勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第3章 本格的侵攻開始   か?

第11話 年末の行事

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 適当にまとめて、リポートを送った。
 これで年内の仕事は、仕舞ができたと一息をつく。

 たかだか4か月で、大きく変わった俺の周りの環境。
 思い返して、遠い目をする一司…… もう自分が人間かどうかも分からない。

 ロックグラスに魔法で丸い氷を作り、それを浮かべてグラスを軽く振ると、中身を一気にあおる。

 うむ、暖かい部屋では、やっぱり麦茶だな。


 年末。子供たち…… そうだ餅つきをしよう。
 餅つきで検索をする。
 良し、とりあえずもち米を買いに行く。
 和せいろ鍋付セット 2升用も、レジ横に売っていたので購入して来た。

 そのまま、もち米を2升洗米をする。その状態で、2~3時間浸水させておく。

 その間に、ホームセンターへ行き、杵と臼。それと蒸し布を買いに行く。帰り道、手水バケツを思い出して買いに戻る。

 臼と杵を洗い、そのまま湯を張って温めておく。
 だが、冷めてしまって、後で入れなおす羽目になった。

 そろそろいいだろう。そう思いながら、もち米の準備を検索すると浸水一晩? お湯で2~3時間? あれ? さっき俺は何を見たんだ? おこわ……。

 そこで、力が尽きた。

 夕食時に、みんなに明日餅つきするぞと宣言をする。
「もち米も今浸水してあるから、明日になって蒸せばつける」
 子供たちは、うん。喜んでいるな。よしよし。


 朝起きて、ダイニングに行くと皆が起きていた。
 真魚に至っては、目がさえて6時から起きていたそうだ。
 仕方が無いから水切りを始めた。
「1時間くらい水きりにかかるようだから、その後に蒸そう」

 そう言うとなぜだか、美月と神地さんが食いついている。
 いやな予感がする。
 あっ、餅とり粉を忘れた。
 仕方がない、また買いに行くか。
 せっかく餅を搗くし、すぐに食べられるように、きなことかあんこも買ってくるか。

「買い物に行くけれど何かいるか? きなことか、あんこも買ってくるが」
「あんこは、どっち?」
 美月が聞いてくる。こいつは、漉し餡が好きだったよな。

「ああ粒とこし、両方買って来よう」
「イチゴ」
「じゃあブドウ」
「じゃあ、カットフルーツを買ってくるよ。砂糖餅も、作るんだな」
 中に入れる物が、完全に大福になってきている。まあいいけどな。

「じゃあ海苔」
「私、緑のお餅」
「緑のお餅? ヨモギか? いや青のりのもあったな」
「ヨモギって、あの雑草ですか?」
 真魚が、怪訝そうに聞いてくる。

「昔は、傷薬だったらしいぞ。ただ、その辺の奴は食うなよ。犬の散歩コースになっているからな」
「それは嫌ね」
 ちらっとフェンが見られる。フェンは粗相しないから大丈夫。

「まあ買ってくるよ」
「行ってらっしゃい」



 買い物して帰ってきたら、もち米が蒸されていた。
 それは良い。だが、
「その大量のおにぎりは何だ? 確かにもち米のおにぎりはうまいが、俺は餅をつくと言ったよな」
 皆が、おにぎりを咥えながら、ビクッとする。

「匂いがね。おいしそうだったの……」
 美月がそう言ったら、周りで皆が頷いている。

 せっかく買って来たのに。
 ため息をつきながら、俺は買ってきたものをテーブルへ出していく。
「色々な、粉があるんですね」
 それを見て、真魚が珍しそうに聞いてくる。

「ああ、餅とり粉。これは米粉らしいが、最近は、片栗粉やコーンスターチも多いらしい」
「一司さん。コーンスターチって何なんですか?」
「まあ、片栗もコーンスターチも、でんぷんだ」
「片栗って海藻からできているのよ」
 美月が胸を張りながら、真魚に説明をする。

「堂々と、子供に嘘を教えるんじゃない。海藻からできるのは寒天だ。最近の片栗粉はジャガイモのでんぷん」

「元副将軍の某ご隠居が、水戸のちりめん問屋で釜揚げのちりめんじゃこを売っていると、同レベルの勘違いだぞ」
「えっ違うの?」
「ちりめんは縮緬と書いて、布地だ。シボと言ってシワ模様が付いた奴だ。見たことがあるだろう?」
「そうなのね」

 ふと思いついた感じで、美月が馬鹿なことを言い出す。
「それじゃあ、きなこは、キナの粉じゃないの?」
「キナってなんだよ? 抗マラリア剤でも作るのか? きなこは炒った大豆の粉だろう。ちなみにあんこは小豆」
「さすがに、それは知っているわよ」
 真面目にメモを取っている真魚は良いが、神地さんお前もか……。

「さてと。もち米の蒸したのは、どのくらい残っている? 1升5合位か。まあ搗こうか」
 臼のお湯を捨て、もち米を入れる。臼の周りを回りながら、潰すように杵で潰していく。
「お餅って、搗くわけじゃないの?」
「最初は米を潰して、ある程度まとまってからだ。この位だな」
 もう臼の中では、米の形がほとんど残っていない。

「真魚とか壮二。搗いてみるか。杵を上から落として、ぺったん、ぺったんという感じで行けよ。もうお前たちでも、臼が割れるから全力は出すな」
「はーい」

 くっつかない程度に、手水を合いの手で入れる。
 入れすぎるとべしゃ、べしゃになるから調整をする。むっ、ここだ。
「はい」ぺったん、ぐるりん「はい」ぺったん「はい」ぺったん、ぐるりん「はい」ぺったん「はい」……。
「ストップ」
「へっ。杵をつかまなくても」
「ああ、真似をするなよ。交代」

 交代をしながら、餅つき体験をさせていく。
 搗き終わったので、餅を移す。
 昔の記憶では、もろ蓋と言う木製の四角い箱で作業をしていた気がするが、今回は、用意をしていたそば用のこね鉢に餅とり粉を振って餅を移す。
 しまった、砂糖もちと青のりの餅を忘れた。
 適当に戻してこねる。

 ムラになったかもしれんが、仕方がない。
「一司さん、杵なんか使ってなくて、餅をついてますね」
 何かぼそぼそ聞こえるが、皆楽しそうだし良いだろう。
 
 皆でこね鉢に集って、自分の好きな形に丸めている。

 俺はそれを確認すると、一つおにぎりを咥えて、臼や杵の道具を収納して外へ行く。
 外で洗い始めてから気が付く。
 しまった、水じゃあ落ちねえ。
 また収納して風呂場へ向かった……

 よし、明日は、そば打ちだな。
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