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フィル様が前王と対面を済ませ、フィル様の部屋に戻ってきた。
改めて俺がなぜフィル様の元へ行けなかったか理由を話すと、フィル様が斬られた箇所を見せろという。気持ちのいいものではないので少しためらったが、シャツを脱いで背中を見せた。
フィル様が心配の言葉を口にして、傷跡に触れる。それだけでもう、俺は感動して震えた。フィル様が心配してくれるのなら、いくら斬られてもいいなどと、バカなことを思った。
俺の傷に触れた後に、フィル様は自分のことを話した。
バイロン国にいたが前王の死を知り、夢に出てきた前王からフェリ様が倒れたと聞いて、助けるために戻ってきたそうだ。
そう話した後にシャツを脱いだフィル様を見て、衝撃を受けた。
フィル様の左肩から腕にかけて、黒い蔦が巻きついている。最近になってできた痣らしい。
城を出られるまでは、傷跡はあれど美しい白い肌をしていたのに。昔に俺がフィル様に話して聞かせた話の中の、呪われた子の特徴と同じではないか。
フィル様は、呪われた子の役目は決まっていると言った。自分の心臓を貫いて、その血をフェリ様に飲ませると言った。
俺は反対した。俺にとって大切なのはフィル様だけだ。その大切な宝を傷つけるなど…ましてや殺すなど許せない。
それなのにフィル様は、俺にと殺せと命じた。…ひどいお方だ。俺の宝を俺の手で壊せと…?
俺は子供のように駄々をこねた。嫌だと繰り返した。
フィル様が「おまえの手で死にたい」と仰ってくれたことは嬉しい。だかそれは、何よりも苦痛で辛い行為だ。
途中でトラビスが来て話が途切れた。
トラビスはフィル様を呼びに来たのだ。大宰相に頼まれ、すぐにフェリ様の部屋に参るようにと。
トラビスは、ただ命じられただけで何も知らないようだが、大宰相は、フィル様の命の代わりにフェリ様が助かることを知っているのだろう。
俺は渋るトラビスを追い返した。
勝手なことをした俺にフィル様が苦笑する。そして相変わらず子供のように拗ねる俺を、優しくなだめてくれる。
俺はフィル様を強く抱きしめた。覚悟を決めたフィル様の落ち着いた様子が、悲しくてたまらなかった。もう無理だ。フィル様の前で感情を制御することができない。俺は泣いた。フィル様の肩に顔を埋めてしばらく泣き続けた。
涙がおさまると、顔を見られないようにして部屋を出た。大宰相に会って話をするために。
フィル様の命を捧げなくとも何か方法があるだろう。というかそもそも、俺はフェリ様がどうなろうと知ったことではない。周りは女王がいなくなると国が滅びると騒いでいるが、バカじゃないのか?ただの迷信だろう?騒ぐ前に自分達でなんとかしろ。国が滅びたなら、俺はフィル様と二人、どこかでのんびりと暮らしたい。
改めて俺がなぜフィル様の元へ行けなかったか理由を話すと、フィル様が斬られた箇所を見せろという。気持ちのいいものではないので少しためらったが、シャツを脱いで背中を見せた。
フィル様が心配の言葉を口にして、傷跡に触れる。それだけでもう、俺は感動して震えた。フィル様が心配してくれるのなら、いくら斬られてもいいなどと、バカなことを思った。
俺の傷に触れた後に、フィル様は自分のことを話した。
バイロン国にいたが前王の死を知り、夢に出てきた前王からフェリ様が倒れたと聞いて、助けるために戻ってきたそうだ。
そう話した後にシャツを脱いだフィル様を見て、衝撃を受けた。
フィル様の左肩から腕にかけて、黒い蔦が巻きついている。最近になってできた痣らしい。
城を出られるまでは、傷跡はあれど美しい白い肌をしていたのに。昔に俺がフィル様に話して聞かせた話の中の、呪われた子の特徴と同じではないか。
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俺は反対した。俺にとって大切なのはフィル様だけだ。その大切な宝を傷つけるなど…ましてや殺すなど許せない。
それなのにフィル様は、俺にと殺せと命じた。…ひどいお方だ。俺の宝を俺の手で壊せと…?
俺は子供のように駄々をこねた。嫌だと繰り返した。
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途中でトラビスが来て話が途切れた。
トラビスはフィル様を呼びに来たのだ。大宰相に頼まれ、すぐにフェリ様の部屋に参るようにと。
トラビスは、ただ命じられただけで何も知らないようだが、大宰相は、フィル様の命の代わりにフェリ様が助かることを知っているのだろう。
俺は渋るトラビスを追い返した。
勝手なことをした俺にフィル様が苦笑する。そして相変わらず子供のように拗ねる俺を、優しくなだめてくれる。
俺はフィル様を強く抱きしめた。覚悟を決めたフィル様の落ち着いた様子が、悲しくてたまらなかった。もう無理だ。フィル様の前で感情を制御することができない。俺は泣いた。フィル様の肩に顔を埋めてしばらく泣き続けた。
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