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デネス大国に入って三日が過ぎた。イヴァルからの追手が現れる様子もない。
僕は初めて見る他国の街の様子や美しい景色に、ずっとドキドキしていた。楽しい気持ちが続いていた。
それはリアムと一緒だからだ。昼間の移動の時も、夜に眠る時もずっと傍にいる。
もしも生き延びることができてリアムの妻になれたら、こんな毎日が続いていくのかな。呪われた子の僕が、そんな幸せを望んでもいいのかな。
再びリアムと旅を始めた頃から、僕は欲張りになっている気がする。
デネス大国で一年中雪に覆われているという山を見た後は、リアムの国に一緒に行きたい。リアムの城に行きたい。さすがにバイロン国の王城に追手は入って来れないだろうから。その城でリアムの傍で、ずっと暮らしていきたい。
そんな願望が募っていた。
三日目の昼に、目的の山の麓に着いた。山の麓には、空の青を映して輝く大きな美しい湖がある。雪で覆われた白い山と青い湖がとても美しくて、僕は寒さも忘れて、しばらく見とれていた。
「きれいだな…」
「……うん」
「フィーのことだ」
「…僕?」
湖のほとりで身体を寄せあって見ていたけど、リアムが僕の肩を抱いて顔を覗き込みそんなことを言う。
白のストールを鼻の下まで巻いてるけど、寒くてきっと僕は赤い鼻をしている。もしかして鼻水も出てるかもしれない。そんな僕のどこが綺麗なんだろうと首を傾けた。
「景色に感動したんだろう?おまえの涙はきれいだな」
「あ…」
手袋を脱いでストールを下げ、そっと自分の頬に触れると、確かに濡れている。自分では意図してなかったのに、心から感動すると自然と涙が出るんだと驚いた。
「僕…こんなにきれいな景色を見たの、初めて。来てよかった…。リアム、連れてきてくれてありがとう」
「これだけじゃないぞ。これからも色々な所に連れて行って、色んなものを見せてやる」
「…いいの?」
「当然だ。フィーは俺の妻になる予定だからな」
「…うん」
リアムが顔を寄せて、僕の頬にキスをする。
僕が目を閉じると、唇に柔らかい感触がした。
「ん…」
「フィー」
僕の唇に軽く触れながら、リアムが僕を呼ぶ。
ゆっくりと目を開けると、間近の紫の瞳に泣き顔の僕が映っている。
「俺はフィーを愛している。必ず幸せにする。俺の…妻になってくれないか?」
僕は再び目を閉じて唇を強く押し当てた。そしてリアムの背中に腕を回して目を開ける。
「僕で…いいの?」
僕も唇を離さずに聞く。
「フィーがいい」
「僕も…リアムがいい。リアムが好き。たぶん…この気持ちは、リアムを特別に想う気持ち…。だから、僕をリアムの妻にして…ください」
リアムから息を飲む音がした。
リアムの反応が不安だったけど、今までで一番の笑顔になって僕を強く抱きしめてくれた。
「もちろんだ!今すぐバイロン国に帰ろう!帰ったらすぐに式を挙げる!」
「ちょっと…苦しいよ」
リアムが僕を抱き上げて、踊るようにくるくると回る。
僕は強く抱きしめられて苦しいのと、目が回ってきたのとでリアムの肩を叩いて止める。
「あっ、悪い」と動きを止めて、リアムが僕の頬に頬を擦り寄せた。
「フィー!俺、こんなに嬉しい気持ちになったのは初めてだ!絶対に放さないからな!覚悟しろよ」
「僕が本当に呪われた子だとしても?」
「まだそんなことを言うか?おまえは呪われた子ではない。だが呪われた子だとしても、俺は放さないぞ」
「ありがとう…リアム」
感動して流していた涙が、歓喜の涙に変わる。
もっとリアムを感じたくて強くしがみつく。
その時、また針で刺されたように胸がツキンと痛くなった。今度ははっきりと感じた。勘違いではない。確かに痛みがある。
幸せで満たされていた僕の中に、小さな不安が芽生えた。
僕は初めて見る他国の街の様子や美しい景色に、ずっとドキドキしていた。楽しい気持ちが続いていた。
それはリアムと一緒だからだ。昼間の移動の時も、夜に眠る時もずっと傍にいる。
もしも生き延びることができてリアムの妻になれたら、こんな毎日が続いていくのかな。呪われた子の僕が、そんな幸せを望んでもいいのかな。
再びリアムと旅を始めた頃から、僕は欲張りになっている気がする。
デネス大国で一年中雪に覆われているという山を見た後は、リアムの国に一緒に行きたい。リアムの城に行きたい。さすがにバイロン国の王城に追手は入って来れないだろうから。その城でリアムの傍で、ずっと暮らしていきたい。
そんな願望が募っていた。
三日目の昼に、目的の山の麓に着いた。山の麓には、空の青を映して輝く大きな美しい湖がある。雪で覆われた白い山と青い湖がとても美しくて、僕は寒さも忘れて、しばらく見とれていた。
「きれいだな…」
「……うん」
「フィーのことだ」
「…僕?」
湖のほとりで身体を寄せあって見ていたけど、リアムが僕の肩を抱いて顔を覗き込みそんなことを言う。
白のストールを鼻の下まで巻いてるけど、寒くてきっと僕は赤い鼻をしている。もしかして鼻水も出てるかもしれない。そんな僕のどこが綺麗なんだろうと首を傾けた。
「景色に感動したんだろう?おまえの涙はきれいだな」
「あ…」
手袋を脱いでストールを下げ、そっと自分の頬に触れると、確かに濡れている。自分では意図してなかったのに、心から感動すると自然と涙が出るんだと驚いた。
「僕…こんなにきれいな景色を見たの、初めて。来てよかった…。リアム、連れてきてくれてありがとう」
「これだけじゃないぞ。これからも色々な所に連れて行って、色んなものを見せてやる」
「…いいの?」
「当然だ。フィーは俺の妻になる予定だからな」
「…うん」
リアムが顔を寄せて、僕の頬にキスをする。
僕が目を閉じると、唇に柔らかい感触がした。
「ん…」
「フィー」
僕の唇に軽く触れながら、リアムが僕を呼ぶ。
ゆっくりと目を開けると、間近の紫の瞳に泣き顔の僕が映っている。
「俺はフィーを愛している。必ず幸せにする。俺の…妻になってくれないか?」
僕は再び目を閉じて唇を強く押し当てた。そしてリアムの背中に腕を回して目を開ける。
「僕で…いいの?」
僕も唇を離さずに聞く。
「フィーがいい」
「僕も…リアムがいい。リアムが好き。たぶん…この気持ちは、リアムを特別に想う気持ち…。だから、僕をリアムの妻にして…ください」
リアムから息を飲む音がした。
リアムの反応が不安だったけど、今までで一番の笑顔になって僕を強く抱きしめてくれた。
「もちろんだ!今すぐバイロン国に帰ろう!帰ったらすぐに式を挙げる!」
「ちょっと…苦しいよ」
リアムが僕を抱き上げて、踊るようにくるくると回る。
僕は強く抱きしめられて苦しいのと、目が回ってきたのとでリアムの肩を叩いて止める。
「あっ、悪い」と動きを止めて、リアムが僕の頬に頬を擦り寄せた。
「フィー!俺、こんなに嬉しい気持ちになったのは初めてだ!絶対に放さないからな!覚悟しろよ」
「僕が本当に呪われた子だとしても?」
「まだそんなことを言うか?おまえは呪われた子ではない。だが呪われた子だとしても、俺は放さないぞ」
「ありがとう…リアム」
感動して流していた涙が、歓喜の涙に変わる。
もっとリアムを感じたくて強くしがみつく。
その時、また針で刺されたように胸がツキンと痛くなった。今度ははっきりと感じた。勘違いではない。確かに痛みがある。
幸せで満たされていた僕の中に、小さな不安が芽生えた。
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