異世界で王城生活~陛下の隣で~

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41二人の気持ち

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「少し冷えて来たみたい」

「ん?そうだな。キャンちゃんの中に移動するか」

「じゃぁ、グラスだけ持って……」

 そう言って立ち上がるとシリウスに腕を掴まれ引き寄せられてストンと彼の膝の上に座らせてしまった。

「ああ、本当だ。すっかり湯冷めして体が冷えて来ているな」

 緩く抱きしめられながら耳元で言われ友梨香の頬が熱を持つ。

「体が冷えて来ているのに頬は熱くなってるぞ、どうしてかな?」

「なっ、シリウスの所為でしょう!離して」

 頬を撫で態と意地悪な事を言ってくるシリウスの顔を見上げれば鼻先が触れ、あっという間に唇を奪われてしまった。
 そしてそまま抱き上げられ開けたままのキャンちゃんの狭い扉を器用にすり抜け車内へと上がっていく。

「わ、ワインが零れちゃう」

「暴れなければ大丈夫だ」

 シリウスはそのまま後部のベッドに行き友梨香を静かに降ろすと、彼女の持っていたグラスを取り上げ残っていたワインを一息に飲み干した。口の端から少し零れた液体を親指で拭う一連の仕草を友梨香はまるで映画の一シーンのように頬を赤らめたまま無言で眺めている。

「ユリカ 今夜はここで一夜を明かす」

「へっ?」

 友梨香の隣に腰を下ろし頬を撫でながら言われた言葉に自分の思考が追い付いてかない。

「キャステルたちに明日まで迎えに来るなと言ってある」

「えっ、えっ、それは……ここで眠るという事でしょうか」

「ああ、いや眠らせてやれないかもしれない」

 少し酔っているのかもしれないシリウスのアイスブルーの瞳がきらりと光るのを見て友梨香の背中に冷や汗のような物が流れていく。

――えっ、それって今夜なの?そんな急に言われても……

「もう婚約もしたし、妃に決まったのだから良いだろう。だめか友梨香?」

――だ、ダメではない。ダメではないけどまだ心の準備がぁ~

 そう心で叫びながら何時ぞやのような甘い口づけに翻弄され徐々にとろけていく友梨香を見て、シリウスの唇が微かに震えククッと喉を鳴らすのが分かった。

「ふふ、可愛いな。安心しろ流石にここではな。友梨香を抱く時はやはりあの部屋のベッドの上が良い。今夜は久しぶりに添い寝がしたい」

 トロンとした顔のままだった友梨香がハッと我に返る。

「えっ、ああそうなの?はぁー。びっくりした……うん、シリウスとの初めてはわたしもちゃんとしたお部屋が良いかも。
 何か申し訳ないけど少しほっとした。最近ちゃんと会えなかったし二人きりで話も出来なかったからちょっと不安だった。シリウスに触れたいとも思っていたけど、いざとなったら……あはは、処女でも無いのにね」

 横になり向き合ったまま苦笑する友梨香の頭を自分の胸に抱き寄せシリウスは優しく撫でながら

「そのような事を気にしているのか?前の世界の事は私に関係ない。こちらの世界に来てからはユリカは乙女のままであろう。だから私も初夜は大切にしたいと思っているのだ」

 と自分の思いを静かに優しく告げるシリウスの胸に友梨香は自分の額をスリスリと押し付けた。

「シリウス……ありがとう」

「愛しているぞ、ユリカ」

「うん、あたしも」

 そうして二人は食むような口づけを何度も交わしそのまま眠りにつくのだった。

 

 
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