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ガラス瓶の中の液体が漏れ、アレンの服につく。酢のような、ツンと鼻を突く匂いがする。アレンの服に穴があき、肌が赤く爛れた。
「アレン!早く水で洗い流せっ!あっちに小川があったはずだっ」
エイルリスがアレンの腕を引っ張る。
本当ならエイルリスが浴びるはずだったモノだ。これじゃあ、エイルリスのせいでアレンが怪我をしたみたいになってしまう。アレンだからではなく、誰にも借りは作りたくない。
「ちょっと待って」
アレンが立ち止まる。腕を掴むエイルリスの手を外し、男子生徒の元に戻る。
「おいっ、早くしないと!」
「大丈夫だから。少しだけ待ってて」
前を向いたまま、アレンが言う。いつもの明るい声だけど、エイルリスの背中に冷たいものが走った。
アレン…怒ってるのか?
アレンは男子生徒を見下ろし、何かを言っている。二人から距離がある上に、とても小さい声で言ってるらしく、耳がいいエイルリスでも聞こえない。
でも、男子生徒の様子は見えた。
顔が真っ青というより真っ白になり、ガタガタと震えている。先ほどアレンに怒られて震えていた時よりも、更に大きく震えている。そして涙を流し、あろうことか口端から涎を垂らしている。
あの表情は恐怖だ。男子生徒はアレンを怖がっている。憧憬の的だったアレンを怒らせたから?嫌われたから?でも、そんなことで、あんなに恐れおののくものだろうか。
放心状態の男子生徒を置いて、アレンが戻って来た。
エイルリスの手を握り、「小川ってどこ?」と微笑む。微塵も怖くはない。
エイルリスはアレンに手を引かれながら、男子生徒を振り返った。ずっとぼんやりとして、その場から動かない。
「おい、アレン」
「どうした?」
「おまえ、あいつに何言ったんだ?かなりのショックを受けてないか?」
「別に。ただ、怪しい液体がかかったのが俺だったからよかったけど、ルリスにだったらただじゃ置かないって言っただけだよ」
「それだけであんなに泣くか?すげー怖い顔で言ったのか?」
アレンが目を上に向けて考える素振りをする。そしてエイルリスに視線を戻すと、にこりと笑った。
「うん、怖い顔したかも。だってルリスを怪我させたし、また怪我してたかもって思ったら、すごく腹が立ったからさ。自然と怖い顔になってたんだろうね」
「…おまえの怖い顔、想像できない」
「ふふっ、すっごく怖いよ?でもルリスの前ではしない。ていうかできない。ルリスの前だと、嬉しくて笑っちゃうからなぁ」
「なんだそれ。バカかよ…」
エイルリスは黙った。すっかりアレンのペースにハマってしまっている。俺らしくない。気を引き締めなければと足を早めた。
「アレン!早く水で洗い流せっ!あっちに小川があったはずだっ」
エイルリスがアレンの腕を引っ張る。
本当ならエイルリスが浴びるはずだったモノだ。これじゃあ、エイルリスのせいでアレンが怪我をしたみたいになってしまう。アレンだからではなく、誰にも借りは作りたくない。
「ちょっと待って」
アレンが立ち止まる。腕を掴むエイルリスの手を外し、男子生徒の元に戻る。
「おいっ、早くしないと!」
「大丈夫だから。少しだけ待ってて」
前を向いたまま、アレンが言う。いつもの明るい声だけど、エイルリスの背中に冷たいものが走った。
アレン…怒ってるのか?
アレンは男子生徒を見下ろし、何かを言っている。二人から距離がある上に、とても小さい声で言ってるらしく、耳がいいエイルリスでも聞こえない。
でも、男子生徒の様子は見えた。
顔が真っ青というより真っ白になり、ガタガタと震えている。先ほどアレンに怒られて震えていた時よりも、更に大きく震えている。そして涙を流し、あろうことか口端から涎を垂らしている。
あの表情は恐怖だ。男子生徒はアレンを怖がっている。憧憬の的だったアレンを怒らせたから?嫌われたから?でも、そんなことで、あんなに恐れおののくものだろうか。
放心状態の男子生徒を置いて、アレンが戻って来た。
エイルリスの手を握り、「小川ってどこ?」と微笑む。微塵も怖くはない。
エイルリスはアレンに手を引かれながら、男子生徒を振り返った。ずっとぼんやりとして、その場から動かない。
「おい、アレン」
「どうした?」
「おまえ、あいつに何言ったんだ?かなりのショックを受けてないか?」
「別に。ただ、怪しい液体がかかったのが俺だったからよかったけど、ルリスにだったらただじゃ置かないって言っただけだよ」
「それだけであんなに泣くか?すげー怖い顔で言ったのか?」
アレンが目を上に向けて考える素振りをする。そしてエイルリスに視線を戻すと、にこりと笑った。
「うん、怖い顔したかも。だってルリスを怪我させたし、また怪我してたかもって思ったら、すごく腹が立ったからさ。自然と怖い顔になってたんだろうね」
「…おまえの怖い顔、想像できない」
「ふふっ、すっごく怖いよ?でもルリスの前ではしない。ていうかできない。ルリスの前だと、嬉しくて笑っちゃうからなぁ」
「なんだそれ。バカかよ…」
エイルリスは黙った。すっかりアレンのペースにハマってしまっている。俺らしくない。気を引き締めなければと足を早めた。
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