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始動
ep.29
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「原田さん」
『あ、千葉さん。お疲れ様です』
「如月さんから聞いた?担当エリアの話」
『今資料貰いました』
私がデスクで資料を読んでいると、千葉さんが声をかけてきた。
珍しく眼鏡をかけている。
いつもとはガラッと雰囲気が変わって新鮮。
「今時間ある?」
『はい』
「引き継ぎしちゃお。
会議室は……お昼から使うんだったわね」
『下のコーヒーショップでしますか?
この時間なら空いてますし』
私達のいる本社ビルは一階に受付ロビーがあり、その奥に何店舗かカフェやレストランが集まった区画がある。
社員食堂もあるが、味に飽きた人は一階に降りてレストラン街で食事する人もいた。
毎日ではないが、私も何回か利用したことがある。
ランチの時間帯は激混みだが、お昼前の午前中なら割と空いている。
会議室が使えないならそこで引き継ぎを行うのがベストだろう。
「そうしましょうか。
ちょっと待ってて。資料持ってくる」
『あ、はい』
私も資料とノートパソコン、必要なものをバックにつめていく。
一応、如月さんに報告した方がいいだろう。
彼のデスクを見たが、その姿はいなかった。
数分前に会話した姿はない。
どこへ行ったのだろうか。
『相澤さん』
「ん?
なに?」
『如月さん、どこ行ったか知ってますか?』
「さぁ…?
会議の準備じゃないかな」
『戻ったら千葉さんと下で引き継ぎの打ち合わせしてますって伝えてくれますか?』
「了解。いってらっしゃい」
私は相澤さんに伝言を託してその場を後にした。
丁度千葉さんも準備を終えたのか、目配せされて一緒に部署を出る。
一階の本社ロビーはいつもより人は少なかった。
時間帯のせいだろう。
私達はロビーを通り過ぎ、レストラン街へ足を向かわせる。
いつものコーヒーショップへ入店した。
予想通り店内は混雑しておらず、まばらな人の入りだった。
これならゆっくりと引き継ぎ作業を行えるだろう。
「原田さんカフェラテだっけ?」
『あ、はい。私、買ってきます』
「いいわよ、座ってて」
『え……でも…』
「いいから」
『…ご馳走様です』
まただ。
千葉さんはいつもこう。
毎回ではないが、一緒にランチやカフェでお茶する時彼女は私に席を取らせて代金を払ってきてしまう。
お金を渡しても受け取ってはくれない。
仕方なしに私は比較的広いスペースのある二名席を選んで腰掛けた。
窓際側の席。
暖かな日差しが差し込んでいる。
「お待たせ」
『ありがとうございます。いつも…』
「いいわよ、大した額じゃないし」
千葉さんは五分ほどして二人分のドリンクを手に戻ってきた。
彼女の手元には生クリームたっぷりのコーヒー。
珍しい。
いつもはブラックコーヒーだった気がするが。
『あ、千葉さん。お疲れ様です』
「如月さんから聞いた?担当エリアの話」
『今資料貰いました』
私がデスクで資料を読んでいると、千葉さんが声をかけてきた。
珍しく眼鏡をかけている。
いつもとはガラッと雰囲気が変わって新鮮。
「今時間ある?」
『はい』
「引き継ぎしちゃお。
会議室は……お昼から使うんだったわね」
『下のコーヒーショップでしますか?
この時間なら空いてますし』
私達のいる本社ビルは一階に受付ロビーがあり、その奥に何店舗かカフェやレストランが集まった区画がある。
社員食堂もあるが、味に飽きた人は一階に降りてレストラン街で食事する人もいた。
毎日ではないが、私も何回か利用したことがある。
ランチの時間帯は激混みだが、お昼前の午前中なら割と空いている。
会議室が使えないならそこで引き継ぎを行うのがベストだろう。
「そうしましょうか。
ちょっと待ってて。資料持ってくる」
『あ、はい』
私も資料とノートパソコン、必要なものをバックにつめていく。
一応、如月さんに報告した方がいいだろう。
彼のデスクを見たが、その姿はいなかった。
数分前に会話した姿はない。
どこへ行ったのだろうか。
『相澤さん』
「ん?
なに?」
『如月さん、どこ行ったか知ってますか?』
「さぁ…?
会議の準備じゃないかな」
『戻ったら千葉さんと下で引き継ぎの打ち合わせしてますって伝えてくれますか?』
「了解。いってらっしゃい」
私は相澤さんに伝言を託してその場を後にした。
丁度千葉さんも準備を終えたのか、目配せされて一緒に部署を出る。
一階の本社ロビーはいつもより人は少なかった。
時間帯のせいだろう。
私達はロビーを通り過ぎ、レストラン街へ足を向かわせる。
いつものコーヒーショップへ入店した。
予想通り店内は混雑しておらず、まばらな人の入りだった。
これならゆっくりと引き継ぎ作業を行えるだろう。
「原田さんカフェラテだっけ?」
『あ、はい。私、買ってきます』
「いいわよ、座ってて」
『え……でも…』
「いいから」
『…ご馳走様です』
まただ。
千葉さんはいつもこう。
毎回ではないが、一緒にランチやカフェでお茶する時彼女は私に席を取らせて代金を払ってきてしまう。
お金を渡しても受け取ってはくれない。
仕方なしに私は比較的広いスペースのある二名席を選んで腰掛けた。
窓際側の席。
暖かな日差しが差し込んでいる。
「お待たせ」
『ありがとうございます。いつも…』
「いいわよ、大した額じゃないし」
千葉さんは五分ほどして二人分のドリンクを手に戻ってきた。
彼女の手元には生クリームたっぷりのコーヒー。
珍しい。
いつもはブラックコーヒーだった気がするが。
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