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ユラの部屋は、エイルリスと同じくらいの広さがあった。エイルリスの部屋と違うのは、物の多さだ。ベッドがある反対側の壁一面が棚になっており、たくさんの瓶や容器が並んでいる。中には怪しそうな液体や粉が入ってる。薬や毒を精製するのに使うのだろう。火をつける道具や、変わった器具もある。乾燥させた花や草も。
「すごいな。本当に薬とかを作るのが好きなんだな」
「そうなんだ。でも毒と薬は似てるから、薬を作るつもりが毒を作っちゃったってことが、よくあるよ」
「ふーん。危険だな」
エイルリスは、棚に近づいた。棚をのぞきこんで、順番に見ていく。
ユラも棚に近寄り、幾つかの瓶を手に取り、持ち上げたり揺らしたりして注意深く見ている。
棚の端から端まで見終わったエイルリスは、ユラの様子を見ていた。
ユラは次々と瓶を掴んでは戻してを繰り返していたが、突然「あった!」と大きな声を出した。
ユラの手の中には、はちみつに似た黄金色の液体が入った瓶がある。
「これだよ。頭の中のもやもやが取れてすっきりする薬。記憶を戻すのに効くかどうかわからないけど」
ユラがエイルリスの傍に来て、黄金色の瓶を差し出した。
エイルリスは慎重に受け取り、瓶を日にかざした。
きらきらと光ってきれいだ。効くといいな。どうか効いてほしい。一度はアレンと離れる方がいいと思ったけど、耐えられそうにない。離れたくない。だからアレン、俺のことを思い出して。
エイルリスは手を下ろすと、ユラの顔を見た。
「ありがとう。礼はどうすれば」
「お礼?くれるの?僕を脅してここに来たのに?」
「…悪かったよ」
ユラがくすりと笑い、窓辺に行って窓を開けた。
一筋の風が入ってきて、ユラとエイルリスの髪を揺らす。
風が冷たく寒かったが、窓の外の木に止まっているカラスに気づき、黙って見ていた。
ユラが振り返ってエイルリスを見る。
「寒い?ごめん。頻繁に換気しないと匂いやガスがこもるから」
「ガスが発生するのか?」
「ほんの少しね。その薬、全部飲ませてあげてね」
「わかった…ありがとう」
ユラがエイルリスの顔を見つめ、意味深に笑った。
「なに?」
「ううん。早く思い出してもらえるといいね…アレンくんに」
「おまえ…アレンのこと」
「うん、実は少しづつ思い出してる。まだ全部じゃないけど…。僕が君にしたことも何となく思い出した。ごめん、完全に八つ当たりだった。本当にごめん。だから、これはせめてもの償いだよ」
「じゃあ、俺のこと覚えてたのか?いつから?」
「うん。冬季休みに入る前くらいから、少しづつ思い出してる。でも、アレンくんへの気持ちは戻らなかった。代わりに、ずっと見守ってくれていた人の気持ちに気づいたから、結果的によかったんだ」
「そうか。見守ってくれていたのは、ケントだろ」
「うんそう。今の僕にはケントがいる。ケントがいてくれるから、幸せだよ」
「よかったな。仲良くしろよ」
「うん、ありがとう。エイルリスくんも、アレンくんと仲良しに戻れるよ、きっと」
「そうなるといいけど」
エイルリスは、寂しそうに笑った。
ユラがアレンやエイルリスのことを思い出していた。アレンからエイルリスに関する記憶が消えたから、ユラにかけられた術の効き目が薄れてきたのか。ユラみたいに、アレンの記憶も徐々に戻ればいいのに。
エイルリスは、今はアレンに自分のことを思い出してほしいと切に願っている。
でも不安もある。
アレンが俺を思い出したとして、気持ちも戻るのか?戻らなかったとしても、もう一度好きになってもらえるだろうか。俺は、どうやって人から好きになってもらえるのかがわらない。好きになってもらうために、どう接すればいいのかを知らない。
「すごいな。本当に薬とかを作るのが好きなんだな」
「そうなんだ。でも毒と薬は似てるから、薬を作るつもりが毒を作っちゃったってことが、よくあるよ」
「ふーん。危険だな」
エイルリスは、棚に近づいた。棚をのぞきこんで、順番に見ていく。
ユラも棚に近寄り、幾つかの瓶を手に取り、持ち上げたり揺らしたりして注意深く見ている。
棚の端から端まで見終わったエイルリスは、ユラの様子を見ていた。
ユラは次々と瓶を掴んでは戻してを繰り返していたが、突然「あった!」と大きな声を出した。
ユラの手の中には、はちみつに似た黄金色の液体が入った瓶がある。
「これだよ。頭の中のもやもやが取れてすっきりする薬。記憶を戻すのに効くかどうかわからないけど」
ユラがエイルリスの傍に来て、黄金色の瓶を差し出した。
エイルリスは慎重に受け取り、瓶を日にかざした。
きらきらと光ってきれいだ。効くといいな。どうか効いてほしい。一度はアレンと離れる方がいいと思ったけど、耐えられそうにない。離れたくない。だからアレン、俺のことを思い出して。
エイルリスは手を下ろすと、ユラの顔を見た。
「ありがとう。礼はどうすれば」
「お礼?くれるの?僕を脅してここに来たのに?」
「…悪かったよ」
ユラがくすりと笑い、窓辺に行って窓を開けた。
一筋の風が入ってきて、ユラとエイルリスの髪を揺らす。
風が冷たく寒かったが、窓の外の木に止まっているカラスに気づき、黙って見ていた。
ユラが振り返ってエイルリスを見る。
「寒い?ごめん。頻繁に換気しないと匂いやガスがこもるから」
「ガスが発生するのか?」
「ほんの少しね。その薬、全部飲ませてあげてね」
「わかった…ありがとう」
ユラがエイルリスの顔を見つめ、意味深に笑った。
「なに?」
「ううん。早く思い出してもらえるといいね…アレンくんに」
「おまえ…アレンのこと」
「うん、実は少しづつ思い出してる。まだ全部じゃないけど…。僕が君にしたことも何となく思い出した。ごめん、完全に八つ当たりだった。本当にごめん。だから、これはせめてもの償いだよ」
「じゃあ、俺のこと覚えてたのか?いつから?」
「うん。冬季休みに入る前くらいから、少しづつ思い出してる。でも、アレンくんへの気持ちは戻らなかった。代わりに、ずっと見守ってくれていた人の気持ちに気づいたから、結果的によかったんだ」
「そうか。見守ってくれていたのは、ケントだろ」
「うんそう。今の僕にはケントがいる。ケントがいてくれるから、幸せだよ」
「よかったな。仲良くしろよ」
「うん、ありがとう。エイルリスくんも、アレンくんと仲良しに戻れるよ、きっと」
「そうなるといいけど」
エイルリスは、寂しそうに笑った。
ユラがアレンやエイルリスのことを思い出していた。アレンからエイルリスに関する記憶が消えたから、ユラにかけられた術の効き目が薄れてきたのか。ユラみたいに、アレンの記憶も徐々に戻ればいいのに。
エイルリスは、今はアレンに自分のことを思い出してほしいと切に願っている。
でも不安もある。
アレンが俺を思い出したとして、気持ちも戻るのか?戻らなかったとしても、もう一度好きになってもらえるだろうか。俺は、どうやって人から好きになってもらえるのかがわらない。好きになってもらうために、どう接すればいいのかを知らない。
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