード?」
「えっ、ああそうですね」
「あれ?みんなここで食べないの?」
友梨香が首を傾げ三人に問いかける。
「ユリカさま、久しぶりの陛下とのお食事です。お二人でどうぞお召し上がりください」
メアリーアンの言葉に後の二人も頷いている。
「後で迎えに来るからそれまで二人で楽しんでいろよ」
「ああ、キャステル頼む」
「えっ、え?」
「そう云う訳だからユリカ嬢、シリウスをよろしく~」
あっという間に三人は馬に跨りキャンちゃんを後にする。残された二人は……
「なんだ、みんなでご飯と思っていたのに」
「ユリカは私と二人だけでは嫌だと?」
訝し気に顔を覗き込んでくるシリウスに友梨香は動揺してしまう。
「そ、そんな事はないわ!とにかくお風呂、お風呂に入ってきて!ビールも冷えてるから」
「おっ、あの缶ビールか。では、まず風呂だな」
シリウスは満足そうに頷き友梨香の差し出したタオルを受け取ると露天風呂への階段を上って行った。
「はぅー、何動揺してるんだろうあたし……」
友梨香は呟きながら焼き網の上のスペアリブをひっくり返した。
***************
※なかなか更新できず申し訳ありません。
弟の方はリハビリをしながら抗がん剤治療をするという事で何とか落ち着きました。
しかし、先週キッチンの蛇口が壊れ交換したのですが、昨日朝に流しの前に水たまりがぁ~💦
古い流し台なので扉の中も張り替える事になり大騒動。
完全に乾くまで張替が出来ないので空にしたままそれまで中にあったものが段ボールに入れて……
来週の火曜日まで我慢。
大家さん、システムキッチンに変えて下さーいと叫びたい(笑)
何だか精神的に疲れている次第でございます。
また東京感染者も増えていますし、今年は猛暑のようですので皆様もどうぞご自愛くださいませ。
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