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72.朝食前に遊ぼうか
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『ゆら、お前つまんねー奴だな』
嫌な台詞と同時に意識が浮上した。夢だったはずが妙にリアルな声だった。
「……振られたのにホンっと女々しいな」
優しくない自分勝手な男。でも、どうしょうもないくらいに側にいたかった存在だった。
急に気持ちは完全には変えられないのよね。
ふと、ラジやあの憎たらしいダッカーの顔が浮かんだ。彼らは嫌いじゃない。
じゃあ…何?
「わかんないなぁ」
それより本当に私は、今を生きているのか。
「痛いっ」
『何をしているのですか? 先程から一人話しているようですが。今、此方に向かっている者がいますよ』
昨夜から人の姿の光が未だベッドから出ず右へ左へと転がりながら天涯の柱に足をぶつけ擦る私の様子に呆れた口調と嫌みな視線がとんできた。
「まあ、この痛みでとりあえず現実な気がする。それで誰が来るって?」
『リアンヌ、ラジウス…ナウル』
成る程。ならば、もう朝食を済ませて。いえ、その前にとりかかるか。
「光、すぐに外で頼みたい事があるの。あと地の子達にも」
「ユラ様、早朝に申し訳ございません」
ノックの音と同時に光は腕輪になった。
「返事ないの? 最近、光も顔にでるよね」
表情を顔に出す光を最近気に入っている。きっと本人は伝えたら嫌がるだろうけど。
「ユラ様?」
「はい! 起きてます」
私は、リアンヌさんの気遣う声とノックの音で、やっとベッドから起き上がった。
* * *
「ユラ様、話をするのではなかったのですか?」
中庭に移動した私とラジ、リアンヌさんにナウル君、ついでに密偵さんが微妙な距離感で佇んでいる。
武器を手にしている困惑のナウル君は訝しげに聞いてきた。
「準備運動をして最初はどうしよっかなぁ」
「無視をしないで下さい!」
痺れを切らしたのかナウル君が焦れたように私を呼ぶ。
「ユラ」
「何?」
ナウル君の少し高い声とは違い、低くよく通る声にうっとおしいながらも返事を返せばまた眉間にシワのラジ。
君は、私の保護者なのかしら?
「昨日、言っていた内容に追加をしただけよ。ラジは、その狼さんみたいな人と戦って。私は」
ちらりと彼を見て言った。
「私は、ナウル君と遊ぶから」
「ユラ様! 俺は」
「どういうつもりだ。剣は遊びで扱う物ではない」
あー!もう! 煩いなぁ。
「遊びは訂正。本気よ」
「ユラ様! 俺は戦いたくありません!」
ナウル君を見れば焦ったような顔。
「ナウル君。私、こうみえても少しは傷ついているわけよ。結構楽しかったし仲良くしているつもりだった」
誰も信じないと思っていても長く同じ時間を過ごせばやはり情はでる。
「私、地の国で人だった者を消したわよね。後悔はしていないけど今も夢にでてきてうなされる。なら相手がもし人だったら? それもよく知っている人物に私は、果たして剣を振り下ろせるのか」
一歩前に踏み出せば、一歩下がるナウル君。
「剣と魔法の世界なんて響きはカッコイイけど、ようは弱肉強食よね」
丈夫な体や魔力の保持量はこの世界では素晴らしい武器。逆に弱い者は簡単に消えていく。
「私は、この世界が怖いし帰りたい。それは人を傷つけても揺るがないものなのか」
「ユラ様っ」
「光、剣になれ」
低く唸る音と共に現れたのは美しい銀色の剣。
飾りが一切ないその柄を握ればひんやりと冷たい。竹刀にはない空を映す刃が朝日に反射して輝く。
「ナウル君、私に本気を見せて?」
まだ悩む彼に私は、この美しい剣を向けた。
嫌な台詞と同時に意識が浮上した。夢だったはずが妙にリアルな声だった。
「……振られたのにホンっと女々しいな」
優しくない自分勝手な男。でも、どうしょうもないくらいに側にいたかった存在だった。
急に気持ちは完全には変えられないのよね。
ふと、ラジやあの憎たらしいダッカーの顔が浮かんだ。彼らは嫌いじゃない。
じゃあ…何?
「わかんないなぁ」
それより本当に私は、今を生きているのか。
「痛いっ」
『何をしているのですか? 先程から一人話しているようですが。今、此方に向かっている者がいますよ』
昨夜から人の姿の光が未だベッドから出ず右へ左へと転がりながら天涯の柱に足をぶつけ擦る私の様子に呆れた口調と嫌みな視線がとんできた。
「まあ、この痛みでとりあえず現実な気がする。それで誰が来るって?」
『リアンヌ、ラジウス…ナウル』
成る程。ならば、もう朝食を済ませて。いえ、その前にとりかかるか。
「光、すぐに外で頼みたい事があるの。あと地の子達にも」
「ユラ様、早朝に申し訳ございません」
ノックの音と同時に光は腕輪になった。
「返事ないの? 最近、光も顔にでるよね」
表情を顔に出す光を最近気に入っている。きっと本人は伝えたら嫌がるだろうけど。
「ユラ様?」
「はい! 起きてます」
私は、リアンヌさんの気遣う声とノックの音で、やっとベッドから起き上がった。
* * *
「ユラ様、話をするのではなかったのですか?」
中庭に移動した私とラジ、リアンヌさんにナウル君、ついでに密偵さんが微妙な距離感で佇んでいる。
武器を手にしている困惑のナウル君は訝しげに聞いてきた。
「準備運動をして最初はどうしよっかなぁ」
「無視をしないで下さい!」
痺れを切らしたのかナウル君が焦れたように私を呼ぶ。
「ユラ」
「何?」
ナウル君の少し高い声とは違い、低くよく通る声にうっとおしいながらも返事を返せばまた眉間にシワのラジ。
君は、私の保護者なのかしら?
「昨日、言っていた内容に追加をしただけよ。ラジは、その狼さんみたいな人と戦って。私は」
ちらりと彼を見て言った。
「私は、ナウル君と遊ぶから」
「ユラ様! 俺は」
「どういうつもりだ。剣は遊びで扱う物ではない」
あー!もう! 煩いなぁ。
「遊びは訂正。本気よ」
「ユラ様! 俺は戦いたくありません!」
ナウル君を見れば焦ったような顔。
「ナウル君。私、こうみえても少しは傷ついているわけよ。結構楽しかったし仲良くしているつもりだった」
誰も信じないと思っていても長く同じ時間を過ごせばやはり情はでる。
「私、地の国で人だった者を消したわよね。後悔はしていないけど今も夢にでてきてうなされる。なら相手がもし人だったら? それもよく知っている人物に私は、果たして剣を振り下ろせるのか」
一歩前に踏み出せば、一歩下がるナウル君。
「剣と魔法の世界なんて響きはカッコイイけど、ようは弱肉強食よね」
丈夫な体や魔力の保持量はこの世界では素晴らしい武器。逆に弱い者は簡単に消えていく。
「私は、この世界が怖いし帰りたい。それは人を傷つけても揺るがないものなのか」
「ユラ様っ」
「光、剣になれ」
低く唸る音と共に現れたのは美しい銀色の剣。
飾りが一切ないその柄を握ればひんやりと冷たい。竹刀にはない空を映す刃が朝日に反射して輝く。
「ナウル君、私に本気を見せて?」
まだ悩む彼に私は、この美しい剣を向けた。
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