銀の王子は金の王子の隣で輝く

明樹

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 数日かけて、王都の手前の街に着いた。ここに着くまでに、半分近くの騎士達が、家に帰るべく離脱していた。僕達はこの街に留まり、王都までは行かないとゼノが言う。
 早くリアムに会いたい僕は、ゼノに詰め寄った。

「どうして?悠長になんてしてられない。早くリアムを助け出さないとっ」
「わかってます。フィル様、どうか落ち着いて」

 ゼノに飛びついた僕を、ラズールが引き剥がす。

「フィル様、ゼノ殿には考えがあるのですよ。話を聞きましょう」
「ラズール…」

 そうだ。僕一人が騒いでも何もできないのだから。冷静になろう。
 僕はラズールに勧められるままに椅子に座り、ゼノに顔を向ける。

「ゼノ、ごめんね。リアムのことが心配で落ち着かない」
「俺達もそうですよ。今、王城にいるリアム様の叔父上、ラシェット様に手紙を出してます。この宿に来てもらうように」
「リアムの叔父上に?」
「はい。ラシェット様は、リアム様を牢から出すよう、王に直々にお願いをされてますが、全く聞いてもらえないようで、大変困られてます。ですのでラシェット様には領地に戻って、そちらで待っていただくよう、頼むつもりです」
「そうだね。それがいいと思う。リアムの叔父上までもが捕らえられたら大変だ」

「はい」と深く頷くゼノの後ろで、ジルとユフィとテラも頷いている。
 王都に入る前の、最後の休憩地としてこの街に入った。休憩が終わると、第一王子の軍は、王都に向かう。しかし僕達は、王都には行かずにこの街の宿に泊まり、リアムの叔父上と会う。
 リアムの叔父上は、どんな方なのだろうか。リアムが慕っている方だから、きっと素敵な方だ。会えるのが楽しみだな。

「ラシェット様が宿に来られるのは、夜になります。それまでフィル様は、ゆっくりと休んでください。疲れたでしょう?」
「うん、疲れた。どうしても緊張してしまうから。ゼノ達も休んで。ここに着くまで、僕を守ってくれてありがとう」
「俺達がしたくてしたことです。それにこれからの方が大変ですよ」
「そうだね。たくさん食べて体力もつけなきゃね」
「そうしてください。では俺とジルは右の部屋に、ユフィとテラは左の部屋にいます。何かあればすぐに呼んでください。ラシェット様から連絡があれば伝えに来ます」
「うん、よろしく」

 ゼノとジル、ユフィとテラが、挨拶をして出ていった。
 部屋の中が静寂に包まれる。窓の外から、賑やかな話し声と通り過ぎる荷車の音が、かすかに聞こえる。
 僕は椅子から立ち上がるとベッドに行き、ゴロリと横になる。

「少し寝ますか?」

 ラズールが近寄り、僕の足からブーツを脱がす。
 僕は天井を眺めながら「うん…」と呟く。そしてラズールの袖を掴むと「ラズールも寝る?」と聞いた。

「いえ、俺は誰も来ないよう、見張ってます」
「結界を張ってれば大丈夫じゃない?ラズールも寝た方がいいよ」
「しかし」
「ちょっと来て」

 手招きをすると、ラズールが顔を寄せた。


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