勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第1章 始まりと魔法世界への準備

第13話 松沼さん家の事情

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 ということで、お話をしていると。
 美月のおかあさん。 かお〇さん……。 そうだかおりさんだ。

 歳は不明だが、美月に似て美人。
「あら気が付いた。大丈夫だった?」
「ああ、ありがとうございます。何とか大丈夫そうです」

 すると父親が、
「美月の同級生らしい」
 なんで、ドヤって言うんだ?
「ええそうよ、神崎くんよねえ」
 お母さんが知っていて、当然のように答えると、目が丸くなる父。

「はいそうです」
「なんで名前まで知っているのだ?」
「高校……。 3年生の夏位からかしら、美月の話の中に、しょっちゅう名前が出ていたじゃない」

 眉間にしわが寄るお父さん。
「むっ、わしは聞いてない」
「それはあなたが聞いていないだけでしょ。ちゃんと言っていましたよ」
「むぅ」
 考えこみうなっている。

 そこに追い打ちをかける、お母さん。
「いくらスキンシップしても、相手してくれないとか。言っていたじゃないですか」
「なっ、貴様高校生で、娘にそんなことを」

 やれやれと、俺は答える。
「話聞いていました? 相手をしてくれないの、意味わかります?」

 そうか! と言う感じで、目が見開かれる。
「ぬっ、そうか。なんだ? 娘のどこが気に食わんのだ?」
 何だ、こいつは?
「出会って、すぐに殴るところ」
「あっ…… ああ」
 あれ? 絞んじゃった。

 そこへ、火種のお母さん。
「あらまあ、一回ぐらいはしようがないわよ。そこで強引に来てくれればよかったのに、きっと」

 その答えに、遠い目をして答える俺。
「いやまあ、今となっては、よく踏みとどまったと思っていますけどね」

 そこに追い打ち、追撃の母この人は……。
「でも最近はずっと、お邪魔していたのでしょう?」
 そう言って、ウフフと笑う。
「ええ、お邪魔していました」
「ニュアンスがおかしいけれど、まあ、それなら。少し遅くなったけど娘も23になったから、ちょうどいいじゃない、よろしくね」

 少し頭が痛くなった俺は、きっぱりと答える。
「……いえ、せっかく退院できたのだから、お返しします」

 すると、さすがにあいつのお母さん。
「いやあねぇ、せっかく退院して来たから…… だから邪魔なのよ」
「……邪魔? そうですか……」
 ひらめいた感じで、話に乗って来るお父さんだが、理解しているのか?
「うっうん、そうだな。誰君だったかな、とりあえず娘を頼むよ」
 と言ってくる。

「いや、ラ〇オ体操行って。宿題して、プール行かないと……。 これでも忙しいので」
 俺がそう言うと、にこやかに突っ込んでくる。
「あらまあ、何処のニ〇トかしら、グダグダ言ってないで連れて帰ってね」
 その瞬間。なんだか、おかあさん背中に、半透明な何かが這い出して来たんですが……。

 そこで、さらに追撃のお母さん。
「もらい物で悪いけどブランド牛。お試しセットも付けるわよ」
「あっはい、連れて帰ります」
 ビシ、思わず敬礼してしまった。

「……えっ、かおりさん……」
 おとうさん、和牛セット楽しみにしていたのじゃ? 血の涙流している……。

 ちょうど、そこにやって来たので、
「しょうがない、美月帰るぞ」
 と言い放つ。

「えっ、いいの?」
「ああ、和牛セット忘れず持って来いよ」
「うん。それじゃあ、ホームビールサーバーも持っていく」
「うん、ああよろしく。それじゃあ、ありがとうございます。(お肉は)頂いて帰ります」
 お父さんがすがるように、右手を挙げているが、俺には肉しか見えない。

「ふふっ、よろしくね」

 和牛セットは速やかに亜空間収納に仕舞った。
 今日は最高気温20度で、暖かいから傷んじゃうと困るし。

 松沼家から、ルンルン気分で帰っていたが…… うーん?
「おーい、ちょっと寄り道するぞ」
 と美月に言う。

「うんいいよ、どこ行くの?」
 と言われても悩むが。
「あなたの街のホットなポイント…… ダンジョンだ」
 近くにある、ダンジョンを見つけて中に入る。

 少し急いで、分岐のところに入り込むと、壁を作り通路をふさぐ。
 ちょっとだけ、穴を作って入口の方を覗く……。

 3人ほど慌てて奥へ走っていく。
 うーんダンジョン内をスキャンすると、死んだダンジョンではなくボスがいる。
 まあ、ウルフが3匹だからちょうどいいな。
 壁を解除して、通路に出ると入り口側に移動して壁を作る。
 これで、いいだろう。
「さっきの、なんだったの?」
 と、美月が聞いてくる。
「ネズミが三匹ついて来ていたから、ダンジョンに閉じ込めた」
 とだけ答える。 

 外へ出て、今度こそ帰ることにする。

 ダンジョンから出てくると、パトカーや救急車が走り回っている。
 何か事故かな?

 そうすると、美月のスマホに着信が入る。
「はい。もしもし、えっ、うんうん、そうなの? こっちのは、ダーリンがさっき何かしていたから大丈夫だと思う。うん。うん。ヤダ返さない。……帰らない。……うん、それじゃあね」

「なんだ?」
「なんだかお母さんからで、何日か前からこの辺でうろうろしていたやつらは、捕まえて所轄に渡したって。チームゴブリンはモンスターとかいうやつらは、婦女暴行(婦女に暴行受けた罪)で押し込んだ。しばらく入院で、その後逮捕だろうって。おまけでつけれそうなポイント(詳細は知らんけど、こいつらのやりそうな余罪)は目いっぱい付けるって言ってた。 あと仕事は終わったから、お肉返してとか? ヤダって言ったら、じゃあ帰ってくる? て、お父さんが言っていたから断ったよ」

「帰らなくていいのか?」
「帰るなら。お肉持って帰るよ」
「じゃあ、おれの家に帰ろう」
 びしっと答える。

 うん?ゴブリンはモンスター? もしかして、あいつらか? チームゴブリンハンターとか言っていたもんな。
 仕返しでもするつもりで、この辺りを張っていたのか。ご苦労さんだが、かおりさん、あいつらのしちゃったのかすごいな。
「おう、かおりさんすごいな」
「ああ両親とも警察関係だから結構強いの。……あれ? おかあさんは検察だっけ?」
「おお、注意しよう」
 やばい、人達だった。

「俺大丈夫かな? 強制的に逮捕(結婚)とか、させられるんじゃないか?」
 美月との結婚の対価が和牛セットじゃ。安すぎた気がするな……。


「そういやおまえ今、仕事何やっているの?」
「法律事務所の下働きというか居候? お給料は安いけど、時間が結構自由だから」
「ふーん……」


 あれ? 今思うと法律事務所の居候って。
 イソ弁て弁護士じゃないか?
 そういや、こいつ成績は良かったよな。

 横で肉を食って酒飲んで、腹を出して寝ている美月。
 つい書いちゃった、額の肉とほっぺの猫ひげは消したほうがいいかな……。
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